焼却炉の問題点:メンテナンス現場からのメッセージ | 脱原発の日のブログ

脱原発の日のブログ

12月8日は1995年、もんじゅが事故を起こして止まった日。この時、核燃料サイクルと全ての原発を白紙から見直すべきだった。そんな想いでつながる市民の情報共有ブログです。内部被ばくを最低限に抑え原発のない未来をつくろう。(脱原発の日実行委員会 Since 2010年10月)

「良く議論をしてください」とのことで、転載等ご了解です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・*転送・・・・・・・

焼却炉の問題点

BFがメンテナンスの中心的話題になっていますが

プラントメンテナンスしてる方からメール頂いたので転載します

★☆下記です★☆

ボイラーがどういうものか分からない人には全く理解できない内容だなあ…
まあ、平たく言うと焼却施設の内部全体が汚染されて、困ってしまうんでないの?って話です。

(ボイラーのスペックが分からないので温度等の数値は必ずしも正しくありません)

100℃程度のボイラー給水は、燃焼ガスの熱を受けながら、節炭器管、蒸発管、過熱器管を経て300数十度の蒸気になる。
ボイラーの各セクションにおける管の表面温度は、150~400℃前後であると思われる。
一方、燃焼ガスは焼却炉で900℃前後、ボイラーセクションやバグフィルタ(集塵器)を通過しながら最終的には200℃以下程度で煙突から放出される。

焼却炉が900℃前後ということは、セシウムは気化した状態にある(沸点671℃)。大半はガス状で下流のセクションへ流れて行くことになるが、まずここで気になる事は、
蒸発管や過熱管表面に付着している灰や、断熱材(耐火レンガやキャスター)にガスが浸透し汚染が蓄積するのではないか、ということ。

そして、ガスが過熱管を通過する段階から、徐々にガス温度が低下する。気化したセシウムが固体析出するのは200℃程度と言われており、下流へ行くに従い析出しやすい状態となる。
給水が最初に入る節炭器管の表面温度は150℃程度と思われるので、
管表面に接触することで固体に戻る。それが他の汚れ物質(灰)とともに管表面に付着堆積する。従って、連続的に排出される主灰とは別に、これはボイラーセクションの中に蓄積していくことになる。
ボイラーセクションを通過した段階では、ガス温度は200℃以下まで低下しているため、セシウム気体の多くは固体として析出しバグフィルタにて捕捉される。
バグフィルタは捕集効率100%ではないため、全てが捕捉される訳ではなく、一部は通過し大気へ放出される。
大気放出される直前のバグフィルタが話題になるのは当然として、上記の如く焼却炉ならびにガスの通過する所そのものが汚染されてしまいますよということ。 ボイラー管のある各セクションだけではなく、当然それらを納めている煙道ダクトに堆積するのは言うまでもない。
何年おきかにボイラーの開放清掃点検が行われるが、そこで問題の発生することが想定される。
施設全体が汚染された状態であるため(どの程度かは想像つかない)、内部清掃における安全対策をいかにするのか、灰の処分はどうするのか、明確にする必要がある。

苫小牧市沼ノ端の焼却炉に関する資料リンク
http://www.jfe-steel.co.jp/research/giho/019/pdf/019-18.pdf
http://www.jfe-eng.co.jp/release/news04/news_e04025_1.html
http://www.jefma.or.jp/jefma/57/pdf/jefma57-12.pdf
http://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/sisetukanri/numasyoukyaku.htm

それから、http://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/sisetukanri/numa.htm
このページ下方に埋め立て処分場の概要パンフがあり、浸出水の処理について記載されています。
放射性物質は、おそらくろ過する部分に蓄積したり、汚泥に混ざったり、最終的な排水として下水道にスルーしたり、ということだとイメージします。
これらについても考慮が必要になるものと思います。下水道に流れたら下水処理施設も考慮か…。

焼却炉にしても、埋め立て処分場にしても、管理基準や安全対策やなんかを明確にすべき所が沢山あると思います。逆にそれが出来ないなら、謙虚になってもらうしかないのではないかな?と。