なんだか今宵はさわがしいねぇ
はい、今日は怪奇毛飾でございますので
怪奇毛飾?なんだねそれは
はい、奇妙な、それは奇妙な出来事が起こるそうで、皆が空を見上げております。
空を・・・皆が・・・何か降ってくるのかい?
でしょうか・・・
お前にしては歯切れの悪いこたえだね
申し訳ありませんご主人様、わたくし怪奇毛飾についての知識があまりありませんでして
別に責めているんじゃないよ。私は正直なお前が好きだからねぇ。
ありがたいお言葉です。
しかし、困ったねぇ。理由も分からずにこの寒空でずっと見上げているのはかなり苦痛だねぇ。
わたくしが見上げておりますので、どうかご主人様は中でお待ちください。なにか起きましたらお呼びいたします。
お前はバカだねぇ。もしその怪奇毛飾が一瞬の出来事だったらどうするんだい。呼んでいる間に終わってしまうよ。
考えが及びませんでした。さすがご主人様。
別に責めているんじゃないよ。私はお前のその少し抜けた所も好きだからねぇ。
ありがたいお言葉です。
仕方がない、皆と同じようにしばらく見上げているとしようか。
お供いたします。
・・・・・
・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
すまないが
はい、なんですかご主人様。
首を戻してもらえるかね。
固まってしまったのですね。気が付きませんで申し訳ございません。
いいんだよ。私もこんなに上を向き続けた事がなかったものだから、まさか固まるとは思っていなかったからねぇ。
一気に戻しましょうか?それともゆっくりと?
一気に戻しておくれ
かしこまりました。では、失礼して・・・ふん!
あいっ!
ご主人様!!
大丈夫ですよ。少し声が漏れただけです。
少し勢いよくやりすぎました。申し訳ございません。
別に責めているんじゃないよ。私はお前のその少し粗暴なところも好きだからねぇ。
もったいないお言葉です。
私はもう上を向かないがどうだね、何か起こったかね?
いえ、特には。ただ・・・
ただ?
先ほどより少し暗くなった様な
それは夜だからねぇ
さようでございますね。夜ですものね。
そうですよ。
これで月が見えたら風情があったのですが
ないものねだりはよくないですよ。
申し訳ございません、ご主人様。
月が急に出たり消えたりしたら、私は明日全財産を杉並区に寄付をするよ。
ご主人様のユーモワはいつもウィットにとんでいらっしゃいます。
褒めてもお金しか出ませんよ。
もったいないお言葉です。
ふふふ
ハハハハ
近所の主婦A:あのおじいさんいよいよだねぇ
近所の主婦B:ほんと可哀想に・・・
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