黒木睦子さんが訴えられた裁判は造成工事費の解明が必須 | これどうなってんの?

これどうなってんの?

ゆるく、わかりやすく、辛口でw
世の中の、これおかしいだろ!?と言う部分を追及!
あまり報道されない問題を取り上げて行きます。

宮崎県日向市西川内地区の埋立造成に埋戻材として使われたグリーンサンドですが、フェロニッケルスラグを水砕したグリーンサンドだけによる埋立は成立するのか?
前回は、再生砂の観点から考えて見ましたが

原告の(株)日向製錬所と(有)サンアイ側が住民説明会でJIS規格品だと説明し、後に使われたのはJIS規格外品であった事がわかったグリーンサンドをなぜ使用しなければならなかったのか?

仮にJIS規格品のグリーンサンドであったとしても、今回の販売価格はあまりにも激安すぎる事もわかり、逆有償取引の確定に一歩ずつ近づいています。

引き続き今回の埋立造成工事は「産廃逃れのリサイクル偽装」の疑いがあると言う事を念頭に、逆有償により工事費を捻出したと思われる、造成工事について考えて見ます。



グリーンサンドによる埋立の届出関係

黒木睦子さんが戦っている西川内地区の造成工事が行われたのは3箇所で


1.日向市大字富高字山下2003番地1

日向市埋立造成1



2.日向市大字富高字氷菖蒲2035番地

日向市埋立造成2



3.日向市大字富高字山下1959-1 他3筆

日向市埋立造成3


1と2は共に平成24年2月20日に土地開発行為届出書が提出され
平成24年3月13日にどちらも日向市に受理され

3の土地開発行為届出書は平成25年10月1日に提出され
平成25年10月24日に受理されています。

届出の日付から、1,2,3がそれぞれ1工区、2工区、3工区だと思われますが

土地開発の目的欄は

1.畑

日向市埋立造成目的1



2.茶畑

日向市埋立造成目的2


開発行為の種類が、『グリーンサンドによる埋立て』となっていて
1工区と2工区は、公園と茶畑と言われていましたが、公園は後付と言う事になり、現在の1工区にはソーラーパネルが設置されています。


3.については、目的が「埋立造成」、開発行為の種類が「盛土造成」となっています。

日向市埋立造成目的3


もちろん添付された図面にはグリーンサンドが埋立材であることが記載されていますが、宅老所と言うのも後付になりますね。

でも、それより気にしておきたいのが、開発の目的が埋立造成???
と言う事であり、黒木さんのブログに記載されている地権者の
「頼まれてグリーンサンドを埋めさせてやっている」と言う話も含め

目的があるので土地を埋立造成し、費用やリサイクル等の観点からその埋戻材にグリーンサンドを使うと言う話ではなく、あくまでグリーンサンドを埋めると言う事が主体になっていると感じられます。


更に、未だ不明な造成工事は誰が請け負い、その工事費は誰が誰に幾ら支払ったのかを知る為に、実際にこの土地開発行為届出書を作成したのは誰なのかも気になる所で、黒木さんのブログにも、ある地権者が「指一本書類など書いたことがない」と言ったと書かれています。

http://blogjima.blog.fc2.com/blog-entry-95.html



*画像引用元⇒http://blogs.yahoo.co.jp/hontenmoy


地権者は自己資金を動かしているのか?

黒木睦子さんのブログに、地権者の発言として以下の様な事が書かれています。

(2014年4月14日の記事)
住民説明会では、2工区の地権者が(有)サンアイに工事を発注したと説明されたが、後に話を聞きに行くと、地権者はグリーンサンドは買ってないし、工事のお金も払っていないと言われる。

http://blogjima.blog.fc2.com/blog-entry-91.html


(2014年4月25日の記事)
3工区の地権者が、(有)サンアイに埋めさせてくれと頼まれた。お金は出していない。他の二人もそうだ。ダストを埋めさせてやってるのに、なんでお金を払うもんか!と発言。

http://blogjima.blog.fc2.com/blog-entry-75.html


この事から、全ての地権者がお金は払っていない事になりますが

市民メディア大谷氏と木星通信さんは、取材により地権者は(株)日向製錬所からグリーンサンドを買ったと言っていて、木星通信さんはグリーンサンドを買った領収書もあるし、逆有償にもなっていないと言っています。

これ、どういう事なのでしょうか?


