ちきりん氏=セイの法則を信じる新自由主義者 | 真の国益を実現するブログ

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ちきりん氏 


夜へ! そして 空へ!

(前略)

このレストランチェーンは、「客の回転率を通常より大幅に引き上げることで、一流シェフが高級食材を使っても、高級店の 3分の 1の価格設定を可能にし、さらに料理人の報酬も上げる」というミラクルなビジネスモデルを実践しているわけですが、

それを可能にしたマジックワードが“回転率”です。

たとえば、20席あるレストランで、一日平均 20人の客が来れば一回転。格安の牛丼屋やファミリーレストランでは、客は何回転もするのが普通(=薄利多売)ですが、超高級レストランの場合、クリスマスイブなど特殊な日を除けば、回転率を 1に乗せるのさえ大変です。

(中略)

私はこの本を読んだとき、「東京の都心部は、24時間化すべき!」と確信しました。

(中略)

これとまったく同じ発想で、山手線内の建物は、もっともっと高層化すべきだよね。

実は東京って都心でも、2階建てアパートとか、5階建てくらいまでのビルがたくさんあります。

あたしはこれを、一定エリアにおいては、「20階以下の建物は新規着工禁止」「20階以下のビルは固定資産税を割高に!」くらいの勢いで高層化すべきだと思ってる。

これが「空へ!」です。 東京は、もっとガシガシ都市機能を空に伸ばすべき。

(後略)

保守主義の反対は、何だと思いますか?私は、進歩主義や革新という言葉で表現できると思います。

保守は、人間の理性や合理性を徹底化することに対して懐疑します。そして、伝統を重んじます。

進歩主義は、人間の合理性を重視し、合理的に世の中を設計しようと考えます。そうした意味では、新自由主義は進歩主義の仲間だと思います。合理化が大好きですからね。

保守の反対は社会主義ではないと思います。社会主義や新自由主義など、合理的な設計を重視する概念を包括した、進歩主義こそが保守の反対概念だと思います。

さて、最近何かと話題になっているちきりん氏という有名ブロガーですが、この方は典型的な進歩主義者、新自由主義者だと思います。

新自由主義の特徴としては、効率化最優先の他に、「セイの法則」を信じているというものが挙げられます。

セイの法則とは、「供給が需要をつくり出す」というものです。このセイの法則は、いついかなる時も成り立つわけではありませんが、新自由主義を奉じる方は常に成り立つと考えるようです。

さて、このちきりん氏のブログ、供給を増やすことに必死ですね。24時間働けますか?(古い?)ビルを高層化してテナントを増やせ、と主張するのです。

しかし、今の日本の不況は、「需要不足」ではありませんか?

需要が足りなくて不況なのに、ひたすら規制緩和などで供給を増やそうとする。これが新自由主義者の主張なのです。深夜に美容院を営業しても、光熱費と人件費がかかって赤字になるだけでしょう?供給さえ増やせば勝手に客が来るって、いかにもセイの法則です。

また、新自由主義の主張って、「人間に対する思いやり」が無いのですね。ちきりん氏は深夜に働け、と言いますが、人間は夜は眠るのが普通です。日中は太陽の光を浴びて、活動的になるようにホルモンが出ます。逆に夜間は、眠って身体や頭脳を休ませるようなホルモンが出ます。新自由主義の主張は「効率性」のためならば人間らしさなんか知るか!という考え方に基づいています。ブラック企業経営者の価値観に近いわけです。

・土日も祝日も深夜も知るか、働け!
・女性だろうが高齢者だろうが、働け!子育て?体が弱っている?知るか!


合理性(効率性)、つまりは経済活動を優先して、人間本来の身体や自然性、伝統的な生活を軽視する。いかにも進歩主義的な主張です。日本人を総ブラック労働化したいのでしょうか?

また、高層ビルにしても、日本が地震大国であることを無視しています。効率化を優先すれば、強靱性や冗長性が犠牲になり、災害などに脆弱な都市になります。東京のような狭い所にビルが密集している土地で、超高層ビルばかり建てたら、大変じゃないですか?地震で1つのビルが倒壊したら、巻き添えで辺り一面のビルがドミノ倒しになりそうですね。

あとこの人、大都市の成長ばかりで、農村や地方は完全に無視してそうですね。

最後に、セイの法則が必ず成り立つと考えるような経済の素人が、適当な知識で経済について語るのをやめてほしいです。自分の知識不足を全く疑わずに、異なる立場の主張や理論を勉強しようともせず、自信満々に自分の考えに基づいて世の中を「設計」しようとする。新自由主義者は傲慢で恥ずかしい方ばかりですね。

重要なことは、自身の思想の特徴と限界を知ることです。もちろん、これは保守主義者やケインジアン、リアリストの外交思想家も同じです。保守主義者は伝統重視で進歩を軽視しますし、ケインジアンは需要ばかりで供給を軽視することがあります。リアリストは自国の国益重視で他国を疑う傾向が強いです。

いずれの立場の人も、柔軟性はある程度は持ち合わせがほうが良いのでしょう。


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