『コンパイルL』 | リュウグウノツカイ-岸大武郎のBlog

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日々の雑記を中心に、最近始めたKDP(Kindle Direct Publishing)やCG、お仕事の話などを。

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'03年にコミックバンチ誌でシリーズ連載した作品です。前年に連載していた『レムリア』と言う話が、色々と大人の事情で頓挫してしまったため、とにかく少しでも挽回したいと言う思いで描いてました。

この話はどういうワケか第2話のネタが一番最初に、それもジャンプに居た頃に出来上がっていまして、当時短編としてジャンプ増刊号の方でプレゼンした事もあったのですが、主人公が少年でないとマズイと言う鉄の掟に弾かれまして、それ以来ず~っと発表の場をうかがっていたモノでした。
その後、シリーズ物として作り直そうと第1話を作り、第2話をアレンジし直して最終的に5話分くらいのネームとなっていました。

10年以上の時を経て、満を持してバンチの連載に当たってこの話を提案してみたのですが、当時の担当さんに「地味」と一蹴されまして、件の『レムリア』に決まったのでした・・・
(ところがその『レムリア』第1話執筆中に担当替えがありました・・・さて何故でしょうw?)

『レムリア』終了後、再びこの話をやりたいと打診すると、何故か次の担当さんからはOKを頂き、編集部の感触も良いと言う事で、晴れて掲載の日の目を見たという、実に不思議な経緯を持つ作品でした。

これを始めるに当たって、とにかく何かコンピュータ言語の勉強をしようと思い立ち、書店で立ち読みして一番お手軽そうだったJAVAを始めました。
取材のために始めたものの、やってみるとこれが実に楽しい!いつしか本末転倒して原稿そっちのけで嵌ってしまいまして、挙げ句の果てには学生時代の教科書まで引っ張り出してプログラムの世界にのめり込んでしまいました。

当の『コンパイルL』は、第4話、第5話・・・とこの先も続けるはずが、(またも)諸々の大人の事情で一端終了と言う事になったわけですが、プログラムの勉強だけは(ヒマも手伝ってw)ず~っと続けていました。

公開出来るような物は何一つ作れなかったのですが、自分用に変なソフトウェアをいくつか作ってました。お前の仕事は一体何だ!?と咎められる向きもありましたがw、タダでは起きないッス。その後3DCGに手を出し、HPやFlash等を作る仕事をする時に、この時期にこれを勉強しておいて本当に良かった、と思う事がしばしば有りました。


聞くところによると、作品は「いつか作り手を離れて独り立ちする」らしいですが、この作品は、公私に及ぶ作り手のドタバタと共にあった時間が長すぎて、いつまでたっても家を出て行けない、パラサイトシングルのようなw、そんな作品でした。

・・・けれど最終的にこうして電子書籍として自立させる事が出来て、嬉しい限りの今日この頃です。