この話が全て事実とすると、まず考えられるのは、実際に現金の動きはなく領収書のみでの取引があったのではないか?と言う事です。

物を買ったのに現金の動きが無く、領収書のみでの取引が可能なのは相殺処理しかないので、それが可能なのはグリーンサンドを売った(株)日向製錬所しかなく、お金を払わず相殺するには、(株)日向製錬所からグリーンサンドの代金以上の支払いがなければなりません。

つまり、地権者と日向製錬所との間で逆有償取引が行われたと言う事しか考えられなくなります。

住民説明会でも、地権者はグリーンサンドを買ったと言っていますが、黒木さんとの話の中で買ってないと話したのですから、建前上は買った事にしましょうと言う打ち合わせが事前に行われていたか、黒木さんの追及で難を逃れるため買ってないと言ったのかはわかりませんが、全員が嘘をついていないとすれば、

買った事にはなっているが、自分のお金では払っていない

と言う事しか考えられません。

そうであれば、相殺処理なら領収書に相殺と書かれているはずですし、逆有償取引により(株)日向製錬所から支払われるお金と、造成工事費も相殺すれば、現金の動きは全く必要なくなります。

そして、逆有償ではないとすれば(株)日向製錬所から地権者へはグリーンサンド購入費以上のお金の支払いは無い事になるので、およそ100万円で買ったと言う工区で考えると、地権者がおよそ100万円以下のお金を受け取ったか、全く受け取っていないかのどちらかになります。

しかし、この場合100万円以下の金額では明らかに工事費が不足するし、地権者は一切お金は支払っていないと言っているので、工事費に充当するお金は受け取っておらず、グリーンサンドの購入費も、地権者が買ったがそのお金はどこからか受け取っている事になります。

更に、地権者は自己資金を動かしていないと言っているのですから、造成工事費の原資は地権者以外にある事になります。

埋立造成工事を請け負う条件

では埋立造成工事の請け負い関係はどうなっているのでしょうか?

以前、原告側の(株)日向製錬所と(有)サンアイの他に三愛物産(株)の存在を書きましたが、その時は(株)日向製錬所と三愛物産(株)との間で逆有償取引が行われ、三愛物産(株)から地権者がグリーンサンドを購入したのではないか?と言う事を書きました。

黒木睦子さんを訴えた日向製錬所の逆有償の構図


しかし、以前から言っていた市民メディア大谷氏の他、木星通信さんの取材でもグリーンサンドは(株)日向製錬所から地権者が買ったと言う事が再度示されましたので
そう言った事実は無いとすると、三愛物産(株)はどういった関係にあるのでしょうか?

●三愛物産は住民説明会に出席していた。
●(有)サンアイ社長の名刺には、三愛物産(株)の名前も記載されている。

上記の事から、どうしても三愛物産(株)の関係は捨て切れませんし
あるサイトには、三愛物産(株)と(有)サンアイが同じ住所で掲載されています。

三愛物産とサンアイ

サンアイ住所



三愛物産(株)がグリーンサンドの売買に関係していないとなれば、残るは造成工事しかない訳ですが、(有)サンアイは、(株)日向製錬所から運搬費しかもらっていないと言っているので、(株)日向製錬所が(有)サンアイに造成工事を発注したと言う事は無いとすると、(有)サンアイに造成工事を発注したのは、地権者か三愛物産(株)のどちらかになります。

そこで先程の「現金の動きはない」と言う仮定も含め、造成工事費の原資は(株)日向製錬所にあるとすると、(有)サンアイは(株)日向製錬所から運搬費しか貰っていないと言っていて、地権者はお金は一切払っていないと言っているのですから、おのずと(株)日向製錬所が三愛物産(株)に造成工事を発注したと言う事になり、三愛物産(株)が(有)サンアイに実際の工事を発注したと言う事しか残りません。

