外務省との質疑記録 10.20水産加工品ODAについて (English Movie付き) | 脱原発の日のブログ

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12月8日は1995年、もんじゅが事故を起こして止まった日。この時、核燃料サイクルと全ての原発を白紙から見直すべきだった。そんな想いでつながる市民の情報共有ブログです。内部被ばくを最低限に抑え原発のない未来をつくろう。(脱原発の日実行委員会 Since 2010年10月)

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Ustからの書き起こし;市民は発言者が変わった所、複数発言している所は「・印」を打ちました。


石川さん

このたびはお忙しい中をありがとうございます。
ご案内の通り、市民の皆様からODA予算について
質問がありますので、お手元に配りましたレジュメに従って
意見交換させて頂ければと思います。
福島みずほなんですが、別件と重なってしまいまして
大変失礼なんですが、秘書が同席させて頂きます。

<市民の自己紹介>
<外務省側の自己紹介>

市民
私たちが報道を見て、疑問を持ちました根本的な問題は
政府が定めている食品の放射能暫定規制値ー3月17日に
厚生労働省が設定したものです、それがずっと引き継がれて
いるのですけれども、食品から摂取される放射能の規制が
甘くなったため、子どもたち、若者達の遺伝子を損傷する
可能性も高くなったということで、それを守りたい市民にとっては
非常に危険である、と思っています。毎日の台所の仕事が
5割増しくらいに増えているのがなぜか、ご存知ですか?

外務省;本清さん
お買い物をしている方が、生産地を確認されながらやっておられる
というのは、報道でも読んでおりますし、風評被害ということで
生産者の方が、ご苦労されていることは承知しております。
私も以前に、メキシコが輸入制限をとろうとしたことに対して
食料品については、日本国内で安全だということで、受け入れて
ほしいという交渉を担当しておりました。

市民
では、規制値に関して、今国民が放射能汚染を非常に気にしていると
いう事は把握されているということで…?

外務省
はい、重々承知しています。

市民
外務省の仕事、ODAという予算で、なぜ復興支援をするか?という疑問と、
放射能内部被ばくを抑制するべき暫定規制値の認識に大きなギャップがあるの
ではないかという、二つの疑問があるのです。

外務省
第一のご質問ですが、被災生産地の我々の考え方というのは、
『東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律』の中で
「特定被災地域」とされた、岩手県、宮城県、福島県の全域と、青森県、茨城県、
栃木県、埼玉県、千葉県、新潟県、長野県の一部市町村が対象地域になります。

市民
では、そこの生産物は全て対象になるということですか?

外務省
生産物の中でもODAの食糧援助の対象となっているのは、魚の缶詰で、
これ以外の食品は含まれておりません。

市民
提供される水産加工品の生産時期と原料の水揚げ時期、また実際の漁場と
水揚げする港が違う場合もあります。この案件は、市民としては撤回して
頂きたいが、もしする場合には、必ず今の項目と、放射能検査の詳細について
回答をいただきたい。

外務省
回答については検討します。

市民
明日からの国会で決定されると実施される時期は?

外務省
いえ、国会に提出する政府の予算案に、この案件が入るかどうか、
財務省によるが、未定である。財務省が決めた後、政府案として閣議で了承されて
国会に送られる。国会で議論され承認か否かが決まり、承認されればそこから
手続きが始まることになります。第三次補正というのは、
基本的に年度内に実行に移されます。

市民
2012年3月31日まで、ということは、割とすぐの話ですね。
私たちは、漁場の汚染度を一番気にしているので。この案件の成り行きは
どのようにリサーチすればよいですか?

外務省
報道ベースと、こういった食糧を調達する場合、国際機関を通じてやりますから
そういうご要望があったということで、国際機関と話はしますが、生産時期とか
水揚げ時期まで特定できるかどうかについては、今の時点で確定にお答えできますとは
言い切れないということだけはご理解…

市民
国際機関とは?

外務省
WFP=ワールド・フード・プログラム

市民
これはネット上でも公開されていますか?

