「辻まこと」と「だるまん講習会」 | だるまんブログ

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生きる知恵である陰陽五行についてだるまんと語るブログ。『だるまんの陰陽五行』(三冬社)より発行。

「辻まこと」を知ってますか? 画家、ギタリスト、山岳家、そしてアナーキスト…多くの肩書を持つが何の肩書もない魂の旅人…、そう呼ぶのがいちばんふさわしい人なのかもしれません。父親は放浪の翻訳家にして作家の辻潤、母親は、あの伊藤野枝。伊藤野枝といえばアナーキストで有名な女性ですが、まことを産んですぐに同じくアナーキストの大杉栄のもとに去ってしまいます。そして、まことが十歳のときに大杉もろとも甘粕大尉に惨殺されました。父親の辻潤は野枝の去った後、尺八をふきながら放浪し、戦時中に餓死したといいます。

 

なぜいきなりこんなことを言い出したのかというと、きっかけはこの週末の神保町の古書市でした。私は毎年楽しみにしているのですが、今年も合計10冊ぐらいは気に入ったものを手に入れました。その中に『辻まことマジック』という本がありました。私と辻まことの出会いは古く、まだ私が大学を卒業する前にみすず書房から出た「辻まこと全画集」(文集)をむりやり父に頼んで購入ししてもらったのが始まりでした。当時4万円もする豪華なものなのですが、どういういきさつで買ってもらえたのか、よく覚えていません。たしか卒業のお祝いだったような気もします。しかし、なぜ「辻まこと」だったのかも覚えておらず、そのあと夢中になって読んだ記憶もないまま、うちの本棚にホコリをかぶって眠り続けていたのです。その「辻まこと」をホコリの中から救い出したのがこの『辻まことマジック』(琴海倫.著, 未知谷.刊)だったのです。

 

そういえば…という感じで読み始め、うちにあった辻まこと全画集をひもとき、その世界に浸ってみました。

私が『だるまんの陰陽五行』で描いている世界観は肉体人間から理解できる精神世界、宇宙の構図なのですが、辻まことの言っているのは肉体を超えた精神世界の人間から見ているこの物質世界なのです。そして今ごろになってなぜ私が父にこの豪華な画集を買ってもらったのか…、わかりました。還暦を超えた今、やっと「逆側からの眼」を与えてもらえたのだな…ということです。「逆側からの眼」とは何か…、それは辻まことの作品を見てもらえればわかると思います。以下に貴重なラジオドラマがありました。

「すぎゆくアダモ」 https://www.youtube.com/watch?v=rHhcS8OE-pM

約40分ぐらいのものですが、部屋を暗くして聞き入ることで、この世界観にぜひ浸ってもらえればと思います。

 

さて、このことに通じるのですが、今週末には神社と疾患に関するだるまん講習会のシリーズの二回目『稲荷社と「血」の疾患』を行います。

稲荷社は日本一多い神社ですが、豊穣の神であり、日本中に栄養を届ける人体の血管のような存在であると私は感じています。…というと、なんだかわからない方も居るでしょうが、ここにもかの「逆側からの眼」を使ってほしいのです。人間から見たらただの神社ですが、逆側、つまり人間を超えた神々からの眼から見たら、これは血管と血液に他ならないに違いない…ということなのです。

稲荷の神はなぜ狐なのか、その狐はなぜ人を化かすといわれるのか、その根元は『ダキニ天』という謎の神にあたります。そしてそれは人肉を食らう化物にも習合します。このおどろおどろしい世界観が、崇高な信仰の世界へと昇華される理由はなぜか、そういったことを人体の松果体にも触れつつ解説します。また、血液の疾患に用いる漢方薬との関連でお話します。

 

肉体の視点を超えることで、この世界はなんとも深く静かに広がっていくのです。

 

東洋医学と神々 ②稲荷社と「血」の疾患  2016年 11月6日(日) 午前10:00~12:00 (会場9:45)

会場  崎陽軒本店 貸会議室  6階4号室   横浜市西区高島2-13-12

  http://www.kiyoken.com/rental/honten/h_access.html

費用  (事前振込みでおねがいします)    5000円(税込み)

     (申込の後、返金はできませんので、ご了承ください)

お申込み… 堀内歯科クリニック(045-664-3864)メール… daruman.info@gmail.com

 なお、シリーズ三回目は ③八幡宮、弁財天と「水」の疾患   12月11日(日)  です。