つまり、逆有償ではなく(有)サンアイは運搬費しか受け取っていなく、地権者は自分のお金を払っていないと言う事であれば、埋立造成工事の流れはこれしかありません。

(株)日向製錬所⇒三愛物産(株)⇒(有)サンアイ


この他に、(株)日向製錬所が造成工事費も含め一般的な金額以上の運搬費を(有)サンアイに支払ったと言う事も考えられますが、取引に関係なければ住民説明会に三愛物産(株)が出席する必要がありません。


しかし、これでも問題は残ります。

三愛物産(株)は、形式上だとしても(株)日向製錬所から工事を請け負った事になりますが、iタウンページを見ても業種は砕石と砂利で航空写真を見てもその様に見えます。

三愛物産(株)日向市細島港


この様な業種で、土木工事を請け負って良いのでしょうか?

建設業法には、ある一定の規模の工事を請け負う場合は建設業の登録が必要になり、許可を受けなくても工事を請け負う事ができるのは、土木工事の場合、建築一式工事以外ですから、500万円未満の工事です。

建設業許可_土木工事

建設業の許可とは


では、今回の造成工事の工事費はどのくらいなのでしょうか?

教えてgooに、田んぼの埋立の施工費が、敷き均しと転圧の単価1m3¥700で試算されているページがあります。かなりアバウトな試算にはなりますがその他の経費は含まれず、全体的に見ればこれ以上安くなる事はないと思うので、より大きな埋立が行える様¥700で考えると

上記条件の500万円の工事費となるには
500万円÷700円≒7,142m3

およそ7,142m3未満の埋立工事と言う事になり
これに、重機や諸経費が入れば
7,142m3より更に少ない体積の工事という事になります。

そこで、前出の土地開発行為届出書の(開発行為の面積)を見ると

1.6,424 m2
2.7,900 m2
3.8,634 m2


面積だけでこれですから、当然工事費は500万円を越えるでしょう。

以前他の記事で、ある工区で使われたグリーンサンドの量は30,000m3だと仮定しましたが、30,000m3で計算すると工事費は

30,000m3×¥700=¥21,000,000

500万円どころの話ではありません。

日向市の埋立に使われたグリーンサンドの価格と再生砂の基準



もちろん(有)サンアイは職業柄、建設業許可を取っていますが、三愛物産(株)は建設業許可を取っているのか国土交通省の検索システムで調べて見ると

三愛物産の建設業許可


三愛物産(株)は建設業許可を取っていません


つまり、三愛物産(株)は500万円未満の激安価格で請け負ったか、それ以上の価格であれば、建設業法違反と言う事になります。

これらの事は、誰も嘘をついていないという事が前提になり、(有)サンアイと三愛物産(株)は、ほぼ同一の会社で(有)サンアイ社長の発言はこの辺りを混同して話していると言う可能性もありますが、いずれ今後の裁判で明らかになることでしょうし、黒木さんには裁判を通して必ず造成工事費について、原告側又は地権者に証言してもらうよう頑張って欲しいです。


グリーンサンドの生産量と販売量

しかし、原告側は何故この様な疑問を持たれる取引や発言を繰り返し、グリーンサンドを埋めさせてくれと頼んで回っているのでしょうか。

黒木さんが戦っている西川内地区の工事は、土地開発行為届出書から平成24年と平成25年に開始されている事がわかります。

そこで、平成24年(2012年)と平成25年(2013年)のグリーンサンド(フェロニッケルスラグ)の生産と販売状況はどの様になっていたのか、住友金属鉱山(株)の報告を見ると


★平成24年(2012年)

フェロニッケルスラグの生産量は約81万トンで、販売されたのは77万トン。4万トンは販売されていない事になります。

フェロニッケルスラグ2012年生産量販売量

住友金属鉱山CSR報告書2012年(P-20)



★平成25年(2013年)

フェロニッケルスラグの生産量は85,4万トンで、販売されたのは74,1万トン。11,3万トンが販売されていない事になります。

フェロニッケルスラグ生産量販売量2013年

住友金属鉱山CSR報告書2013年(P-19)


住友金属鉱山(株)の事業年度は4月1日から3月31日となっていて、土地開発行為届出書の受理日は、平成24年3月13日に2件と平成25年10月24日となっているので

該当年度は平成25年と平成26年になるとして


★平成26年(2014年)

