Baofeng UV-5RA 簡易レビュー | 中年ブロガーとその生活

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運転免許に続き、ついにJN1WFSの局免が失効してしまった

詳しくは、同機の型番で検索して、海外のサイトを見て欲しい。
国内よりも、詳しく豊富に紹介されている。そして、BAOFENGの評価は高い。

 
バッテリーをつけた状態。
個人的に青い機体が気に入って、この色の製品を発注した。
質感は、画像で見るよりもかなり良い。正面のパネルは、ディスプレイ部が硬質プラスチックで保護フィルムが貼られていて、国産機よりも保護状態は良い。
スピーカー部は、ガンメタリックの鉄板が張られていて、アクセントになっている。これは真っ黒ではなく、ガンメタなので、黒い筐体のモデルだとグレーに見える。

 
クレードルは標準で同梱されている。逆に、VXシリーズのような電源端子は用意されておらず、あくまでもクレードルで充電する構造である。

 
そのため、このようにバッテリー単体でのクレードル充電が可能となっており、国産のものよりも使い勝手が良くなっている。(オプションでバッテリーを買えば、単体で充電だけ出来る)
国産のモデルは、バッテリーのみの充電が出来ず、いずれの方法であっても本体に実装してなければならないことを考えると、かなり合理的だと思う。
そういう意味では、作り(プラ成型など)の良し悪しは別としても、国産よりも良い。

 
大きさは、VX-7とほぼ同じで、横幅はややスリム。
そのため、VX-7よりも携帯性に優れている。私は、男性のわりに手が小さいと言われるが持ってみてのフィット感はなかなかのものだ。
VX-2やVX-3は、超小型で、それはそれで使い勝手がよさそうだが、UV-5RAはジャストサイズとういう感じである。

 
上部は、ボリュームSWと、ランプ、アンテナ端子となっている。
アンテナ端子は、流行のSMAだが、国産のほとんどの機種とは逆になっていて、本体はメスコネクタである。これは、ケンウッドのデジタル簡易無線機と同じ。
変換コネクタが市販されているので、これは特に困ることは無いし、本体がメスコネであったほうが、構造的に良いように思える。
中央のランプ(白色LED)は、かなりの高輝度で、非常時の懐中電灯として活躍しそうだ。

ボリュームSWは、まったく奇をてらっておらず、ごくごく普通の電源スイッチ付きのボリュームである、このツマミで周波数をチューニングすることは出来ず、ただの音量ツマミに過ぎない。複雑なカッティングがツマミに施されているが、ただのデザイン性であって、何の意味もない。

 
ディスプレイは、待ちうけ状態、受信状態、送信状態でそれぞれバックライトのON/OFFとON時の色を設定できる。色は、青と紫、オレンジ(アンバー)の3色が設定可能。
個人的にはアンバー色が好みなので、そのように設定した。ブルーの筐体色とのマッチがほど良い。
アンバー色は、いかにも通信機という色合いで心が躍る。こういった細かなセッティングを装備しているのは好感が持てる。
ディスプレイの液晶も特に出来が悪いということもなく、問題がない。

 
申請方針として、スピーカマイク端子の機能を殺さないという意味で、オプションのスピーカマイクも購入した。仕様としては、現行のケンウッド機と同じ端子構成のようだ。
見ての通り、昨今の国産マイクに比べて一回り大きくしっかりした作りになっており、往年のハンディ機のマイクを想起させて好感が持てる作りだ。
何と言っても、値段が安く、1,250円だ。

しかし、私が発注したときは、1個1,250円(税金送料込み)だったが、現在は1850円に値上げされている。販売店が油断して値上げを忘れていたか、円安によって値を上げる必要に気づいたのかもしれない。



この無線機に興味がわいたのは、偶然回路図を入手してからだ。
前の記事でも書いたが、このトランシーバは、トランシーバ専用の1チップICで、送受信機の機能のほとんど賄っている。
このICをコントロールしているのが、MCU(マイコン)であり、テンキーを入力インタフェースとして送受信周波数ほか、様々な設定を決めているのだ。
このマイコンとの親和性を持つICの存在に強い興味を感じるのだ。

私自身が設計している自作無線機も、アナログ回路を基本にしながらも、発振回路をデジタルに換装しているわけで、そういう部分で親しみを感じたのだ。
もしもこれを制することが出来れば自作無線機も認可してもらえるのではないかと思えるからだ。
そして、このUV-5RAは、私の職業たるコンピュータのエンジニアリングにも近しく、さまざまな技術的な興味が尽きないのである。


国産トランシーバの実売価格が2万円に対して、送料込みで正味5,000円。1/4以下で買えるトランシーバ が、アナログ通信について性能がほぼ互角(あくまでも実用面で)だとすれば、このトランシーバで免許を得たいと考えるのが人情であることは否定できない。そういう意味で国産の技適機は高すぎなのだ。

アマチュア無線において、日本の法制でいうところの、無線従事者免許と無線局免許が別々ではなく、アメリカほか周辺国のように従事者資格で全てを包括されれば、こういった無線機の普及は促進される。
現在でも、欧米各国のハムたちは、日本のメーカーの品質の高さを評価し、とくにDXerを中心に日本製品を愛してくれてはいるが、実用という意味では、中国メーカーの製品で十分だという評価ももっともである。

ただ、技術や技能を高めるために、制度上のハードルが高いことは悪いことではないと思う。得体の知れない機械を見聞きするチャンスがあったなら、それを料理する腕を磨きたいと考えるのがアマチュアの精神であり、そこに面白みを求めなければ、電波の無駄遣いをする有害な集団に過ぎない。

未知の他人とおしゃべりしたいなら、それは現代、もはや無線である必要は無い。
では、無線である必要性や、無線であることによる嗜好性がどこにあり、それがどれだけ有意義で、人々の心をワクワクさせるものなのか、それを追及することこそが趣味としての無線の醍醐味なのであり、我々アマチュアが目指すべき事柄ではないだろうか。

コミュニケーションの手段が多様化した今だから、無線通信に対する夢や希望が逆に大きくなったと思えるし、今、無線をやる人々のレベルが向上しているのだと思いたい。