日本の物理学会の大きな反省点(佐賀大;豊島耕一さん) | 脱原発の日のブログ

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12月8日は1995年、もんじゅが事故を起こして止まった日。この時、核燃料サイクルと全ての原発を白紙から見直すべきだった。そんな想いでつながる市民の情報共有ブログです。内部被ばくを最低限に抑え原発のない未来をつくろう。(脱原発の日実行委員会 Since 2010年10月)

1.豊島耕一さん(佐賀大 物理学)のペガサス・ブログ版 2011/3/20より転載 
http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2011-03-20
「....ただちに出る値ではない」 東京の水道水からも放射性物質を検出

ついに東京都の水道水から放射性物質が検出される事態となった.昨夜(3/19,21時),
<http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110319-00000743-yom-sci >
読売新聞が配信している.
濃度は小さいが,本来出てはいけないものが出たわけで,
汚染の拡大が心配される
.<http://www.kankyo-hoshano.go.jp/real-data/servlet/area_in?areacode=1 >
横須賀港のモニターも,少し低下の傾向は示しているものの,空間線量も海水も平常値からは
高い値が続いている.

低線量の被ばくについては,テレビは相変わらず「ただちに健康に影響はない」を繰り返している.
この言葉自体が間違っているわけではないが,「あとでどうなるか」を隠しているという意味で,
やはり一種のディスインフォメーション(意図的に流す偽情報)と言わざるを得ない.
少なくとも情報操作である.

日本の視聴者がメディアの言説をそのまま信用する割合は,諸外国に比べて非常に高いと言われるので,
テレビしか見ない大半の人は,これらの「解説」を鵜呑みにして,放射線や放射能の怖さを正確に理解して
いないと思われる.この問題について,当ブログは,これを是正するような記事を(パニックへの懸念もあり)
控えめな表現で書いてきたが,今の状況ではより「分かりやすく」表現する必要があると思い始めている.

一般人が最も恐れるべきは,空中に漂う放射性物質を呼吸や飲食などで取り込んで生じる「内部被ばく」である.
取り込まれた放射能は,放射性の原子核という「ミクロの時限爆弾」として体内にセットされる.
点火装置はタイマーとサイコロが組み合わさったもので,あるものは数日内に,あるものは数年後に爆発し,
そしてあるものは,その宿主が死ぬまで爆発しないで残る.

この「ミクロの時限爆弾」でもっとも恐れるべきは,爆発でアルファ線という重い高速の粒子を発射する
「アルファ放射体」と呼ばれる種類だ.ウランやプルトニウムがこの仲間だ.これから「ベクレル/kg」
という放射能の単位(これまでのシーベルトは放射「線」量の単位)を頻繁に聞かされることになるが,
その放射能がこの仲間かそれ以外かを特に注意する必要がある.

同じベクレル数でも他のグループより50ないし200倍危険とされており,従って基準値も
他より厳しく(低く)設定されている.

アルファ線については,こちらの写真や動画をご覧下さい.
http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2005-11-23

アメリカ物理学会は1975年に原子炉の重大事故を想定した研究報告を出している
(ちょうど福島第一の2,3号機の運転開始の頃).日本語訳は79年に「軽水炉の安全性」
というタイトルで,講談社から出版されている.
悔やまれるのは,日本の物理学会が同様の取り組みを全くしなかったことだ.
原子力学会に「任せきり」で,この業界をチェックすべき立場にあった日本の物理学者たちが,
この問題でほとんど組織だった研究活動をしなかった.
大きな反省点であろう. (終)
http://jsa-t.jp/local/fukuoka/  日本科学者会議福岡支部
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*参考1) 上記ブログのトップページの左上、yamamoto から得た情報
       ドイツ気象局による<福島からの放射能拡散予測>の画像化
       http://www.dwd.de/

参考2)セシウム137: 
 「人体に入ると、1箇所に蓄積するということはありません」
       (3/22 夜NHKニュースにて広島大学原爆放射線医科学研究所長)

