<水道水の放射能汚染の測定値>抗議と結果報告;元技術者氏家さん(4) | 脱原発の日のブログ

脱原発の日のブログ

12月8日は1995年、もんじゅが事故を起こして止まった日。この時、核燃料サイクルと全ての原発を白紙から見直すべきだった。そんな想いでつながる市民の情報共有ブログです。内部被ばくを最低限に抑え原発のない未来をつくろう。(脱原発の日実行委員会 Since 2010年10月)

<前ページより続き>

日本とアメリカや欧州諸国との大きな違いは、情報が公開されているか、報道が
公正になされているかの違いに起因していると考えています。

今はネットの時代ですから、インターネットで情報を得ることによって、マスコ
ミに報道されない情報を得て、今何が起こっているのか、流域協議会としてどん
な取り組みが必要かを考えていただければと思います。

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Translators United for Peace

平和をめざす翻訳者たち
のサイトより転載です。

http://www.tup-bulletin.org/modules/contents/index.php?content_id=935
より

速報903 牛乳や飲み水、そして空気中からも放射性物質を検出――アメリカは安
全なのか?

2011-4-16 3:17:53

放射性物質に国境はない
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コロラド州でもあちこちで福島支援のイベントが開かれている。先週ボルダーの
市民広場で久しぶりにTUPOB笛吹氏とばったり顔を会わせた。タイムリーなゲ
スト翻訳作業に感謝します。
(宮前/TUP
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私の住んでいるコロラド州でも、330日、デンバーの水道水から1リットルあ
たり0.17ピコキューリーの放射性ヨウ素131が検出された。これがどのくらいの
値なのか、日本の水道水の汚染度と比べてみた。

3
23日に東京の水道水から検出されたヨウ素は1リットルあたり210ベクレル。
これをピコキューリーとして換算すると、約5670ピコキューリーとなる。デン
バーの水道水に含まれるヨウ素の約33千倍だ。

驚いたのが、水道水に関する日米の安全基準のおおきな隔たりだ。米国環境保護
庁(EPA)の定める飲み水の最高汚染基準値は3ピコキューリー。日本の原子力安
全委員会が定めた水道水の基準値は300ベクレルだが、これを換算すると約8100
ピコキューリーとなる。つまりアメリカの基準値の約2700倍なのである。

翻訳・前書き:パンタ笛吹
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牛乳や飲み水、そして空気中からも放射性物質を検出――アメリカは安全なのか?
著者:マイク・ラディック
トゥルースアウト 2011412日(火曜)


米国環境保護庁(EPA)によると、福島第一原子力発電所事故で発生した放射性
物質が、雨と共にアメリカ中の大都市に降っているという。

環境保護庁によると、牛乳や飲み水、そして空気中からも放射性物質が検出され
た。環境保護庁や他の政府機関は、原発事故の後、ある程度の放射性物質が米国
の地表に降下すると予測していたが、現時点での放射線量では健康への被害はな
いと主張し続けている。

しかしトゥルースアウトは政府のデータにずれを確認しており、原子力監視団体
らは公共機関が米国民に全容を伝えていないのではないかと懸念している。

アイダホ州のボイジーを検討してみよう。環境保護庁によると、雨水に含まれる
放射性ヨウ素131の値は、322日に1リットルあたり242ピコキューリーだったの
が、327日には390ピコキューリーにはね上がった。その他の12の都市で検出さ
れた雨水のヨウ素131の値は、8から125ピコキューリーだったという。

ボイジーでの検出結果は、飲料水における最高汚染基準値に比べるとずいぶん高
いのではないか。安全飲料水法では、長年にわたり人びとが飲む水の安全基準
を、ヨウ素131に関しては1リットルあたり3ピコキューリーと定めている。

ボイジーの人びとにとって幸運だったのは、ヨウ素131の半減期が約8日間なの
で、最近の飲料水検査では、ヨウ素の値が0.2ピコキューリーに下がっていたこ
とだ。しかしいくつかの疑問に対する答えはまだ得られていない。

原子力監視団体、「ギャップに橋渡しする委員会」(CBG)のダン・ハーシュ氏
は、「雨水はすでに放射能汚染されているようだが、その汚染雨は放牧地や農業
用地にも降っている。しかし私たちは農産物についての検査値をまったく知らさ
れていないし、牛乳についてもわずかしか情報がない」と語った。

ハーシュ氏はトゥルースアウト紙のインタビューに、「政府は十分な検査を実施
していないし、関係省庁が測定結果を発表するにしても、情報操作をするので、
私には実際に放射線が人びとの健康を脅かしているかどうか確信が持てない」と
も語った。

米国内のいくつかの都市で、牛乳から放射性物質が検出されたが、ボイジーでは
牛乳に対する放射線検査は行われていない。アーカンソー州のリトルロックで、
3
30日に牛乳を検査したところ、1リットルあたり8.9ピコキューリーのヨウ素
131
が検出された。同じ週、アリゾナ州フェニックスでの牛乳検査では 3.2ピコ
キューリー、カリフォルニア州ロスアンジェルスでは似た数値の2.9ピコキュー
リーが測定された。これらの検査結果は、サンプルを採取してから約1週間後に
発表された。

最もショッキングな数値は、米国本土より日本により近いハワイ島のヒロで測定
された。44日にヒロで採取された牛乳サンプルからは、1リットルあたり 18
コキューリーのヨウ素13124ピコキューリーのセシウム134、そして19ピコ
キューリーのセシウム137が検出されたのである。

