・出典;化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html
・ew York Times 2014年1月2日 社説
フランスワイン中の農薬
情報源:The New York Times, January 2, 2014
Editorial: Pesticides in French Wine
http://www.nytimes.com/2014/01/03/opinion/pesticides-in-french-wine.html?_r=1
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訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
掲載日:2014年1月3日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kaigai/kaigai_14/140102_NYT_Pesticides_in_French_Wine.html
フランスのブルゴーニュ地方の有機ワイン製造者らは農薬使用を拒否したために訴えられている。
この動きは有機ワイン産業へのフランス農業省の支持があるので話がややこしくなっており、フランスワイン中の農薬について一般の人々の不安が増している。
有機的に製造されるフランスワインの占める割合は、2007年の2.6%から2012年末までの8.2%へと増大した。
この様な進展にも拘わらず、フランスはまだ、アメリカおよび日本に次いで世界で第三位の農薬使用国であり、ヨーロッパでは第一位で年間11万トンの農薬を散布している。
昨年2月のある調査がテストされたフランスワインの90%に残留農薬を発見をして騒ぎとなった。
残留農薬は有機ワインからも発見され、隣接するぶどう畑か、あるいは他の経路から汚染したことを示している。
フランスワインは、ヨコバイ(leafhopper)(訳注1)によって感染するバクテリア性伝染病であるブドウ黄化病(Flavescence doree)(訳注2)に感染しやすい。
ブルゴ-ニュ地方を含むいくつかのブドウ栽培・ワイン生産地域では、フランスの法律により農薬による措置が求められている(訳注3)。
ブルゴーニュのある有機生産者は、ピレトリン農薬のPyrevertを使用することを拒否したために法に違反したとして、現在起訴されている。
彼は、彼のワインが感染したという証拠はないと述べ、神経毒素であるPyrevertは、ヨコハイに有効かどうかわからず、また有益な昆虫も殺していると主張する。
彼は、懲役6か月と30,000ユーロの罰金を求刑されている。
もう一人の有機栽培者はその農薬を使用することに同意して1ユーロの罰金を払った。
フランスは2007年環境に関するGrenelle法(訳注4)の下に、2018年までに農薬使用を50%削減することを約束している。
この目標を達成するのに役立てるために、ステファン・ル・フォール農業大臣は、11月13日に新持続可能農業法案を発表したが、それは1月にフランス議会に提出され討議されることになっている。
農薬の予防的な使用を拒絶する有機生産者を犯罪者であるとみなしても、フランスの持続可能な農業への移行の助けにならない。
ブルゴーニュでのそのような農薬使用を求める法律は、悪い政策であるだけでなく、フランスワインにとってもひどい広告である。
その法律は変えるべきであり、フランス議会は、持続可能な農業に関する新たな法案を今月成立させるべきである。
訳注1:ヨコバイ(横這)
訳注2:Flavescence doree/Wikipedia
訳注3:食品安全関係情報詳細
フランス食品衛生安全庁(AFSSA)、除虫菊を有効成分とするPYREVERT製剤をブドウのコガネヨコバイの駆除に使用するための認可申請について意見書を提出
訳注4:Grenelle Environnement|le Grenelle Environnement
訳注:関連記事
ビオディナミのワイン生産者、殺虫剤不散布で訴追を受ける 【フランス】 2013年11月29日
runより:ちなみにピレトリンは日本の有機栽培で使用が認められています。