バス、電車、タクシーと乗り継ぎ、やっとの事で当寺に来られた相談者は70代の奥さん。


いくつもの拝み屋(祈祷師)に行かれたというが、いつも答えは「あなたには因縁が・・・」「水子の霊が」「不成仏霊が」と、お決まりの言葉で嫌気がさしたらしい。


初めから最後までド迫力ある喋りで興奮状態。

ともかく「主人が憎い!」を連発、その時の顔が鬼のように見えた。(寅年と言っていたが)
内容は秘密だが、40年以上も我慢に我慢を重ねての生活。若い方なら『別れたら?』ですが、ここまで我慢できたなら、あきらめた方が楽なのだが・・・。


幸いに趣味を持っている、それは山歩き。

『そんなご主人を忘れて山歩きをしなさい』ご主人は病気がちというので『ご主人はこの先そう長くはないでしょうから、今から反対にイジメたら?』の言葉にお互いが大笑い。


近くに菩提寺があるというので『そこのご住職に相談したら?』「あれはダメです」ヤッパリという感じ。「喋ったら少し落ち着いた。また来ます」

帰りは駅まで歩くという元気なお婆ちゃんでした。