外務省
外務省がHPで公開するのは、予算が認められてなおかつ、国会で承認された後、
実施に移して、供与先等が決まって発表できるタイミングになったら発表することになる。

市民
最終的に、どこの魚を使ったとかも発表されますか?

外務省
いや、そういったことまでは普段は発表しません。
発表されるのは供与される食糧、その数量と相手国名といった内容です。

市民
・その魚はどこの魚かわからないのですか?

外務省
ですから我々は、被災地に工場があるところから調達したいと思っておりますので。

市民
わかる?

外務省
トレースする方法があればわかります。が、WFPとの話の中で、生産時期、水揚げ地点は
わかっても、漁場や漁獲時期は、わかるかどうか、わからない…。

市民
加工品を買ってくるだけで、調査もチェックもしないのですか?
それなら『政府が事前に放射能検査を行い、安全性を確認する』という記事について
具体的にどういう風に?

外務省
これは、被災地で製造された缶詰の中から必要数をサンプルとして抽出し、公約機関とか
第三者機関で行われている放射線量の調査依頼を行って、放射線量の検査証明書を
発行してもらうことを想定しています。


市民
その場合の安全性の数値は国内基準?

外務省
厚生労働省が定めている暫定規制値。

市民
・暫定規制値というのはあくまでも非常事態の場合の規制値でありまして、
被災地でない、被ばくのない場所で通用する数値ではありませんよね。
たとえば、今の日本の暫定規制値をどこかへ持って行って、500ベクレルって
言って、通る数字ではないでしょう?国際的に認められている数値では、
まるっきりないので、これを外に出して援助するなど、大きな間違いではないですか?


<続く>

英語字幕つきダイジェスト版
Stop Japan from sending radioactive fishes to third world!

http://t.co/z0fe4v8R

これはひどい話です。それは恥ずかしいです。

外務省
そこは皆さんおそらく放射能の関係でおっしゃっているのだと思いますけれども、
我が国はこれまでにも水産加工品の援助をやってきておりますし…

市民
それはだけど、別に被ばくした魚を出したわけではないでしょう?
全然違います。
それは東日本大震災に伴う福島第一原発事故以前であり、暫定規制値制定前でしょう。
今は日本は普通の状態ではないではない、そこをお考え頂きたい。

外務省
そこはご意見、今日お伺いいたしましたけれども、我々は日本国内で安全性が
確かめられているものを、外国の方に協力させていただく・・・

市民
今「日本国内で安全性」とおっしゃいましたけれども、あくまで暫定的なものでありまして、
ですから「暫定規制値」という名前がついているわけです。これが平時に認められる数字では
決してないわけですから。その辺を「安全」「安全」と言われても、特に世界的に見れば
あまりにも非常識な数字で、我々は納得できるものではありません。これを「安全」とおっしゃるのは
違うのではないですか?

外務省
もちろん途上国側に供与するに際しても、そこは日本国内の安全性の基準を満たしたものです、という形で、各国からご要望があれば協力するということでございますので・・・

市民
・要望があったら、ですか?

外務省
要望があれば、です。

市民
要望がなければ被災地の缶詰を無料配布するということは、しないですか?

外務省
ないです。

市民
・でも…第三国の人たちって食べ物に困っているような方もいらっしゃるのでそういう方が食べ物を断るということをするのかどうか。それで、病気になる可能性があるものを提供することは、日本人として避けたい、避けて欲しい事です。

外務省
我々はODAを通じて被災地の復興を手助けしたいと思っておりますので、缶詰以外の例えば被災地で作られた工業品みたいなものを供与する形で(配付資料;「第三次補正案件・途上国の要望を踏まえた工業用品、食糧等の供与」を示す)こちらにあるような生産ラインで稼働させて協力する、というものの予算を要求させて頂いておりますので・・

市民
・できれば是非、被災地からの食品は供与しないで欲しいんです。

外務省
そこは、ご要望が途上国からなければ協力は行かない。これはもちろん、説明した上で、ご要望があれば、ということでございます。前半から申し上げれば、外務省としては50億円のうち、10億円程度を水産加工品予算にあてる、二番目のご質問については、WFP経由で供与されると。

市民
・だとしたら、ある程度のやりとりはもうあると思うんですけれど、WFPは日本国内の500ベクレルという基準に対して、何も言ってこないんですか?

