ミネラルウォーターより安全な水はあるのか?3 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

・超純水

超純水(ちょうじゅんすい、ultra pure water)とは主に産業分野で用いられる用語で、極めて純度の高い水のこと。純水の製造では対象外だった有機物や微粒子、気体なども様々な工程を経て取り除かれている。

現在、最先端の設備で製造されている超純水に含まれる不純物の量は、0.01μg/L(1リットル中に1億分の1グラム)の水準に達し、これは例えば東京ドーム(約124万立方メートル)に対するピンポン球やビー玉に相当する。


概要 [編集]

超純水とは、用水の水質が極めて高いレベルにあることを意味する。しかし明確な定義や国家・国際規格などはなく、使用目的に基づく個々の要求水準を満たすことが最大の条件となっている。

さらに要求水準自体が年々高度化しており、ひとくちに超純水と言ってもグレードはまちまちである。

言葉としては1950年には既に登場[1]していたものの、その純度は現在のそれに遠く及ばなかった。

特に非電解質(生菌を含む有機質、コロイド、ケイ酸など)は除去・測定ともに困難であったが、産業技術高度化に伴う『より不純物の少ない水を』との要求は強まり続け、これに応えるための不純物除去技術も高度化し続けた。

すなわち、超純水の歴史はそのまま不純物の除去・管理技術の歴史でもある。

超純水の用途は当初より多様であり1966年の文献[1]には、電子工業、貫流ボイラの復水処理、原子力発電、合成繊維工業、有機無機薬品工業、製薬工業、写真工業などが挙げられている。

呼び方には使用場所(工場、医療、研究ほか)によって、「超純」や「UPW(Ultra Pure Waterの略)」などの略称で呼ばれることもある。

大学の研究室などで特定のラボ用製造装置名が代名詞となっていることがあるが、日本だけの風習に過ぎず、また必ずしも本項で述べる超純水の範疇に含まれるとは限らないので、注意が必要である。


歴史 [編集]

極限まで純粋な水を得ようとする科学史上最初の試みは、1870年代にフリードリッヒ・コールラウシュによって行われた[2]。

窒素ガスと石英器具を駆使した特製の蒸留装置で42回蒸留を重ねて得た精製水の電気伝導率として、0.03μS/cm(18℃)の値が記録されている。

この結果、水は非電解質ではなくわずかに解離することが実証され、水のイオン積を求める上で重要な功績となった。

20世紀に入り、イオン交換樹脂の登場によって容易に電解質を除去することが可能となり、水の精製コストは劇的に低下した。

これ以降、水の品質によって成果を左右される種々の分野で、純水、超純水が活用されることとなった。

以下、利用量が最大で要求レベルも厳しい、電子工業界を中心に記述する。

1960年代に生産が拡大した、トランジスタやブラウン管の製造工程における洗浄用として、脱イオンと精密ろ過による高純水、高度純水が広く利用されていた。

しかし集積回路の登場により、比抵抗率では評価しきれない不純物(微粒子など)による製品歩留まりの低下・限界が問題となった。

高度蒸留水の使用も一部で試みられたというが、おそらくコスト面で普及しなかった[3]。

そして1970年代に登場・普及したLSIの製造工程では、完全にトリクロロエチレン、トリクロロエタンなどの有機溶媒に取って代わられ、半導体産業における超純水の重要性は低下していった。

ところが、1980年代に顕在化した土壌汚染、地下水汚染にこれら有機溶媒が大きく関与していたため、代替品として再び需要が高まる事になる。

大規模火力発電所や原子力産業向けの需要に応じ、超純水製造技術は向上を続けていたものの、微細な集積回路のパターンを相手とする洗浄装置の開発は多くの課題が有った。

なかには水質ではなく水そのものの物理的性質、例えば有機溶剤に比し桁外れに大な表面張力の克服なども含まれていた(洗浄時にウエハを高速回転させるのはこのため)

洗浄する水に少しでも不純物が残っていると、回路パターンを短絡させたり、不純物半導体の組成を乱すなどの影響を及ぼすため、今日に至るまで、半導体素子の性能向上や回路パターンの微細化に伴って、超純水の不純物を減らし洗浄効果を高めるための様々な研究開発が続けられてきている。

1990年代以降、半導体の集積度は高まり続ける一方、コスト競争激化による製品歩留まりの追求が厳しさを増した。

これは、素子自体の大型化・複層化による(微粒子1つによる被害が発生する)単位面積の増大と、(微粒子の直径に対する許容限界を引き下げる)パターン線幅の狭小化に応えつつ、コスト削減(それも劇的な)要求に応えなければならないことを意味する。

2000年代に入りバイオテクノロジー分野での利用が拡大している。

これに伴い、研究室などでの超純水利用の需要拡大に応じラボ用の超純水製造装置が相次いで市場に登場している。