フェロニッケルスラグは84,9万トン生産され、76,3万トンを販売、8,6万トンが売れ残っています。

フェロニッケルスラグ生産量販売量2014年


生産量が激増している訳でもなく、販売量にも大きな変化は見られませんが、売れ残りが平成24年に4万トンに対し、平成25年が11,3万トンとおよそ3倍にせまる量となり、平成26年も8,6万トンと平成24年の4万トンの2倍となっています。

つまり、日向市西川内地区の工事に該当する期間は、売れ残りが激増し始めた期間でもあるという事です。


明らかな違法行為が存在した


売れ残りを減らしたいと言う企業心理が働くのは当然の事ですが
以前紹介した、(株)日向製錬所の裏山にあるグリーンサンド置き場が増設されているという話、写真左上の日付を見ると

平成24年(2012年4月9日)の画像にグリーンサンドが山積みされている様子はなく

日向製錬所グリーンサンド野積み前


平成26年(2014年10月24日)には既にグリーンサンドの搬入がされているので

日向製錬所グリーンサンド野積み詳細


売れ残りが激増した年度と一致してきます。

さらに、この既存屋外グリーンサンド置き場は通称P-7施設と呼ばれ、このP-7施設の設置、増設の届けはされているのに、上の画像の増設分は届けがされていない事が開示請求でわかり、大気汚染防止法違法である事になりますが、こちらのブログで積極的に情報開示請求が行われ、土壌汚染対策法による土地の改変の届けもされておらず(株)日向製錬所は違法行為だらけだと指摘し様々な書類が掲載され、参考になります。

また、市民メディア大谷氏のブログのコメントにこんな投稿がされていました。

”JIS製品ではない物をJIS製品だとするのは工業標準化法違反だ”


工業標準化法の第20条3項に、紛らわしい表示はするなと書かれ
第70条1項に、違反した場合は一年以下の懲役又は100万円以下の罰金と書かれています。

工業標準化法


住民説明会で、(株)日向製錬所は埋立造成に使うのはJIS製品のグリーンサンドだと説明し、経済産業省の調査でJIS製品は使われていない事が判明しています。

表示をしたかどうかは微妙ですが、何かの書面上に記載されている可能性はありますね。


今後の裁判に向けて

今後の裁判に向けてさらに記事にしたいと思っている事はまだまだあります。でも、長くなるので今回はここまでにしておきますが

今考えているキーワードは「ダスト」と「過敏性肺炎」です。

黒木睦子さんのブログで、地権者の鈴木氏が盛んに「ダスト」と言っていて、この「ダスト」という言葉が気になり、今はグリーンサンドの微粉末だろうとしていますが、製錬過程ではスラグとは違う「ダスト」が存在しています。

調べている人は既にご存知かと思いますが、スラグは電気炉の中で生成されるのに対し、ダストは電気炉に投入される前のロータリーキルン内で発生します。

基本的にロータリーキルンダストはロータリードライヤーに戻され、再度使用される事になり、ダストが再粉化しずらいペレットの開発で(株)日向製錬所は特許も取っていて、この様にダストは外部に出てこない事にはなっているようですが

「鉱さい」「スラグ」等の言葉を比較的聞き慣れているのではないかと思われる地域の市議会議員が「スラグ」と「ダスト」を同じ意味で話すのかな?と言う部分で未だに引っ掛かっています。

因みに

「ダストを頼まれて埋めさせてやっている」
「貰うもん貰っているから埋めさせてやっている」
「議員を辞めてやる、その代わり黒木さんを訴える」

http://blogjima.blog.fc2.com/blog-entry-86.html

と言っていた地権者の鈴木氏ですが
先日の選挙には出馬せず、議員は辞めた様です。

日向市議会議員選挙 投票結果

もちろん辞めた理由はわかりません。

また、子供の咳について原告側が争うのなら、黒木さんは子供が病気になったとは言っていないので、MSDSと過敏性肺炎で十分ではないかと思っていますが、長くなるのでと言いながら長くなっているので、ここまでにしておきます。




ご意見、ご批判は全て受け付けます。
間違いがあれば確認の上訂正いたしますので、宜しくお願い致します。