「正解も誤解もないんだ。
あるのは自分にとって都合のいい誤解と都合の悪い誤解だけなんだ」。
これ師匠の言葉だけど、誰も傷つけないんだよね。
よく若い女の子には
「いい男を見つけろよ。いい男というのは自分にとって都合のいい男のことだよ」
と言ってたけど、これほど親切なアドバイスは聞いたことがない。
相手にとって都合のいい人間になれればいいなあと思う。
都合のいい人は仕事先にしてみても使いやすいから結果売れている。
相手の都合に合わせられるフレキシブルさを持てばいいんだ。
面白いから売れるとかじゃないんだよね。
都合がいいから売れているんだよ。
モテるモテないも同じこと。
イケメンだからとか可愛いからがモテる理由なんかじゃない。
向こうの都合に添えるか添えないかなんだよ。
「来月飲みましょう!ご都合は?」と聞かれて
「5日の18時からしか空いてません」という人と、
「来月は全部空けておきます!」という人との違い。
都合原理主義。
以前週刊新潮からの依頼で
「ハンカチ王子についてのコメントをお願いします」と言われ、
「ほめますか?否定しますか?」と聞いたら
「やや否定するポジションでお願いします」と答えたので、
「斎藤投手とかけて、南北線と解く。
その心は、王子を過ぎたら下るだけでしょう」と謎かけを伝えた。
これが「ほめてくれ」と言われたら
「王子を過ぎてさらに伸びるでしょう」と南北線を埼玉高速鉄道に変えるだけのつもりでいた。
無論これだけでも、早大野球部関係者には
「こんなことを言いますが決して斎藤投手を嫌いなわけではありませんから」と訴えたものだ。
「書き言葉」は残るから怖いのだ。
ライブは言いっ放しで済むけどね。
相手の都合に合わせる見本。
天下の大師匠 談志 の
無茶振りに耐えつづけた9年半で手に入れた、
”笑う”コミュニケーション術