外務省
我々の承知している限りは、そういったご質問は頂いていない。

市民
もう一つは、流通させた時、もしかしたら第三国が拒否する可能性も考えられるが、強要するつもりはない?

外務省
ですから、ご要望がなければそもそも…

市民
・予算案を上げる前に第三国に確認すべきでは?

外務省
途上国側には、食料品を出して欲しいというニーズが常にございます。多分、魚の缶詰というのは、ODA予算が多かった時期は10億円程度、やってた時期もあるんですが、最近は皆さんご承知の通りODA予算もすごく少なくなってきておりますので、昨年度であれば7千万強しか協力できてないということがございますので、過去の経緯から考えても、こういったものに対する需要はあるということでございます。

石川
そうすると、国会審議が終わって、予算が付き、10億円の要望があった場合、WFPがそれを預かって、WFPの権限で缶詰を調達するんですか?

外務省
そうですね。

石川
缶詰は今おっしゃった被災地の辺りの工場から作ってもらい、WFPのラベルを貼って第三国へ?

外務省
WFPだけじゃなくて、日本の方の税金を使う話ですから、日本のODAのロゴマーク等付けて出す。

石川
ということは、今日の議論の関心事の一番高い所は、その時に放射性の汚染度合いを、どこがチェックして…ということになると思うんですね。たぶん、そこらへんは外務省の管轄ではなくて、厚労省だったり農水省だったり、色んな所がチェックしてる基準内なら缶詰化される。それがさっきから議論になった500ベクレルという数字で作ってしまうのか、平常時の数字で作るのかどうかわからないけれども、WFPと地元の工場との間の取引になるわけですか。

外務省
証明書とかそういう主旨ですか?そこは、政府としてもきちんとフォローアップしたいと思っておりますけれども。政府としてと言うか外務省として。

市民
・一番最近のものですけれども、(画像掲示;太平洋の放射能汚染図 放射線測定
http://iii4iii.posterous.com/72982742http://iii4iii.posterous.com/72982742)
実測値ではなくシミュレーションという意味ではアバウトかもしれませんが、これを見て下さい。汚染の広がり方にしても濃さにしても、行政・公の機関が出す調査データは、空間線量も食品調査も、市民が計っている値と非常に違う。ちょっと信じられないなという気持ちがあります。暫定基準について今お話し頂いたような数値の問題がありますが、それ以外にももうひとつ測り方、サンプリング、モニタリングの方法に問題があると思う。

農産物で言うと出荷時に品目別で、一品目から1個の野菜を抜き出して測定して、暫定規制値以下なら全品が通ってしまいます。厳密さで言えばザル…ですよね。こうしたデータを発信している数々の世界各地からの放射線専門団体等の考え方からしたら、本当にもう何百倍、何千倍という恐ろしい事をしている、ということを一方で聞いて頂く必要があると思うんです。

私たちだけが危ない危ないと言って個人的に防護出来るものではないので。それをまたこうやって、開発途上国…という言い方自体も私は非常に僭越だなっていうか、傲慢だなと思っております。文明社会の文明って何か。途上国とはもしかしたらそこは先住民族的、地球的、私たちこそもっと求めていかなくてはならないようなエコロジカルで、本当に地球のリズムや生態系に則った伝統的な生き方文化をまだ携えているかもしれない。一方的にお金の力だけで、こういう文明がいいんだぞって言って押しつけているのではないか。先進国のやり方でいいのか、私たちは決してそう思っていないし、ここにも三世代くらいいるかもしれませんが、若い子どもたちの世代はもっと自由に海外とも行き来していて、情報だけではなく生き方、感性、意識といったものがグローバルでありもっとネイティブに向きつつあるので、こういう所で机上の論理だけで政治が進む事でよいのだろうか。

