true-本文とは関係ないです

先日とある花嫁さんからこんなメールをいただきました。
「1年前に海外でリゾートウエディングを挙げました、
しかしその結婚式の想い出に納得がいかず、
春になったら日本で再び結婚式をあげることを計画しています。
つきましては撮影について一度ご相談させていただきたく…」
という内容のメールでした。

結婚式の想い出に納得がいかないというのは、
やはり写真なのかななんて思いながらお会いして色々とお話を伺いました。
しかし相談内容は花嫁のメイクに関するものでした、
想い出であるはずのスナップ写真がメイク失敗の証拠写真となってしまったようです。

「メイクさんにひどいメイクをされてしまいました」
「気に入らないメイクをするって信じられますか?」
「取り返しのつかない想い出が残ってしまいました」

そんなひどいメイクなのかなと、スナップアルバムを見始めると…。
まあ僕が見る限りは、何が"ひどい"のかがわかりません。
ヘアメイクは鏡の前で行うことなので、
花嫁は仕上がり段階は確認しているはずなので、
メイクの出来ではなくて、メイクが崩れていった後のことなのかなと、
スナップアルバムのページを進めますが、特にメイクは崩れることもなく、
幸せな笑顔でアルバム最後のページは終わっていました。

花嫁さんはその後「ひどいと思いませんか? 信じられませんよね」
「だから日本で結婚式の想い出を上書きしたいと思っているんです」

正直わからなかったので、花嫁さんに「具体的にどのあたりでしょうかね?」
と聞いてみると「あんたプロカメラマンなのにわからないの???」的な顔をされて、
「ここですよ、この頬のラインですよ!!」と説明されましたが、
正直やっぱりわかりません。簡単に言えばワケワカメです。
ヘアメイクリハーサル時のイラストや写真とも比較しましたが、
どこが違うのかが僕にはわかりません。

新郎さんなら同姓だけにわかりやすく説明してくれるかもと、
新郎さんに話しかけてみようとすると、
熱く語る花嫁さんの隣でうつむいている新郎さんがいました。
何を聞いても「妻の言うとおりです」の返答しかされません。

僕もどこがひどいのかがわからないことには、撮影の依頼など受けることもできませんし。
花嫁さんもヒートアップしていたので、まずは冷静にと別日でまたお話をすることにしました。
新郎さんの連絡先も念のためとお伺いして。

その後一人で話せそうな平日のお昼休みに新郎さんに電話をして、
その「ひどいメイク」の正体を新郎さんの口から聞くことが出来ました。

どうやらヘアメイクをしてくれた人と馬が合わなかったそうなのです。
「鼻が低くみえるので、少し高く見えるようなメイクをしましょう」とか
「お肌や髪の調子が悪いので、ケアから行いましょう」
とヘアメイクさんが色々と具体的な提案をしたところ、
単語単語がひっかかり花嫁の心が傷ついていったのだとか。

海外だけに容易にヘアメイクさんを替えることが出来なかったようで、
結婚式当日もそのヘアメイクさんに担当だったそうです。

ちゃんとしたメイクでもヘアメイクした人が気に入らなければ、
「ひどいメイク」になってしまうという、
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」ということなのでしょうね。
乙女心はホントに奥深いです。

そして気持ちの上書きのために日本でもう一度結婚式…。
2人とご家族だけの挙式をお考えのようでしたが、
挙式だけだとしても花嫁さんが考えているスタイルであれば、
挙式料やドレスやタキシード、そして写真やビデオ、
交通費などあわせれば少なくても60~70万円にはなるでしょう。

3人での打ち合わせでは「彼女がそれで納得するなら…」と新郎さんは寛容に接していましたが、
僕と二人きりであった時は「海外挙式でお金を使った分、日本でもう1回は正直キツイです。
この不景気の中で丸々3ヶ月分の給料が飛んでいくわけですし…。」
なんてその言葉の裏にあることを話してもらいました。

婚約指輪で給料の3ヶ月分なんて話は多いですが、
神田うのさんみたいに趣味と実益を兼ねて結婚式を何回もするのとは違いますし、
リベンジの結婚式で3ヶ月分はキツイ話ですよね。

まあ僕も花嫁さんに可能な限り金額がミニマムなプランを掲示しましたが、
色々な条件に合わず結論的に撮影はしませんでしたけどね。
花嫁さんから「こんな悲劇のヒロインなんだから、無料にしてよ」的な要望ばかりで、
例え悲劇のヒロインであっても、
ヒデキ感激にしか興味のない僕はお断りさせていただいた次第です('A`)

というのは冗談ですが、
本当に辛らつな状況であれば何らかの救いの手はやぶさかではありませんが、
僕的になにか違うな、と思ったからです。

"ヘアメイクが気に入らなかった、そんな人にやってもらったメイクが気に入らない、
もう一度ちゃんとしてメイクした写真がほしい"

まではまあわかるのですが、
新郎さんが家計的にキツイと言っている状況下で、
「想い出の上書き」という達成のために、早急に周りを見ず駆け抜ける花嫁さん。

想い出の上書きをするならもっと方法はあると思うんですけどね。
再び結婚式をしたいのであれば、
毎年いくらか貯金していってたまったらリベンジするとか。
そういった貯金方法をとれば、
将来的に気持ちの上書きは"結婚式"ではなく、家族との旅行になるかも知れませんし、
そうやって時間をおいたことで気持ち自体が昇華されるかもしれませんし。

夫婦は悲しみは1/2で幸せは2倍なんていいます、
単にお金を払って2度結婚式をあげるのもいいですが、
そういった方法論を探していくのも夫婦にしか出来ないことですよね。

「汝、健康の時も病めるときも、富ときも貧しき時も、
幸福の時も災いにあうときも、可能な時も困難なときも、
これを愛し敬い慰め遣えて共に助け合い、永遠に節操を守ることを誓いますか?」 

最初の結婚式で指輪に誓った言葉、どこかに置き忘れてきてしまったのでしょうかね。

数ヶ月後僕が紹介したビデオ店から話を聞いたところ、
お二人は緑の豊かな関東近県のリゾート地で、
家族や親しいお友達を呼んで盛大な結婚式を挙げられたそうです。
安くても200万ぐらいはかかっているのでは、という盛大なものだったそうです。

楽しそうな花嫁さんの横に立つ新郎さんは、
終始笑顔もなくげっそりとしていたそうです。
心配なので近いうちに新郎さんだけにお会いしてみようと思っています。


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