誰も傷つかないように終わりたいのです。

東日本橋あたりで呑んでます。

できれば開店の時間には店に入っておきたい。
できれば一番最初の客でいたい。
できれば少ない部位はすぐ頼んでおきたい。

そうやって行く前に様々な策を練っていくのだが
世の中はそううまくコトが運ばないようになっている。



この店の前に到着した時はすでにもうあと数人くらいしか
立てない状況で、少ない部位は売り切れていたのだ。



でも、とにかく入れたことに感謝したい。
一通りのコースで饗されるのだが、タタキは生か焼くかを指定する。

ココに来たら、迷わず生だ。



しかし、生は暑い時期には出なくなる。
これは今から４ヶ月前の話だから、急いだ方がいいかもしれない。

もし大徳寺美味50選という番組をどこかのＢＳチャンネルで
持つことになったら、この品は間違いなく入れる。
しかし、入れる気持ちともうあまり教えたくないという
気持ちの間で揺れ動くかもしれない。

毎回ゲストに各界の美女が登場し、おしゃべりと美味と
LineのID交換できるという条件ではどう？
とディレクターに言われたら、この店を出しちゃうかも
しれない。

でも、ケチくさい男なので第１回目にワシが美味と思ってる
天狗のねぎとろ巻を紹介すると言ったら、きっと番組は
即打ち切りになるかもしれない。

ゲストの美女もなんなの、コイツ、私舐めてる！とかってね。



じゃあ、ディレクター、美女っていってもワールドワイドに
お願いしますよ。
そうだな、第１回目はシャラポアさんでお願いしますよ。
シャラポワと行く東日本橋の立ち飲みの店。



世界は震撼するかも。
なんだ、ポッチャリしたアジア人が関西弁交じりで
シャラポワと立ち飲みしてる番組って何？ってね。

シャラポワさんの身長は188センチらしい。
ワシはポッチャリした小男に見えるでしょうね。

番組の途中からシャラポワさんが、マリアと呼んでというんで
ワシは「マリア」と呼ぶ。
「あんね、マリア、少年探偵手帳にね、載っとるんやけど
話すときのしぐさで性格がわかるってのが日本にあんねんよ。
こないしてね、さっきからマリアの体を触っとるちゅうのは
なんでかわかる？」

きっとマリアはキョトンとした顔をするでしょうね。

そこで最後の〆に最初に喰ったタタキの生。
これの半焼きを追加で頼む。



言葉は要らない。
口にした瞬間にマリアはニッコリ笑うはず。

な、美味いやろ。
美味いは平和の合言葉とかちゅうてね、番組は終わる。
来週は北千住あたりの立ち飲みにアメリカ女子サッカー代表の
キーパー・ポープ・ソロさんと予告がテロップで流れる。

ソロさんの身長は175センチ。
あいつ、高身長すっきやなぁ。って噂されるかもしれない。
そんな妄想にまみれながら、あぁ、この店はやっぱり美味いなと
唸りをあげるのでした。

何のこっちゃ。