原発そのものが利権と結びついた経済原理で推進され、その結果の事故で放射能災害が起きた。冒頭で伺った台所の放射能除染の努力、国民の毎日そうやって苦労しながら健康を願って子どもを育てている、その人達の税金によって、もし思わぬ危害を海外の子供達に与えてしまうとしたら…、そういう事は、絶対して欲しくないと思います。

レジュメの3枚目以降はどれくらい放射能の危険度が高いか、という資料です。事故前の200~400倍の数値の放射性物質が、原発から約30Km東の地点の海水中で、文科省の調査で検出されています。放射性物質の生物濃縮というものなんですが、海水の放射性物質の濃度に比べて魚介類の体内では10倍~100倍に濃縮するという研究があります。なぜならば、植物プランクトンから動物プランクトン、小さいイワシから大型のマグロと、海の生きもの同士の間の食物連鎖の流れがあるということです。

私たちは広島・長崎の原爆、50年代60年代の核開発のための核実験からの人体への放射能影響等調べています。その後スリーマイルやチェルノブイリの原発の事故による放出の時にも、全ての人口放射能は地球環境に放出されて、元々の地球環境になかった放射能の濃度が高くなっています。地球を包む成層圏大気圏に、溜まり続けているんですよね。海の水とか空気中に拡散する「薄まるからいい」という考え方をよく耳にしますが逆です。ある限定された地球環境の空気中、大気中に溜まり続けるという考え方で、3.11福1事故が加算されつつある。

今この瞬間にも、核燃料は崩壊し続けているので、新たにヨウ素という半減期の短いものが発見されている状態なので、全く安心できないですね。海の放射性物質はどこへも消えずに魚に溜まる。魚は生物濃縮して放射能濃度が濃くなってしまっている、そのからだの大きなサバとかサンマなどを買い上げて無料配布するという話だと思うので、その危なさをきちんと把握して頂かないことには。この仕事の担当の専門家ですよね、皆さんは。

外務省
外務省の中で開発協力、いわゆる開発途上国に対するODAの協力のスキームを見ているのが、私の課でございますので、私が責任者ということでございます。

市民
安全基準の考え方にギャップがあるんですけれど、あくまで自治体等も国が決めているから安全だ、規制値以下であれば安全、ととらえるとなると、ここで話は進まないので・・・

外務省
そこは外務省にご意見頂くよりは、別の役所にご意見頂く話なのかなと、率直に思いますけれども。

市民
・今回ODAで供与される物の中で、医療機器や車椅子などの工業製品は、喜ぶ人は結構居るんじゃないかと思います。一方水産加工品は、やっぱり困っている子どもたちが食べるんですよね。困っている子どもたち、貧しい子どもたちが食べるんですよ。何をですか?この汚染物質で真っ赤になったとされる所でとれた魚、サンマ、サバ、一番真っ赤な所にいる魚ですよ。それをわざわざそういう子どもに食べさせて、日本のイメージが良くなると思いますか?僕は一番、それが問題だと思いますよ。外務省にとっては。それは、この子達は知らないかもしれない。でも、この子達は知らなくたって、国際社会が見ています。あんな所でとれた魚を持ってっちゃったよってことに、みんな気がつきますよ。その辺はどう思われますか?

外務省
そこは、先ほども申し上げたとおり、ご要望のない国に対しては・・・

市民
いや、ご要望じゃなくて・・だって、お金がなければ食べるのが先でしょ。お金がなきゃそういうことでしょう。

・特に小さいこども、身体の小さい人、もちろん、一番は胎児ですよね。そして乳幼児。
(資料の「ODAによる日本製魚缶を使った学校給食を待つ児童」の写真を指して)
この子どもたち、青年、30才代までが、チェルノブイリ以降、20年後のデータから白血病とかガン、遺伝子損傷によってものすごくいろんな免疫系の低下による病気が確実に出ていますので、子どもたちに対して直撃していくものだと思います。だから私たちがこうして集まっているのは、自分たちのためじゃないですよね、当然。子どもたち、それに続く子どもたち、遺伝子というのは一度損傷したら、その損傷もずっと遺伝していくんですよね。

