Kirscheのブログ


昨日はラファル ブレハッチ (Rafal Blechacz)という、若いポーランド人のピアノリサイタルに行ってきた。彼は2005年度のショパンコンクール優勝者
(@ ̄□ ̄@;)!! 。それだけでなく、マズルカ、ポロネーズ、コンチェルト、ソナタ、全てのBest Performance 賞を総なめにしたということで話題になったらしい。

そんなこととは露知らず、全く何の期待もしないまま会場に向かった私たち。ベイ・ブリッジで思いっきり渋滞に巻き込まれ。会場到着が開始10分前(°◇°;) 。そこへもってきてお手洗いに行きたかった私は、長蛇の列に最後尾に並ぶ羽目に・・・(T_T)。

なんとか会場に入ると、席は2階であることが判明(T△T)。助かったことに2階に行く階段がとても近かったために、なんとか滑り込みセーフε= (++ )

実はこのチケット、譲ってもらったものなのですが、2階席の一番前中央に位置していたため、音も総合的に聞こえた上、弾いている姿も手もばっちり、という素晴らしい席でしたo(〃^▽^〃)o


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一曲目はモーツアルトの「ドゥゼードの「ジュリ」の「リゾンは眠った」による9つのヴァリエーション ハ長調 K.264」という曲。全く知りません。

細かい音が奇麗な人です。pp をかなり落として弾いていました。あれ、スタインウェイだからできるのではないかと。私もレッスンで使っているのはスタインウェイですが、同じようにppを弾こうと私のフォーゲルでやると無音になります(──__──)

2曲目は、カロル・シマノフスキ というポーランド人の作曲家のピアノソナタ第1番ハ短調、Op.8。もちろん初めて聞いた曲ですが、なかなか面白そうな曲でした。やってみるのもいいかな、と思わせる曲です。短調ではあるが、第1楽章は長調っぽい感じだったような・・・。全体的にショパンを意識してない?と訊きたくなる感じ(もちろんショパンとは違うのだけれど)。

そして休憩のあとは、ショパンプログラムバラード1番、2つのポロネーズOp.26の1番2番、4つのマズルカOp.41から1番から4番、最後はバラードの2番

マズルカを聴きながら、来年のCygnets のコンサートで、Bくんにはノクターンの「遺作」やってもらおうかなぁ( ̄ー ̄)、などと考えていたら、なんとアンコールの1曲目がこの曲!Σ(゜Δ゜*) 彼に何かが伝わったのでしょうか(*^▽^*)(んな訳ないだろう←陰の声)


全体を聴いた感想

・ 音が奇麗で細い。あんな大きい(と思われる)手であんな繊細な音が出せるのがすごい。とても滑らかでシルクのような感じ( ̄ー ̄)。ただ、フォルテが弱い気が・・・(-""-)。それがピアノのせいなのか会場の反響の仕方のせいなのかが今ひとつ判断不可。

・ ショパンはさすがにどの曲も弾き慣れている感じ。テンポを揺らして歌っているにもかかわらず、それを感じさせないあっさり感がある。彼の繊細な音のせいなのか・・・?。テンポが少し速めのせいなのか?いずれにせよ、私の好みですね、あれは。

・ 彼の雰囲気が暗い(-""-)。若いしイケメンなのに、なぜか華が感じられない。ポーランド人だからなのか(東欧圏の人ってなんとなく暗い感じがしませんか?)
そのせいなのか、最初のモーツァルト、ハ長調で音も軽やかだったのに、なぜかモーツァルトらしい明るさを感じられなかった。選曲も短調が多かったし・・・( ̄へ ̄|||)

彼のショパンの曲を聴いていると、

「本当はショパンて自分の曲をこういう風に弾いていたのでは?」

と思わせる何かがある。ショパンもポーランド人。しかも祖国に帰る事ができなかった人。そんな人が作った曲なのだから、たとえ明るいメロディーであったとしても「明るさの中に暗い影」みたいな音色が必要なのではないか
(・へ・;;) そんな気がしてならなかった。

全般的にはとても素晴らしかったリサイタル。彼の他のショパンの曲を聴いてみたいですね。まあ、若いせいもあるとは思うけれど、もうちょっと重みのある音も聞いてみたかったなあ・・・なんて(^^ゞ

関係ないが、スラブ系の顔立ちの人がたくさんいて、私の周りの客席からはロシア語っぽい言葉ばかりで、英語はほとんど聞こえなかった。あれはポーランド語だったのか・・・?(- -)


余談ですが、Wikipedia によるとこのピアニスト、

「一見したところショパンに雰囲気がよく似ていると指摘される。ブレハッチがショパンになんとなく似ていることは2005年のショパンコンクールでも話題になった。」

らしいです。