環境有害物質からの小児の保護 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出展:ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
http://kokumin-kaigi.org/

・NEWS LETTER Vol.84
環境有害物質からの小児の保護
カナダ・サイモンフレーザー大学健康科学部教授
ブルース・ランパール氏(Bruce Lanpher)
●化学物質による害
 環境中の化学物質は毒物たりうるという認識を持って頂きたい。化学物質による害は身体障害や病気だけに止まりません。

例えば、学習障害や自閉症などの行動障害にも関係しているのです。
 まず我々が認識を新たにしなくてはならないのは、現在までに社会的に認知されている有害物質は、そのほぼ全てが環境やヒトへの健康被害が発生した結果発見されたものだということです。

全化学物質を適切にスクリーニングし、使用許可を出すことが理想的ではありますが、研究が進み検証方法が発展した現在であってもそれは難しいものがあります。

専門家でさえも、飛躍的に蓄積されていく研究の全容を把握することは不可能に近いのです。

省庁が科学研究の最先端に追いついていない現状も仕方のないことでもあります。

●水俣病の教訓を生かせ
 皆さんも御存じのように、水俣病における胎児への被害は有名です。
 長らく胎盤は有害物質から胎児を守ると言われていましたが、決してそうとは限らないことが、この水俣病によって世間の知るところとなりました。

その驚愕を我々は鮮やかに思い出さなくてはなりません。我々は無知なのです。
 水銀や鉛、PCBでの中毒は、水俣だけでなく、オーストラリアや台湾など各地から報告があります。

我々はいつも問題が生じて初めて化学物質の危険性に気付くのです。

しかし、症例によってはまだ化学物質が原因であると判明していないだけかもしれないし、病気であるとさえ認識されていない異変もあるかもしれません。

我々が化学物質に関して知り得ていることは氷山のごくごく一角にすぎないことを、改めて意識し今後の行動に繋げなくてはなりません。
 化学物質によっては、一概に胎児期全てにわたり害をなすわけではなく、影響が著しい時期や臨界期があることが知られています(図1)。

例えばサリドマイドがそうです。

このように環境中の有毒物質の影響を考える際には臨界期についても意識に入れておく必要があります。