仕事をしていた頃ほどではないけれど
今でもロンドンでよく外食はする。
美味しいものを食べに行くというよりは
友人と楽しい時間を過ごしに行く、そのための場所として
レストランを利用する、という感覚。
ホテルのアフタヌーンティーも
日本から友人知人が来た時にはご一緒する。
(続く時には1ヶ月に何度も続く)
せっかく短期で来ている人に
ロンドンなんてヒドイところよ~、と言うほどイジワルではない。
できれば良いところをみて帰ってもらいたいし、
あまりに盲目的、狂信的に英国崇拝じゃない限りは
黙ってオハナシをきいて、幻想にお付き合いする。
日本は消費税が5%
この国のそれにあたる税金は17.5%
「ゆりかごから墓場まで」は安くない。
(きちんと機能してるかどうかは疑問)
アメリカほどではないにしろ
ちゃんとしたレストランでは10%~15%くらいのチップも必要。
(アメリカでは必須。但しドル安のせいもあって物価はもっと低い)
普通は無料のお水やお茶は出てこない。
お水は「ミネラルウォーター」という有料のドリンク。
だからロンドンでの外食費は結構な金額になる。
若手英国人シェフでジェイミー・オリバーという人がいる。
料理界のベッカム様、というコピーには、はあ??、だったけど
日本でも本やテレビで取り上げられて知名度があるらしい。
彼は好き。
偶然2度会ったことがあるけれど、本当に気さくなその辺のお兄ちゃん。
とにかく美味しいものが好き、それを作るのが好き
親しい人に自分の作ったものを食べてもらいたい、
そういうのが溢れてる人。
彼は本当に楽しそうにキッチンに立つ。
でも本格的にフレンチを勉強した人や
ポッシュな人は、彼が嫌いみたい。
床に落としたものを拾って食べるとか(時々やってる)
味見のためにボールに指を突っ込んで、それを舐めたりするのが
耐えられないんだそうな。ふう~ん。
彼の功績は、お料理は時間をかければいいってものもないってことを
教えたこと。
本当に良い素材なら調理の必要さえないって
日本人ならわかってると思うけど、
イギリスでは未だに時間をかけてコトコト、が偉いことだと
勘違いしてる人も多い。
(その結果がクタクタ野菜)
ビクトリア時代の旧式かまど料理ならともかく、
現代は調理時間の長さと愛情は比例していない。
彼は特別な調理器具や特別な素材は
できるだけ使わずに、普通に手に入るもので
美味しいものを手早く作る。
手早く作る、のと、手を抜く、のとは違う。
但し材料はできる限り妥協しない、生産者の顔が見える野菜とか
きちんと作られたオリーブオイルとかチーズとか。
外食することに比べれば
オーガニックの野菜がそうでないものより
100gあたり数十円、数百円高くたってたかがしれてる。
でも彼が関わってるレストランは
今でもディナーの予約は取りにくいし
ワインも飲むとやっぱり1人1万円では足りない。
おいしい食事は彼のレシピ本を参考に
自宅で作るのが一番かな。