これらの数値は、飲料水における放射性ヨウ素の最高汚染基準値、3ピコキュー
リーに比べると気がめいるような高数値だと思うが、政府機関は、この汚染量は
健康に被害を及ぼすレベルよりはるかに低いから安心だと断言している。

それは、牛乳には安全飲料水法による最高汚染基準値が適応されていないからだ
とハーシュ氏はいう。そのかわり政府機関は、米食品医薬品局(FDA)により制
定された放射線緊急時の「派生介入レベル」(DIL)の基準値に頼っている。
「派生介入レベル」では、牛乳などの食品は、ヨウ素131の基準値を、1キロ
グラムあたり170ベクレルと設定している。この基準値は、飲料水の最高汚染基
準値の1500倍も高い。

放射性物質で汚染された食品が一般消費者の手に渡るのを防ぐために、食品医薬
品局などの政府機関がどの時点で規制を始めるべきかを決めるガイドラインとな
るのが「派生介入レベル」だ。しかしその基準値は強制的なものではない。

食品医薬品局のホームページを見ると、「派生介入レベルは、人びとが大量の放
射線被爆を受けないように推薦された保護的な基準値であり、放射能濃度が安全
か危険かをはっきりと規定するものではない。」と書いてある。

ハーシュ氏はまた、「派生介入レベルは、放射能汚染がどの程度広がれば政府が
緊急時の介入を起こすかの手引きではあるが、その基準値はとうてい安全な値だ
とは考えられない。派生介入レベルは、米国内で原発のメルトダウンや汚い爆弾
(ダーティー・ボム)が爆発した場合という緊急状況に対応するために、誇張さ
れた値になっている。基準値を高めに設定しておけば、政府職員が緊急時に被害
者の援助などの優先順位を決めやすくなるからだ」」と主張する。

ハーシュ氏や他の原発批評家は、放射線被ばくに安全だといえる基準値などはな
く、たとえ微量の被ばくでもガンを引き起こしえる、という見解で合意してい
る。その見地は2005年に発表された国立科学アカデミーの研究報告によって
も支持されている。

環境保護団体「フード&ウォーターウォッチ」の副所長、パティー・ラヴェラ女
史は、こう批判している。

「政府機関は、日本から輸入する食糧や製品について、健康に被害を与えるほど
のものではない、とただ一律の発表を繰り返すのではなく、もっと放射線検査を
広げる必要がある。政府はこぞって、食品や飲み水から検出された放射線量を、
レントゲン検査やCTスキャンでの被爆量と比較してその類似点を強調しようと努
めているが、それはおかしい。なぜならそれは、リンゴとオレンジを比べるよう
なものなのだからだ。」

食品医薬品局は、通常は輸入水産物のうち2%を点検し、1%を検査にかけている
が、ラヴェラ女史は、日本からの輸入食品の検査をどうしたらもっと厳しく徹底
させることができるか、具体策を練るように食品医薬品局に要求している。

米国の食品医薬品局はすでに福島第一原発周辺地域からの野菜や牛乳の輸入を禁
止しているが、他の国々の例に習って、日本からの水産物の輸入も一時的に禁止
すべきだともラヴェラ女史は言っている。

年齢や健康状態のそれぞれ違う米国民一人ひとりが食品について正しい選択がで
きるよう、環境保護庁から発表されたレベルにおいてさえも、政府機関は放射能
汚染により考えられる健康被害についてもっと正直に発表するべきだと、ハー
シュ氏と同様、ラヴェラ女史は求めている。

ラヴェラ女史はこうも語っている。

「政府内では、放射能汚染に関するきちんとした論議はされておらず、ただ『心
配はいりません。緊急事態になった時には皆さんにお報せしますから、それまで
は安心してください』と繰り返すだけです。しかし低濃度の放射線摂取でも健康
被害をもたらすという見解が増す中、個々人が自分で食品を選べるように、政府
はもっと多くの情報を公開すべきです。」

食品医薬品局などの政府機関は、十分な情報を提供するだけの手腕を持ち合わせ
ていないのでは、とラヴェラ女史は心配している。それに対してハーシュ氏は、
政府内に潜在的な利害の対立があるのではないかと危惧している。というのは、
米国は新しく原発増設のプロジェクトを推進しているから、その支持層を傷つけ
ることは避けたいので、福島原発の放射能汚染の危険性をわざと軽く扱っている
かもしれないからだ。

オバマ政権は米国に多くの原子力発電所を建設する公約を断言しており、議会で
も、新しい原発を建設するための540億ドル(約45千億円)もの補助金融資法
案を急いで通そうとしている、とハーシュ氏は指摘する。

カリフォルニア大学サンタクルーズ校で原子力政策についての講義もしている
ハーシュ氏は、「福島原発事故と似たような大災害はわが国でも起こりえる。こ
れは米国政府にとってある種のリハーサルみたいなものだ。わたしが米国政府の
成績評価をするなら、落第点しかあげられない」と語った。

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 転載その2以上 ***********************
※4ページに渡りお届けしました
元技術者氏家さん投稿
<水道水の放射能汚染の測定値>抗議と結果報告はこれで終了です。
http://scr.bi/eOG4fX
こちらに全文が掲示されました。