発行見送りとなった幻の大阪都構想の広報誌(法定協議会だより)をまとめてみました。 | 真の国益を実現するブログ

真の国益を実現するブログ

真の国益を実現するため、外交・国防・憲法・経済・歴史観など
あらゆる面から安倍内閣の政策を厳しく評価し、独自の見解を述べていきます。

 いわゆる大阪都構想の制度設計を担う大阪府・市の法定協議会の広報紙「協議会だより」の第4号の発行が見送りになっています。
 都構想に反対する自民党等維新以外の会派の意見も掲載されることになったため、大阪維新の会の今井議員(大阪府・大阪市特別区設置協議会会長)が、都構想そのものを否定する意見は協議会だよりにそぐわないなどとして、最新号の発行見送りを決めたようです。
http://www.sankei.com/west/news/150303/wst1503030090-n1.html

 いわゆる大阪都構想、いや大阪市を分割解体して特別区を設置する協定書の賛否について、これから住民投票にかけるのですから、反対意見も住民に広く知ってもらわないと公正な投票になりません。無茶苦茶です。まさに言論封殺だと思います。
 (橋下・維新による、大阪都構想に関する一連の言論封殺の状況については、こちらに詳しいので、是非ご覧ください<http://satoshi-fujii.com/>

 この幻の協議会便り第4号については、共産党大阪市議団のホームページ上にありましたので、まとめておきます。全8ページです。

 1ページ、2ページに関しては、特別区設置協定書の内容のまとめですので省略します。
 3ページから、同協定書の内容等に対する各会派の意見表明で構成されています。
 主な意見等です。(筆者の独断で選択、要約したことを断っておきます)

★各会派の同協定書に対する賛否

 自民党、民主党・OSAKAみらい、日本共産党は協定書には反対。公明党も住民投票まで持っていく方針転換のもと、形式的には賛成したが、実質は協定書の内容には反対。大阪維新の会のみが賛成。

★各会派からの主な意見

・特別区への5分割については、公募区長たちが地域の声を聞くことなく短期間で作成されたものであり、地域の歴史や伝統を無視した、公平な視点での市民意見など全く反映されずに決められた、極めていいかげんなもの。(自民党)

・府市統合の財政シミュレーションにおける17年間で約2634億円の効果額に関しては、内約2206億円が、府市連携や市政改革などの行革をもって実現可能。(自民党)

・府市統合による再編効果について、知事は当初、「毎年4000億円ほどの財源が生まれる」と主張していたが、この額については積算の根拠なく発言していたことが、知事みずからの答弁で明らかとなった。結局、純粋な統合効果はわずか毎年1億円にすぎない。(公明党)

・一方、分割コストが約650億円以上要する。したがって、差引約226億円の赤字になる。(自民党、民主党、公明党)

・事務費等のランニングコストの増加により、特別区を合計すると5年間で1071億円もの収支不足となる。土地と言う土地を売却し、財政調整基金をおおむね取り崩し、新たな借金までした上に府からの貸付まで受けざるを得ないという惨憺たるありさまになる。(共産党、公明党)

橋下市長自身が、「効果額の議論なんて意味がない、住民サービスをよくするとかいうものじゃない」、そういうふうに発言している。(共産党)

特別区の自主財源は、現在の大阪市税収約6300億円が4分の1に減少し、財政調整に頼らざるを得ない。したがって、特別区には十分な権限や財源が保障されず、その自治権は、いわゆる一般市にも及ばないものとなってしまう。(自民党、民主党、公明党)

・意思決定方式に関して、「府知事と5人の特別区長、必要に応じて議会代表者なども含めた構成員になる都協議会で決める」とされていることがあまりに多い。(自民党)

財政規模が約6400億円にも上る、他に類を見ない100を超える事務を担うメガ一部事務組合、さらには、住民から遠い存在となる組合議会で、その事務についての議論と決定が行われる。結局、ミニ大阪市の誕生であり、三重行政となる(自民党、民主党、共産党、公明党)

・非常に複雑多岐にわたる大都市制度の詳細事項について、取り返しのつかない大都市制度の転換に向けての判断を、住民に責任転嫁することは、議会の責任放棄になる。(自民党)

・地域主権、地域分権に逆行する府県集権主義である。(民主党)

あまりにも急激な、乱暴な改革は大阪市民の市民生活への影響が大き過ぎる、好ましくない。(民主党)

・5つに分かれることによって、本来、職員数が減ることは考えられないのであるが、現行より少ない職員数になっている。つまり、あらかじめそういう職員削減計画が特別区長に課されているということであり、特別区長のマネジメントを侵している。(民主党)

元に戻したいと住民が望んでも、法制度上は元に戻すことはできない。(民主党)

自立した一人前の自治体とは言い難いからこそ、東京23区では、都区制度の廃止を求める声が大きく上がっている。(共産党)

・庁舎建設が必要とされている東区、中央区、南区について、一体どこへ建設するのか、そんな土地があるのか、全くめどが立っていない。「リサーチすらしていない」との答弁もあった。(共産党)

・広域行政の一元化、教育施設や公園、消防、下水、地下鉄等の府への移管、カジノ誘致等で大阪経済がよくなるとは思えない。(共産党)

・知事、市長のかたくなな姿勢が続けば、今後も知事、市長と議会がこれまでのような不毛な対立が続くことが想定される。そうなれば、府政、市政はますます混乱し、府民のための府政、市民のための市政の本来なすべき仕事が置き去りにされる。(公明党)


 なお、このいわゆる大阪都構想の設計図である協定書に関しては、一度は10月時の府議会・市議会で不承認となっているのです。一旦、議会で否決されて存在しなくなったはずの協定書を、ほぼ無修正で再度提案議決されようとしている状況は、暴挙の極み、議会制度を踏みにじるものと言っても過言ではないと思います。

 某市会議員さんは、「大阪市議会が死んだ」ともおっしゃっていました。

 とにもかくにも、橋下・維新は、市職員に箝口令が敷くとか、やることが無茶苦茶です。要は、自分たちも、このいわゆる都構想なるものが、いかに杜撰で、大阪行政の効率化や大阪の経済発展に寄与しないかを認識しているというこなのでしょう。

 このような協会便りは、そりゃ外には出したくないですよね。これだけ問題が多いのですから。

 最後に、過去に「大阪維新の会」が発行・配布していたチラシです。

 
 「大阪市をバラバラにはしません」等々、嘘ばっかり。これぞ維新クオリティ!



☟都構想イラネと思ったらクリックのご協力をお願いいたします☟

にほんブログ村 政治ブログ 保守へ