震災や計画停電による自粛ムードで低迷する消費に追い討ちをかけるように、
各地でさくらまつりが中止されているのはたいへん残念なことです。
一年に一度しか咲かない桜を楽しみにしていた方も多いと思います。
たしかに貴重な電気を使ったり、度を超えた大騒ぎは顰蹙(ひんしゅく)ものですが、
形式的な自粛が復興に役立つとは到底思えません。
日本人が花見をするのは、単に「桜の花が美しいから」ではなく、
厳しい冬が終わって春が来た生命の喜びが根底にあるからだと思います。
桜の花は満開の時期が短くて、雨や風でもすぐに散ってしまいます。
儚く散る様を「侘(わび)・寂(さび)」の感性で味わう日本人の感性と桜は、切っても切れない
ある意味「国民的行事」とも言えます。
復興には時間がかかります。
今年だけ自粛すれば良いのではなく、来年も再来年も。
被災地の復興において、過度な自粛による経済の停滞を避ける事は、
被災地を応援するために私たちが出来る事のひとつです。
こんな時だからこそ「正しい花見」をしましょう。
空に映える桜に、祈りと願いを込めて。
誰もが助けられて生きていることに感謝しながら、
被災地へ祈りを込めて。