よほど立場の強い方が嫌いと見える | 日々思ふこと(旧館)

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平成25年1月26日 http://kudo.jpn.com に新エントリーを移動しました。

福井総裁 大切な信用が傷ついた(朝日新聞 2006-06-14社説)

 日本銀行の福井俊彦総裁が、村上ファンドに1千万円を出していたことが波紋を広げている。日銀の信認への影響を懸念する動きも広がり、東京市場の株価は大きく下がった。

 福井氏が拠出したのは、シンクタンクの富士通総研の理事長を務めていた99年のことだ。日銀で起きた不祥事の監督責任を取って副総裁を辞めてから、総裁に返り咲くまでの間にあたる。

 通産省の官僚を辞めた村上氏が、「もの言う投資家」としてファンドを立ち上げようとしていた。その頃、村上氏は株主の立場を軽んじ、会社の価値を上げようともしない企業風土を改めると力説していた。その「志を激励」する目的から富士通総研の仲間たちとで資金を出したという。

 志を同じくした人に民間人が資金を出すのは自由だ。ファンドに出資しても、もうかる保証はないし、リスクを取る人に資金が回ることは経済を活性化することにもなる。

 また、出資したお金の運用は、ファンド側に一任され、指図できるものではない。インサイダー取引には当たらない。

 しかし、そうであっても03年に日銀総裁に就任した時点で、処分しておくべきだったと思う。

 村上ファンドについては、経営者に緊張感をもたらしたとの評価がある一方で、高く売り抜けるだけだとの批判も広がっていた時期だ。捜査の手が入ることまでは予想できなかっただろうが、その投資手法への毀誉褒貶(きよほうへん)は耳に入っていたはずだ。

 しかも多くの国民はこの間の超低金利策で利息が付かないことに不満を募らせている。結果的に年20%以上で回ったファンドに、日銀総裁が投資を続けていれば不信感を持つのは当然だ。

 日本経済の資金の流れを左右できるほどの権限を持つ中央銀行のトップであれば、個人的な投資について、慎重な上にも慎重を期すべきだった。

 福井氏は国会答弁の中で、利益が出ても寄付する考えだったとの趣旨の釈明をしているが、一般の人にはできない有利な投資をするだけでも、日銀の看板を傷つけることになる。

 この際、日銀総裁についても閣僚と同様の資産公開を考えてはどうだろうか。米国の中央銀行にあたるFRBの議長は、毎年、資産を一定の範囲内で公表している。

 カリスマともいわれたグリーンスパン前議長は、金融政策によって価格が大きく変動する株式や長期国債は持たず、短期国債や銀行預金などで運用するという規律を自らに課していた。

 ようやく日本経済はデフレから脱却しつつある。ゼロ金利の解除に向けて、日銀は難しい判断を迫られている。今回の問題が金融政策に影響してはならない。福井総裁は改めて国民に向かって、ことの経緯や自らの責任について十分に説明すべきだ。


まず前提として村上ファンドのやり方は嫌い。
しかし金儲けをすることを否定しない(どころか、自身商売をしているので肯定する)。
そして理由はどうあれインサイダー取引を行ったことは事実で、不当に利益を得た。

だからといってそこに金を出した人や会社が悪党なのかといえばそれは違うだろう。
保険や個人でその資産を増やさなければならないと考えている人が、ファンドに金を預けて資産を増やそうとすることに問題はないだろう。
まして福井総裁のように経済界に顔が広ければ、そのチャンスは広がって当たり前だと思う。

私事の極端な例であるが、昨年と今年で教育関係者の付き合う人が変わった。
当然それまでの教育関係者も残っているのだが、各学校の校長や教育長、教育委員長など、さらには葛飾区内の他校のPTA会長など、昨年までの範囲とは異なる人たちとの付き合いが増えた。
多分来年小P連の活動に加わった段階で、それがまた変わるであろうと言うのは容易に想像がつく。
そこに教育に対する情報の量が変わってくるのは当然であると思う。

商売に関してもそうなのであるが、中小企業と大企業でその範囲や質は異なってくる。
中小企業では一般の深い部分を聞くことができるし、地域などの名士と知り合う機会が多い。
逆に大企業になるとそれこそ経団連メンバーとの会話ができたりするチャンスや、実際に知り合いになっていただいている方もいらっしゃる。

つまりは付き合いの範囲によって、その情報の質や内容が変わってくるのは必然であり、私なんぞとは比べ物にならない大きな視点の福井総裁は、その情報が変わってくるのは当たり前だろう。

で、そこで得た情報で資産運用をすることに何の異論があるというのだろうか。
朝日新聞やゲンダイなどはいつも思うのだが、よほど「金持ちが嫌い」なんだろうなと思う。
まあ大衆側から見ても羨ましいと思うのであるが、それは情報を得ることができない人のひがみでしかない。
その情報を得るためには、それだけの努力やチャンスを生かさなければならないはずである。
その努力を怠り、チャンスを逃したものにクレームをつける余地などない。
あるのは僻みや妬みといってもいいだろう。

ただ私も思うのは「いいなぁ~資産運用の幅が広くて」というものだが、それは自分も何かをしなければならないからであり、たかが6万円の年金で老後など考えていないからである。