共感問診力アップメディカルコーチの下枝三知与です。
昨日、私の師匠主催NPO法人メンタルサポートアカデミーの10周年記念講演「悲嘆のケアと心の癒しについて」を聴きに行きました。
上智大学名誉教授アルフォンス・デーケンさんの笑いあり、涙ありの素晴らしい講演でした。
最後に受講者の感想を代表で披露された、あるドクターのお話のまとめです。
「これまで数多くの患者さんの死を看取ってきたが、今日の講演を聴いて次のように感じた。
自分は治療をした医者ではなく、一人の人間として、患者を看取る家族の心理にきちんと対応してきたかどうか・・・改めて振り返る良い機会ができた」
殆どの人が最後の一瞬を迎える場所が、病院です。
そして最後の一瞬に立ち会ってもらうべき、重要な人がドクターなのです。
逝く人を見送る覚悟ができているようで、できない・・・
まだ逝ってほしくない!
置いて逝かないで!
このような悲痛な思いでいる家族。
その家族のそばにいて、冷静な判断を下すドクター。
中には冷静ではいられないドクター、あるいはプロ意識で淡々としているドクターもいらっしゃるでしょう。
私が経験した(10名以上の)身内の臨終場面では、正直言って家族には、その場でのドクターの態度や表情に気づく余裕はありませんでした。
ただ記憶しているのは、そのあとのドクターや看護師の方々の言動で、怒りを感じたことです。
つまり、逝く人を見送った直後の「家族」に対する気遣いです。
遺族に対する心のケア、これは残されてもなお生きていかねばならない家族への「悲嘆のケア」そのものです。
医療現場にいる方々、すべてに必須のものかもしれません。