外務省
そこは若干職場の立場を離れて言えば、私も子どもがおりますので、おっしゃりたいことはよくわかります。一方で役所の立場に戻れば、私どもは被災地の支援を何らかの形でODAを使ってやっていきたいという気持ちに変わりございませんので。

市民
・それは送る必要があるんですか?その食品を買って補償すればいいんじゃないですか?外交にそういうものを使わないで頂きたいんですよね。イメージアップのつもりかもしれないけれども。それは買うだけだったらなんでだめなんですか?

外務省
そこは被災地の支援というものを想定して・・・

市民
・日本国内の被災地の支援をして、放射能汚染の可能性のある食品を海外に送る必要はないではないですか?!支援をして、食べて下さい。国会の人たち、国や行政の人達で・・。

外務省
そこは我々開発協力の専門家として、そういうものも使えるという風に判断したので予算を要求させて頂いた。で、今日ご指摘頂いている安全の問題については、色々ご疑論あると思いますけれども、我々としてはきちんと対応した上で、外国に説明の上、ご要望があったところに対して出していきたいと思っておりますので。

市民
子どもがおられるとおっしゃいましたけれども、自分の子どもにその缶詰を食べさせることができますか?

外務省
私自身も出す時は食べなきゃいけないと思っていますし、それを息子に与えるということは特段私自身問題があると思っていませんので。

市民
選ぶことができない人が食べるということが、心が傷むことです。

外務省
ご意見は承りましたけれども、我々は自分の子どもに食べさせられる位の、安全なものを出す・・・

市民
・ということは、暫定規制値ぎりぎりでもOKということですか?

外務省
そこは厚生労働省さんが・・・

市民
いや、そうじゃないですよね。外務省としては、そこでお金を払う立場として認めるかどうか?というのは、権限はないわけですか?

外務省
権限はありますけれども、そこはWFPさんとよく話をしたいと思いますけれども。

市民
いえ、それはそうじゃなくて、よくお話するのはどうぞ勝手にやって下さい。ただ、どういう気持ちでいらっしゃるか。たとえば、じゃあ外務省として、このラインでいこう、というものはまだないんですか?

外務省
ま、そこは、国内で流通しているものであれば。

市民
ということは、暫定規制値ぎりぎりでもいい、ということですね?

外務省
はい、平たく言えばそういうことになります。

市民
そういうことですね。
食品に放射能が含まれていると病気になるリスクが上がっていく、という認識はありますか?
その、今、暫定規制値はすごい上がっていますけど、それが上がるにつれて、食品に含まれている放射能が増えるにつれて、、病気になるリスクが上がるということは?

外務省
はい、そこは認識しております。

市民
・吉田さんはさっき缶詰の件、お子さんに食べさせるのか質問の件は、どう考えていますか?

外務省;吉田さん
私も課長と同じで、私も小さい子どもがおりますけども食べさせます。

市民
・あと、缶詰って骨まで入っていますね。フレークもあるけれどもサバとかサンマは大体骨まで入っていますよね。

外務省
入ってるものもあります。

市民
特に骨に溜まる核種もあるので伺います、放射能の種類は何を検査されるんですか?

