しかし、3月にしては真冬並みの気候となった14日には
寄り添って寝ていた。
友右衛門が寝ていたカドラーにシフォンがもぐり込んで来ただけのことだが、
常に譲る友右衛門がそのまま寝ているのは珍しい。
シフォンは熟睡だが、友右衛門は寝つけない様子が
それぞれの感情を表しているようだ。
友右衛門が我が家に来た時は、すでに預かり猫がいて
その風すけ&鈴すけの風鈴兄弟とはなぜか馬が合い、仲良しだった。
一緒に寝て一緒に遊んで・・・と、毎日、微笑ましい姿を見せてくれていた。
風鈴兄弟との関係から、猫ちゃんOKになっていた友右衛門が
次に遭遇したのが、さくらちゃん(現:モモちゃん)だった。
さくらちゃん、我が家に来た翌日に出産してお母さんになり、
子を守ることに必死になっていた。
そのさくらちゃんに親しげに近づいた友右衛門。
結果は・・・
さくらちゃんに徹底的に攻撃された。
悲鳴を上げて逃げる友右衛門に執拗に攻撃を加えたさくらちゃん。
以来、友右衛門はさくらちゃんが苦手になった。
しかし、我が子を育て上げ、送り出したさくらちゃんは
友右衛門の感情などお構いなしに友右衛門に近づいていた。
さくらちゃんがのびやかに熟睡する横で、段々と顔が強張る友右衛門。
いつも我慢する側に回る友右衛門。
本当に我慢強い友右衛門。
猫の多い我が家では猫との共生は欠かせない。
その点、友右衛門は模範的なワンコなのだ。
友右衛門の前にいたイシャロも、余生をのんびり過ごすような日々で、
日がな一日日向ぼっこをしながらまどろんでいた。
我が家のニャンコもイシャロの存在を忘れて過ごしていた。
しかし、この“あぴ”だけは、度々イシャロのサークルの中に入って、
かいがいしくイシャロの世話を焼いていた。
せっせとイシャロのトイレの始末。
ペットシーツをカキカキしながら丸めてお片付け。
マメなあぴのお蔭で、イシャロのペットシーツはグチャグチャになり
床にイシャロの・・・
ありがたいのか迷惑なのか。
それでも、ずっと眺めていたいような微笑ましいイシャロとあぴだった。
我が家には頻繁に猫が出入りし、
その度ごとにそれぞれの関係が変わってくる。
どの子も狭い我が家の中で、それぞれ上手く折り合って暮らしてくれる。
猫には猫の可愛らしさがあり、犬には犬の愛らしさがある。
そのワンコとニャンコが一緒になると、
その姿は、えも言われぬ愛くるしさとなる。
かりそめの猫屋敷はてんやわんやの毎日だが、
与えられる喜びも格別なのだ。