いつものように善行は、朝5時に起きると、素早く身支度して、朝の散歩へと
出かけました。
夏といえども、早朝は、清々しい空気に満ちていて、それだけで、気分も洗われるよう・・・
善行は、まだシンと静まりかえった商店街を抜けて、いつもの、小さなお社のある神社へと
むかいました。
もちろん、全く人通りがないわけではなく・・・・・
角のパン屋さんは、早くから仕込みに入っているし、
魚河岸に仕入れに行ってる寿司屋の大将や、将棋仲間のやっちゃんや・・・・・・・
最近 出戻ってきたちょっと気の強い、美人の花屋のカヨコさんも、
シャッター半開きにして、店の前に、ミニバン止めて、仕入れに出かける真っ最中。
善行は、そんな商店街で働く人たちを見るのが、好きなので、わざと早歩きで、
その前を通り抜けます。
そうすると、この町自体の活力を感じられて、
よし!今日もがんばるぞ、という気持ちにさせられるのです・・・
「お、ゼンコーさん、お散歩かい?」
顔見知りの新聞配達に声をかけられ、善行は大きく手を振り、
「お、ご苦労さん!今日も暑くなりそうだね」
などと、声をかけていました。
商店街を抜けて、細い道に入ると、さすがにまだ、町は静まりかえっていて、
そこで善行は、歩くペースを少しゆるめ、ゆっくりと田んぼの側を歩いていきます。
田んぼのわきに咲く、小さな草花を眺め、スズメが一斉に飛び立つのを、
眺めたりして・・・
そうして、大きく深呼吸しました。
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