外務省
ヨウ素とかセシウムとかそういう?そこは私も専門家ではないので、実際測るところもやりますけれども、おそらく一般の方達が感心があるのは…

市民
・時間がないので資料の一番最後のお願いをしておきます。
これは『品川宣言』という「福島原発事故からいのちと食を守るネットワーク」という市民の人たちの作った宣言文で、その15を読みます。

「汚染数値の公開について、当然現行『暫定規制値』以下の汚染数値も一桁ベクレルまで、すべて公表されなければならない。地方自治体などの公共団体による測定は、ゲルマニウム半導体検出機などを使用し精緻な検出レベルを保証しなければならない。また、その検出の必要性が今回の福島第一原発の放射性物質に起因する場合、その検出検査料金は東京電力に請求されるべきであり、市民、生産者、取扱販売者に負担させてはならない」

と書いてあります。この最後の部分は、希望していることなのですが国と東電の責任をあいまいにするための様々な取り決めを、私たちは許しません、検出値の公開も一桁まで、そうして欲しいです。

今日のことをお持ち帰りになって善処して下さるのであれば、WFPさんとの話し合いにおいて、測り方、安全規制値について、きめの細かい一品ごとの測定をお願いしたいし、機械のレベルもここにあるような精度の高いものでお願いします。

0でない限り0.001でも非常に危険で、数値が低いほど危険かもしれないとも言われている。そういう仮説、理論もあります。そちらから見て座標軸に向かって直線に下がるのが厚労省が採用しているICRPのリスクモデルですが、こうきて0に一番近い所のこの辺で上にふくらむグラフがあります。つまり0に近いほど内部被ばく、細胞の遺伝子損傷の危険率が上がるというリスクモデルです。

そういった微量放射能についての危険性は、これまで歴史的に国際学術の現場で隠蔽されてきました。推進に都合の悪い論文は外され都合の良い理論しか表に出なかった。国際NGOや市民団体などのネットワーク、私たち市民は信頼できる情報を知らせあってきました。本当のことを知っていのちを守ろうという熱意がなければできなかった事だと思います。広島・長崎以降の放射線の健康被害調査の隠された部分もなぜ隠されたかもわかってきました。内部被ばくの過小評価の問題は、広島・長崎からもここにつながっていると思います。そういうものと共に生きたいです。

・先ほどの缶詰の骨の話ですが、けっこうそういう製品は多いですから、骨は取らなきゃいけない、そういうことをお考えですか?ちゃんと考えてやって頂かないといけないと思います。本来ODAって汚染物質を海外の子供達に食べさせるというのはちょっと本末転倒であると、そういう風に利用する必要があるのか?ここでやっぱり日本の品性が問われると思うんです。…汚染物質ではないと思っていらっしゃるんですよね。

外務省
そうですね。

市民
・先ほど「風評被害に苦しんでいる生産者」と言われましたが、風評被害でなく、実被害をもっとオープンにしてくれれば、私も津波被害とか家や仕事を失った人の復興に、それはもちろん協力したいんですけれども、そういう所が国としての動きが全く見えなくて、原発をもう一度稼働させたいという方向に対する全ての裏付けのように勘ぐってしまうところもあるかもしれないんですが。

そういう所もっとオープンにして頂いて、風評被害というのではなくて実被害をちゃんとまず、国民に理解させることから…理解していれば、多分こういう事も話しあわれなくて済むと思うので、まずそこを教えて欲しいということと、あとマスメディアを使って国民に、国民の税金でODAというのはあると思いますので、このニュースを知っているのはごく一部で、私も運が良くてここに来れていますけど、多くの国民が考えるきっかけになるよう、マスメディアの力が大きいと思うので、決まる前に放送とか是非NHKとか使って報道してもらいたいですが、考えていらっしゃいますか?

外務省
マスコミの方には色々な意味で報道して頂いて、まさにこのレジュメに出ているNHKさんのようにニュースが出ているというのがあって、我々予算案が成立した時点でこういうものが、予算案として政府案としてまとまった段階では、こういったものを外務省として要求している、というのは、改めて出したいと思いますけれども、それをマスコミさんが報道してくれるかどうかというのは、又別の問題かと思います。

市民
マスコミさん、よろしくお願いします。

石川
じゃ、時間なのでそろそろ終わりたいと思います。

市民
済みません、一つだけいいですか?この生産物は被災地以外で作るというのは考えないんですか?

外務省
今、第三次補正でお願いしているものについては、被災地で作られたものということでございます。

市民
全体で一体どれくらい?今回のODAで使う水産加工品を全て被災地から調達するんですか?