<ウィキの放射性物質に関する頁には、すべて次のような警告がだされています>
=地震関係の内容を閲覧される皆さんへ、記載されている情報には、
   未確認であったり誤りがある可能性があることを考慮してください。=

・ (セシウム:日本語ウィキ)
セシウム 
セシウム137などの放射性同位体は原子炉の廃棄物から抽出される。
人工的に作られるウランの核分裂により生ずる)セシウム137は、半減期30.07年の放射性同位体である。
医療用の放射線源に使われるが、体内に入ると血液の流れに乗って腸や肝臓にガンマ線を放射し、
カリウムと置き換わって筋肉に蓄積したのち、腎臓を経て体外に排出される。セシウム137は、
体内に取り込まれてから体外に排出されるまでの100日から200日にわたってガンマ線を放射し、
体内被曝の原因となるため大変危険である。セシウム137に汚染された空気や飲食物を摂取することで、
体内に取り込まれる。なお、ヨードや安定ヨウ素剤などを服用してもセシウム137の体内被曝を防ぐことはできない。
1987年には、ブラジルのゴイアニアで廃病院からセシウム137が盗難された上、光るセシウム137の塊に
魔力を感じた住民が体に塗ったり飲んだりしたことで250人が被曝、4人が死亡する大規模な被曝事件が
発生している(ゴイアニア被曝事故)。

・ http://en.wikipedia.org/wiki/Caesium  (セシウム:英語ウィキ)
(訳)
セシウム137が湖に堆積するのがチェルノブイリ災害後の大きな懸念となっている。犬を用いた実験では、
1キログラム当たり3800マイクロキューリー( 4.1 マイクログラム)のセシウム137なら3週間で致命的になり、
それより少量で不妊やガンを起こす可能性がある。IAEA(国際原子力機関)と他の筋は、セシウム137のような
放射性物質は、放射線拡散装置、すなわち「汚染爆弾」において使われ得ると警告している。
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2. 福島大熊町で行われたスクリーング基準値設定ファイル
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/hibakubun/hibakubun022/siryo4.pdf
2010/1/26 原子力安全委員会医療分科会「緊急被ばく医療のスクリーニングレベル」
 原子力安全研究協会
p14/17頁] 
  5.100mSvから40Bq/cm2へ
    算出のファクター:
  ・<甲状腺4gの幼児が131Iを0.3μCi>甲状腺に取り込めば <24時間後の甲状腺線量は100mSv>
  ・空中に浮遊するヨウ素の沈着速度(0.1~1)cm/sとヨウ素の空気中濃度0.3μCi/cm3から
   沈着面上の単位面積あたりの沈着量(μCi/cm2)を算出 「緊急時医療活動マニュアル」

p17/17頁]
   実際にスクリーニングを行うときの問題点:
   <I-131が 40Bq/cm2 >のGMサーベイメータの計数値は、<約13 kcpm>である。
   この数値、このレベルは<通常時のバックグラウンド値の約200倍>である。
    住民への説明に関し、関係者の事前準備が必要。
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*3/20のお知らせより:
http://www.meti.go.jp/press/20110319002/20110319002-1.pdf
              経済産業省 3/19 地震被害情報第32報
「初め除染の基準値を6,000cpmとし、110名が6,000cpm未満、41名が6,000cpm異常の値を示した。
 後に基準値を13,000cpmと引き上げた際には、8名が13,000cpm未満、3名が13,000cpm以上の
 値を示した。検査を受けた162名のうち、5名が除染処置を施した後、病院へ搬送された。」
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(参照)
・ベクレルキューリー換算
http://www.gelifesciences.co.jp/tech_support/faq/ri/pdf/bq_ci.pdf
  1ベクレルとは1秒間に1崩壊する放射能の強さ
  1ベクレル=1崩壊/秒
ベクレルという単位はあまりに小さいので、普通はキロベクレル(1000ベクレル、kBq)や
メガベクレル(100万ベクレル, MBq)、ギガベクレル(10億ベクレル、GBq)という単位がよく使われる。
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レンゲメレンゲ