怪傑ラ○オン丸 ― ナラシンハ | 無人のモグハウスで発見された手記

怪傑ラ○オン丸 ― ナラシンハ

本日は、ヒンドゥー教三大神の一柱、ヴィシュヌが化身した獅子頭人身の神、ナラシンハです。


ヴィシュヌは、ブラフマー、シヴァ(FFシリーズで御馴染みの彼女とは別口です。と言うか、FFのシヴァはほとんどスクウェアオリジナルと言っていいほど原典から離れてますし)と並ぶヒンドゥー教の最高神の一柱で、このナラシンハを含めて全部で十の化身(多いときは二十二ともされる)を持つ存在です。
地上のダルマ(道徳)が失われ、アダルマ(不道徳)が蔓延る度に、様々な姿に化身して現れ、邪悪を祓う存在とされています。


さて、ではそのナラシンハが出現したエピソードにいってみましょう。

ある時ヴィシュヌは、ヒラニヤークシャという男を誅戮しました(これは別のお話なので割愛)。
このヒラニヤークシャには、ヒラニヤカシプという弟がいました。このヒラニヤカシプは、兄を殺された事でひどくヴィシュヌを恨んでいました。


ヒラニヤカシプは報復のために苛烈な苦行に耐えぬき、ついにブラフマーから、「朝、昼、晩」のいかなる時、「家の内、外」のいかなる場所、「人、獣、神、アスラ(ヒンドゥーに言う悪魔)、蛇」のいかなる者からも殺される事はない、という保証を得る事に成功します。


こうして事実上の不死身の存在となったヒラニヤカシプは、ただちに神への信奉を廃止し、三界(天上、地上、地下)に覇を唱えました。


ある日の夕刻の事です。ヒラニヤカシプの四人の息子の一人、敬虔なヴィシュヌ信者であるプラフラーダは、父と言い争います。
プラフラーダの、ヴィシュヌは何時如何なる場所にも偏在するという主張を嘲笑い、ヒラニヤカシプは息子に問います。
「では、ヴィシュヌはこの門の柱の中にもいると言うのか?」
「もちろん、おられます」と、プラフラーダは答えました。
くだらぬ、と一笑に付し、ヒラニヤカシプがその柱を蹴ったその刹那、突如として柱は内から真っ二つに裂け、中から獅子の頭と人間の身体を持ったヴィシュヌ第四の化身、ナラシンハが飛び出してきました。

抗う暇もあればこそ、たちまちの内に不死身のはずのヒラニヤカシプは、ナラシンハによって引き裂かれて殺されてしまいました。


即ち、朝でも昼でも晩でもない「夕刻」に、家の内でも外でもない「門の下」で、人でも獣でもない「人獅子」の手によって。



格闘:ナラシンハセスタス/D+6/隔+0/STR+1 DEX+1 AGI-1 命中+3/Lv67~/モ
格闘:ヴィシュヌセスタス/D+7/隔+0/STR+2 DEX+2 AGI-1 命中+4/Lv67~/モ


胴:ナラシンハベスト/防46/STR+3 VIT+3 命中+4 回避+4/Lv74~/戦赤シナ暗獣吟狩侍忍竜
胴:ヴィシュヌベスト/防47/STR+4 VIT+4 命中+5 回避+5/Lv74~/戦赤シナ暗獣吟狩侍忍竜



ヴァナにおけるナラシンハは、オンゾゾの迷路のManticore族NM、Narasimhaとして登場します。
CoeurlのOseのすぐ近くに出現する事もあり、この二体はワンセットで狩られるケースが多いようです。

Narasimhaがドロップするナラシンハの毛皮を革細工スキルでなめした、ナラシンハのなめし皮を用いて作成されるのが、上記のナラシンハシリーズです。


性能面は兎も角として、HQ品が“ヴィシュヌ”になる辺りが、原典に即した形になっています。

しかし……、神の化身を殺して皮を剥いだ上に、なめして道具に加工するってのはどうなんでしょうね。