天皇杯の3回戦(9/22)で、私が今所属するファジアーノ岡山と、私が10年を過ごした古巣・鹿島アントラーズが対戦することになりました。舞台はカシマスタジアム。私にとって"ホーム"でしかなかったあの場所に、アウェイチームの一員として乗り込むことになりました。

この対戦が決まってからのこの数日。たくさんの方がその試合を楽しみにしてくださっていると聞いています。チームメイトだった選手たちも同様です。すぐさま連絡をくれました。

実はこの対戦が決まるまで、本当にどうでも良かった「古巣戦」に対する気持ちは、私の中で少し変化してきています。

ただ、私は一選手であり、この試合に出るかどうかを決める権利はありません。「出ますか?」と聞かれるのですが、「分からない。」としか答えられません。「出るなら行きます!」という方もいらっしゃるのですが、申し訳ありません。試合の日まで、試合に出るにしろ、出ないにしろ、お答えすることはできません。

リーグ戦も佳境に入ります。いろんな可能性があるでしょう。私はこれまで同様、選手として、目の前の試合を大事に戦っていきながら、全ての試合に出られる準備をしていくだけです。


(その上でお話しますが、)もし試合に出ることになれば、私にとってサッカー人生で初めての「古巣戦」になります。

私は実は、古巣相手に試合をしたくはありませんでした。それまで全てを捧げるつもりで戦ってきておいて、チームが変わったからといって、簡単に古巣を敵視できるほど私は器用ではありません。

その気持ちは今もあまり変わりません。ただ、古巣戦が現実のものとなり、たくさんの声を受けながら、「その日」を想像してみると、私の中で楽しみな気持ちも出てきました。

たくさんの人の想いを受けながらできる試合はそう多くはありません。退団したときには「もうここでプレーすることはないだろう。」と思っていた、あの場所に帰れるかもしれません。共に戦った仲間と、今度は敵として真剣勝負をし、その中で新たに感じられることもあるかもしれません。

「新しいことを経験するため」に鹿島を飛び出してもう3年が経とうとしています。古巣戦も私にとって「新しいこと」という意味では経験すべきことなのかもしれません。

その日、その場所で何を感じるか。もし試合に出たら、またお話したいと思います。