黒田東彦・日銀総裁の正体 | 真の国益を実現するブログ

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ネトウヨのうち、上念司信者など「リフレ派」とされる人たちは、大胆な金融緩和の責任者である黒田日銀総裁には好感を持っている人が多いと思います。

しかし、この黒田氏、かなり問題のある人物であることをご存じの方は、どのくらいいるのでしょうか?

日本政府の対中ODAは、その90%が円借款で占められていましたが、2007年で終了しました。今も、円借款以外の技術協力や無償援助は続いていますが、基本的には縮小の方針であるようです。このあたりの事情は、以下のwebサイト(日経ビジネス)か、ジャーナリストの青木直人氏の著書(「中国に喰い潰される日本」)に詳しいです。

対中ODAが続いている理由
それは「準賠償」スキームを下敷きに始まった


しかし、対中ODAは縮小していく方向なのに、日本が最大の出資国であり、財務省の影響力が強いアジア開発銀行(ADB)は対中援助をずっと拡大してきました。そして、最近までADBの総裁であった人物が、他ならぬ黒田東彦氏なのです。

青木氏の著書から、理解するのにちょうどよい文章を引用します。

161~174ページ
 この円借款の中止が2005年決定した。これは2006年3月に当時の町村信孝外相が国会で明らかにしたもので、経済大国となった中国への援助は「北京五輪が開催される2008年をもって新規の円借款を廃止する」というものである。
 (中略)
 いまや中国に対する援助中止や削減が世界的な流れである。だが、これに逆らうかのように中国向け融資を増やし続けている唯一の国際援助機関がある。日本が最大の出資国であるアジア開発銀行(ADB)で、その対中融資はさらに増加の一途をたどっているのである。
 ADBは日本が米国と並ぶ最大の出資国で、世界銀行が米国の強い支配下にあるように、同行は日本政府、なかでも財務省の影響力が圧倒的な国際団体だ。創設も日本政府の主導だったし、人事にしても歴代の総裁はすべて日本人で占められている。現八代目総裁の黒田東彦氏も元財務省の国際金融キャリアである。
 (中略)
 日本の外務省がかかわる中国ODAは廃止と縮小の方向が確定しているのに、なぜ同じ日本の役所である財務省が資金と人事を握るADBの中国援助は増えているのだろうか、ということである。誰が考えても面妖な話である。
 (中略)
 ADBの中国融資のめり込みの理由は、まず歴代ADBの総裁たちの中国認識があげられる。具体的に言えばその「東アジア共同体」志向が問題なのである。この点は、近年、急速に中国との金融協力を本格化しつつある財務省自体の姿勢も大きな影響をもっている。
 (中略)
 ADBの現総裁である黒田東彦氏が自他ともに認める「東アジア共同体」論者であることは、著書『通貨の興亡』から容易に判断できる。
 そこで明らかにされたのは「いまだに完全な国際通貨になりきれていない円と、将来は国際通貨になりうる人民元が協力して東アジアにドルやユーロと共存できるような共通通貨をつくる必要がある」というものだ。ADBが近年、中国の金融機関と協力を強化し、パンダ債を発行しているのはこうした理由からだ。
 このモデルになっているのはEUの統合だ。これを参考にしてアジアにおける金融市場、労働市場の統合が目標にされる。「それは共通通貨、単一通貨に進む場合、不可欠である」というのだ。そして最後の段階では各国の通貨を「一挙に相互に固定して引き返さない」。(中略)そのためには「国家主権の一部を永久放棄する」ことも必要なのだと黒田氏はいうのである。
 (中略)
 中国、韓国、日本三カ国は、まずFTA(自由貿易協定)の締結、為替レートの安定などを追求せよという。(中略)最終ゴールは、欧州同様、アジアにおける共同体の設立である。
 (中略)
 小泉首相の靖国神社参拝を理由に冷え切った両国関係。日中両国の最高指導者の相互訪問も四年間行われなかったし、外務大臣にすら中国首脳は会見していなかった。
 だがそんな胡錦濤国家主席や温家宝首相も嬉々として黒田総裁にだけは会って、ねぎらいの言葉をかける。
 (中略)
 胡・黒田会見が行われたころ、中国大陸では当局が仕掛けた反小泉・反日デモが全土に吹き荒れ、暴徒は上海の日本総領事館や日本レストランを襲撃、テレビカメラの前で略奪破壊行為が行われていた。

いかがでしょうか?黒田氏は熱心な「東アジア共同体」論者であり、「国家主権の一部を永久に放棄するべき」だと言っているのです。恐ろしいではありませんか?まるで、民主党、特に鳩山由紀夫を彷彿とさせるルーピーぶりです。

上念司氏は「悪中論」などという本を出していますが、この事実をどう考えるのでしょうか?上念信者たちは、もう過去の人である白川氏を叩かないで安倍氏ばかり批判するのは「工作員、コミンテルンだと判断していい」と言いますが、ある意味、白川氏よりも黒田氏のほうが相当にヤバいのではありませんか?

三橋貴明氏のブログのコメント欄に、面白い書き込みがありました。

続 国民経済の崖

2.安倍氏は日銀の黒田総裁と非常に関係が深い。
黒田氏は超国家主義者だ。
2人に共通しているのは経済が脱国家化することにより、 19世紀から続く国民国家システムが変質し歴史や伝統文化が溶解していくことに警戒感も疑問もないことだ。
安倍氏はナショナリストであると同時に新自由主義哲学を持つグローバリストでもある。
3.第一次安倍内閣で日本と中国が互いの国民のナショナリズムを押さえ込むことで
日本資本の対中進出を加速させたという事実
を多くの保守は軽く見ている。
その代償が総理の靖国神社不参拝だった。
あの伊藤忠の丹羽宇一郎が安倍外交を絶賛した事実を思い出してほしい。
このことで財務省と財界は安倍氏を非常に信頼している。
安倍氏はその信頼を裏切らない。



安倍氏はそういえば、次のような発言をしていました。

「もはや、国境や国籍にこだわる時代は過ぎ去りました」(ニューヨーク演説)

安倍氏も黒田氏も、鳩山由紀夫と同類のルーピー思想(国家より世界志向)なのではないでしょうか?

重要なことは、現実を直視することです。「さすが安倍さん!黒田さんすげえ!」などとネトウヨは手を叩いて安倍・黒田の金融緩和や株高へ賛辞を送っていましたが、安倍・黒田のコンビは非常に危険な思想である現実を直視しないと、取り返しのつかない結末を迎えることになるでしょう。


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