中華トランシーバーを国内で使えるようにする | 中年ブロガーとその生活

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ラジオや無線が趣味のおっさん
運転免許に続き、ついにJN1WFSの局免が失効してしまった

こんなことは、もう先人たちが、何年も前から取り組んでいて、成果も挙げている。
もはや、使い古されたというべきか、あらためてやるには新しさの欠片もない。
しかし、目の前に山があれば、先人登頂者がいようがいまいが登りたくなるのが登山家であるが如く、無線家としては、このような課題に挑戦してみたくなるのである。

 
さて、既に購入済みの中国はBAOFENG社のUV-5RAである。
これを 改造機として、TSS認定を受けて合法アマチュア無線機として免許を受けるのが今回の目的である。
検索してもらえれば、分かると思うが、もう成功例は数えきれないくらい存在しており、同じようにやれば失敗することは考えづらい。従って、アプローチを変えて挑みたい。

購入した品物も画像に収めたが、電池とアンテナを同時に実装した状態(即時送信が可能な状態)は、厳密に言うと違法所持になるため、ここに掲載することはあまり意味がない。
余談だが、このトランシーバには、FMラジオが付属している。しかし免許されない限りはラジオとして使うことすら出来ないのである。


まず、皆さんに申し上げたいのは、「安いトランシーバだから」という理由だけで、同じことをやるのはやめてほしいということ。
U/VHFハンディ機の場合、最初に取得する免許は、国内メーカーの技術適合認定を受けている正規の無線機で申請して免許を取得してほしい。
そうしなければ、国内の無線機メーカーが先細りする一方になってしまう。

我々が、こういった酔狂なことに挑むのは、冒頭でも述べたように、そこに何となく使えそうな無線機があって、それが国内でそのままでは使えないというハードルがあることに、エンジニアとして触発されるからだ。
「安い!!」というファクターは、そのハードルをクリアすることを試みる上での経済的リスクがより小さく済むというだけのことであって、安い無線機を主力にしようなどという気など毛頭ない。

アマチュア無線家たるもの、未知の(これは既に既知だが)領域に挑みたいというアマチュアのアマチュアたる研究心が成せるわざであってほしいのだ。

 

ネットには、国内外様々な情報が流通している。
その中で、信頼できそうな海外のサイトから、UV-5Rの回路図を入手出来た。厳密にいうとUV-5RAと型番が異なるが、実はこのシリーズ、回路は全て同じだということが英文のサイトで詳しく解説されている。

その回路図から、送信部の系統図(ブロック図)を描き起こしたものが上図である。ここだけは、コピーでなく、オリジナルの図表を作りたかった。
これは、もうすこしブラッシュアップして、TSSに提出する添付書類に使う予定だ。

補足説明を読んでいただければわかると思うが、今回の挑戦は「特別なハードウェア改造は行わない」ということである。
多くの先人は、専用通信ケーブルのインタフェースを無効化する改造をTSSから求められて、そのような改造を施して申請をクリアしている。しかし、この改造そのものに意味を感じないのだ。(その理由も補足説明で述べてある)
実際に、ハード改造を行わないで申請を通した人もいる。

どうしても改造しなければ通さないという話になれば、回路上の改造ポイントは把握したので、それを実施するつもりである。

ケチくさくて申し訳ないが、ブロック図上の素子名をマスクさせてもらった。
安易にコピーして使って欲しくないからだ。
先人たちのサイトでも、必要以上に詳しい情報を掲載しない理由は、安易な便乗を防止したいという思いがあるのだと思う。

こんなちっぽけな機械ではあるが、きちんと内部を理解した上で、技術上の諸問題を自力でクリアすることが必要になるのである。
流通する回路図にも、実は致命的な誤記(記載漏れ)がある。これは、中を開けてみないとそれが誤記なのかさえ分からない。あけてみて、素子型番を確認し、データシートを入手して、それがこの基板の上に有って良い物なのか確認して、初めてブロック図が作れるわけだ。

なお、このトランシーバは、普通のドライバーでは開けることが出来ず、六角の特殊ネジ(トルクスネジに似た)に対応した工具が必要だ。
しかも、開けていく上で、こまごまとした罠が仕掛けられているようだ。(何度も「あ、壊した!」と焦ることになる)

あと何回か分解して、内部を確認し、ブロック図が正しいことを検証してから、いよいよTSSへ増設申請を出す。
腕のあるOM諸氏なら、楽勝なんだろうけど、私のような常人(?)には、おとなしく2万円くらいのハンディ機を買ってTSS無しで申請した方が、はるかに手間いらずでローコストだと思う。。。。


まあ、そういう意味では、回路図入手さえ出来ない、輸出用のCB無線機を28MHz仕様に改造する方が、さらにハードルが高い。(一部の輸出製品には回路図が付いてるものがあります)