ケンタは、あとずさりして、ソウタの後ろに隠れました。
2人に詰め寄られて、急に自信を失ったのです。
「わかんない・・・ボク・・・そんな気がするだけだし・・・」
ソウタの背中にへばりついて、目の奥から、じわっと涙がわいてきました。
すると、そんなケンタの様子に、ソウタが気が付いて、しゃがみこむと、
「ごめんごめん」と謝り、ケンタと目を合わせると、
「じゃあ、おじいちゃんに、見てもらおうか」
と気をきかせて、聞きました。
すると、ケンタは、パアッと、顔を明るくすると、
なんで、おもいつかなかったんだろう・・・
とつぶやくと、
「そうだよ!おじいちゃんに、聞いてみよう。
おじいちゃんは、なんでも知ってるもん!」
と言いました。
それは、とても素敵な思い付きに、思えました。
そうして、ソウタに向き直ると、
「早く、帰ろう!おじいちゃんが、待ってるよ!」
と、先ほどまで、べそをかいていたのが、うそのように、ソウタの服の袖を
引っ張りました。
ユウタとソウタは、顔を見合わせました。