先日何気なくテレビをつけて、NHK にチャンネルを廻すと”恐竜の進化”についての特集番組やっていて、ついつい目を奪われました。

 

人類の進化について振り返ると、今の人間に近いホモサピエンスが出現したのが50万年前ですが、恐竜の歴史はなんと2億2,500万年前から6,500万年前まで地球に君臨していました(・O・;

 

つまり人類誕生のなんと450倍前(2億2,500万年÷50万年)から恐竜は生存していたわけで、その想像を絶する長さをこの地球上で生き抜いた大先輩だと思うと、我々人類は恐竜たちに畏敬の念を抱かずにいられません(^_^;

 

そんな話しをたまたま僕のクリニックにやってきた十仁病院・梅澤院長と話していましたが、僕はふと人間の眼球支持組織について以前から不思議に思っていた次の疑問を院長に投げかけました。

 

「院長、何故人間の眼球支持組織は上下で全く対称なのでしょうか?僕はそれが不思議でたまりません」と。

 

というのも眼球組織は上下を180度ひっくり返すと、その解剖構造が全く同じなのです。。

 

ご存じの通り上瞼は目を開閉させるので、眼瞼挙筋などその機能が備わっていて当然ですが、下瞼は開閉しないなのでそういった組織は必要ありません。

 

ところが下瞼には下瞼を開閉させるの必要かと思われる筋組織の遺残物がちゃんと残っているのです(・o・)

 

すると院長はすぐに「それは人間もその昔は下瞼も上瞼のように開閉していたからだよ」と答えました。

 

僕はその意外な答えに最初こそ驚きましたが、院長が続けて「だって我々はその昔木の上で生活していただろう。その時は下を見やすいように下瞼が開閉したんだよ」と言うので、僕もそれは一理あるかもしれないと思い始めました(^_^;

 

そして院長は「だけど我々が道具を使い始めて気から地上に降りてきて以来、下を見る必要はなくなったから、下瞼の開閉機能は退化したんだよ」と結論づけました。

 

僕は長年考えていて思いもよらなかった院長の推測に感動し「なるほど、その通りかもしれませんね!!」と答えました。

 

この院長の話はあくまで推測の域を超えませんが恐竜たちの進化を振り返ると、僕の勘では最も確からしいと思っています(^o^)

 

最後に院長は「そんなことを考えながら手術しているなんて、お前もなかなか偉いな」とお褒めの言葉を頂きました。

 

実は上下瞼が対をなす関係にあると理解しているのは、僕が専門としている眼瞼形成手術にはとっても、とっても重要なのです。

 

その理由をこのブログで簡単に説明出来ないので割愛させて頂きますが、毎回人体の進化を眼瞼の奥に垣間見ながら手術することにこの上ない感動を覚えています(^○^)