外務省
そこは先ほど申し上げたとおり、最近は水産加工物をあまり比較的に供与しておりませんので、これは予算案がどういう形で認められるかわからないですけれども、昨年度で言えば174億円使われたということでございますので、それよりは規模が多くなる。

市民
・10億円とおっしゃったので、その10億円を全て被災地の復興に使うと・・・
・被災地復興をうたう必要があるんですか?それがすごく気になる。
・「風評被害を払拭する」という目的が、いまいち理解できないんですけども、それをただ、日本の判断で安全ですと送って、それが「風評被害の払拭」に、どうしてなるんですか?

外務省
そこは、議論している前提が若干ちがうので、そこを今、皆さんと議論しても違うんだと思います。

市民
じゃ、それを安全だとしても、日本側から途上国に送り、食べさせることによって、どうして「風評被害の払拭」になるんですか?

外務省
それはやっぱり、日本の食品とか製品は安全である…

市民
安全である、というのは日本が決めていますよね。日本が決めたものを送って、その人達に食べさせて、どうして・・・

石川
スタンスが違うということをおっしゃっているんですよ。ちょっともう時間がないので、終わりにしなくちゃいけないんですが、結局今日の我々の意見は、ご理解頂いたとおもうんですよね。

外務省
はい、充分。

石川
ですから、我々が感じている世界スタンダードで考えるベクレルと違うものを送ったら、それは日本のODAというせっかくの好意に傷がついてしまいますよ、ということを、是非お考えの上で、今後の予算案の執行に考えていただけるかな、ということでよろしいですかね。

外務省
WFPさんとかですね、今日頂いたご意見を踏まえて、その安全性の証明というのに、何か工夫ができるか、とかですね。考えていきたいと思います。

石川
この件については、後日続けていきますので、またその他、出てきた場合はよろしくお願いいたします。

外務省
お願いいたします。

市民
ぼく、福島から来たんですよ。福島の漁師さんからお話を伺ってます。福島の漁師さんの中で、東京電力に今までの(3.11福一原発事故前までの)魚の数値はどうだったんだと聞いて出してもらいました。東京電力が今まで管轄している原発の周辺の魚は、出ても平均0.1ベクレルでした。それが今の暫定規制値だと500ベクレルになってます。それはもう5000倍ということです。原発周辺で今までとれた魚の5000倍の魚を今基準にしています。

その人は「放射能規制値を元の数値に戻して欲しい、それから安全と言ってくれ」と言っています。現場の声です。その人が言っていますよ。「私は確率的殺人に加担したくない」と。ぼくもそうです。日本人として、途上国の人たちに、そういうリスクを押しつけたくありません。

市民
確率的殺人に加担したくありません。

・ぼくも!
・私もです!

外務省
ご意見はお伺いしました。

市民
じゃあ、ありがとうございました。

<閉会>

市民
学びたい気持ちはあるんですけれど、「今度はどこの課に行って下さい」とか、役所に電話していても、見えないことが多くて、横浜市の市役所だけでもすごいので、多分国は大変だと思うんですけど、もう少し国民に政治参加をさせるように、気持ちの部分でそういう思いを持って頂いて、やって頂けると、もう少しわかりやすくオープンにして頂けると・・・

外務省
わかりました。ODAの透明性を高めていこうと思いますので。

市民
今回の原発事故があってからのODAは、だいぶ変わっていかなきゃいけないと思うんです。

外務省
一つの試金石だという気持ちは、私自身持っていますので、皆さんのご意見は、ご意見として充分理解できますので。

市民
大切な仕事ですので、よろしくお願いします。ありがとうございました。

                 ー終わりー

要望書等「外務省ODA予算で水産加工品に抗議申し入れ」
http://ameblo.jp/datsugenpatsu1208/entry-11053583494.html
「10.20 外務省第三次補正予算ODAについて レジュメと資料」
http://ameblo.jp/datsugenpatsu1208/entry-11055228443.html