塵地螺鈿飾剣 ― 飾太刀 | 無人のモグハウスで発見された手記

塵地螺鈿飾剣 ― 飾太刀

本日は、平安以降、身分の高い公家たちが参内する際に腰に帯びた刀剣、“飾太刀”をご紹介しましょう。


飾太刀は、別名を餝剣(かさだち)とも呼ばれる儀礼用の刀剣で、いわゆる武家ではなく、公家たちが佩刀としていた、その名が示している通り装飾品としての意味合いの強い代物でした。


元々は、唐代の中国から日本にもたらされた唐大刀と呼ばれる豪華な装飾の施された刀剣がベースになっていると言われています。


その装飾の度合いが、持ち主の身分を示していたらしく、例えば大納言までは銀装飾、大臣以上は金装飾といった感じに、身分が高くなるほどに豪奢な外装の物を帯びることが許されたようです。


このように飾太刀は、装飾的・儀礼的な側面の強い刀剣だったため、その刀身は実用に耐えないような細身の物が多く、戦闘に用いられるケースはほぼ皆無であったと考えて良いものと思われます(そもそも、この刀を帯びていた公家たちは、実戦の場に出てくるような人種ではなかったのですから)。


また、上記のように飾太刀は細身のものが普通だったため、従来の刀と区別する意味で、細太刀とも呼ばれていたようです。


スクウェア・エニックス(当時はスクウェアでしたが)の過去作、ファイナルファンタジー・タクティクスに登場した塵地螺鈿飾剣(ちりじらでんかざりのつるぎ)も、この飾太刀の一種ですね。
要は、塵を散らしたかのようなザラついた地金に、螺鈿(貝装飾)飾りの施された飾太刀、というわけです。



両手刀:細太刀/D51/隔428/Lv37~/侍
両手刀:細太刀改/D52/隔414/Lv37~/侍
両手刀:飾太刀/D76/隔450/CHR+2/Lv67~/侍
両手刀:飾太刀改/D77/隔437/CHR+3/Lv67~/侍



ヴァナ・ディールにおける飾太刀及び細太刀のデータは上記の通りです。


いずれも合成品なのですが、鍛冶スキルではなく彫金合成である点が、元ネタを意識していることが窺えます。
まぁ、実在の物とは異なり、普通に実戦刀として使用される代物というのは減点対象ですけどね。