アテナの怒りpart2 ― アラクネ | 無人のモグハウスで発見された手記

アテナの怒りpart2 ― アラクネ

本日は、有名なギリシャ神話の寓話から、お題は“アラクネ”です。

このお話は、改めてここで紹介するまでもないほどに有名な話だとは思うのですが、どうも今日は冴えません。他に手頃なネタを思いつきませんでした。


さてこのアラクネは、コロポンという町に住んでいた機織りの名手としてその名を知られた女性でした。
その手腕はまさに人のそれを超えるレベルのもので、人々はアテナに手ほどきを受けたのではないか(アテナは工芸を司る女神でもあるので、当然織工にも通じていたのです)と、彼女を賞賛していました。


しかし、己の技術に絶大の自信を持つアラクネは、その評価を善しとしません。
むしろ、自分の腕前はアテナすらも凌駕する、と公言して憚らなかったのです。


この、文字通り神をも畏れぬ思い上がった発言は、やがてアテナの耳にも届きました。
アテナは老婆に姿を変え、アラクネを諌めるために彼女の下を訪れ、彼女に神を侮るような物言いは止めるように忠言します。
……瞬間湯沸し器並みの癇癪持ちのアテナにしては、今回は随分と寛大ですな。メドーサなんかはあの通り だったのに。


しかし、まさかそのみすぼらしい老婆がアテナ当人とは思わないアラクネはその忠告を一笑に付し、更には、もしアテナが自分よりも上だと言うのなら、ここに来て自分と勝負すればいい、とまで言ってのけます。

さすがにそこまで虚仮にされて(知らずに言ったとは言え、面罵されたわけですしね)、アテナが看過しようはずもありません。
すかさずアテナは変装を解き、その正体を現し、アラクネの思い上がりを詰ると共に、その挑戦に応じると宣言します。


さしものアラクネも、神に直接喧嘩を売ってしまったことに怯みはしたものの、そこは腕に覚えありのこと、いっそアテナを負かしてやろうと開き直ります。

こうして、神と人の機織り勝負が始まりました。


さすがにその腕で鳴らしているだけあって、織り上がったものは、双方とも素晴らしい出来のものでした。

アテナの織った布には、神々の威光が表されていました。
アラクネへの皮肉でしょうか、神に逆らった者が、その神罰に打たれている様も描かれています。
一方のアラクネが織り上げたのは、女の尻を追い掛け回すゼウスなどを意匠した、神々の醜聞についてでした。この期に及んで更に喧嘩を売るとは、とことん根性の座った女です。


その出来自体は、実に甲乙つけがたいものだったのですが、アラクネの作品に描かれた内容はアテナを激昂させるに値するものでした。
アテナは怒りに任せてアラクネの作を引き裂くと、更に彼女を激しく打ち据えます。

作品は引き裂かれるわ、公衆の面前で打擲されるわでショックを受けたアラクネは、悲嘆に暮れて自ら首を吊って死んでしまいます。


それを見たアテナは、アラクネを蜘蛛の姿に変えるのですが、ここには二通りの解釈があります。
アラクネを許し、糸を紡ぐ術を残してくれた、という説と、死後も許さず、当て擦りのように蜘蛛の姿に貶めたのだ、とする説です。
個人的には、後者のほうがアテナらしいように思うのですが、どんなもんでしょうね?


ヴァナ・ディールにおけるアラクネは、クフタルの洞門のSpider族NM、Arachneとして登場します。
まぁ、まんまですね。もうコメントのしようもないくらいです。
ドロップアイテムは、裁縫合成素材のアラクネの網
これからアラクネの糸が作られ、更にその糸を使ってアラクネの帯という腰装備が作れますが、事実上裁縫スキル上げ以外の意味のないアイテムですね。



腰:アラクネの帯/防4/INT+2 レジストスロウ効果アップ/Lv66~/モ白黒赤ナ吟狩召
腰:アラクネの帯+1/防5/INT+3 詠唱中断率8%ダウン レジストスロウ効果アップ/Lv66~/モ白黒赤ナ吟狩召



……あれ?

そう言えば、結局勝敗の方はどうなったんだろ?