WISHBONE ASH (Revisited:part2) | 今夜はきまぐれ~Mustangのひとりごと~

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~WHO'LL BE THE FOOL TONIGHT~ Music Monologue by Mustang
ホントにきまぐれな更新でございます…(^^ゞ


さて、ようやく本文スタート。

(^▽^;)


どうあれ、僕が初めて手に入れたアルバムが "HEAR TO HERE(コズミック・ジャズ)" であるから、初期のMCAレコード時代は全て後追いで聴いたわけで…



HERE TO HEAR (1989)



前回書いた日本盤CDのリリース順の通り、1991年に 2nd "PILGRIMAGE" と 3rd "ARGUS" の2枚がまずリリースされたので、確か当時の最新アルバム "STRANGE AFFAIR"(1991) を聴いたあとに、この2枚のアルバムを通して聴いたはず。

この時までにMCA期の曲で僕が聴いたことがあったのは "FRONTPAGE NEWS"、"THE KING WILL COME (LIVE)"、"PERSEPHONE(永遠の女神)" の3曲しかなかった。

それに加えてFM番組「クロスオーバー・イレブン」で "NOUVEAU CALLS"(1988) 収録曲、 "ARABESQUE" と "HERE TO HERE"収録曲、"WHY DON'T WE"、"IN THE CASE" の3曲…この計6曲が僕が WISHBONE ASH のアルバムを集めて行く始まりだったと言っていい。
どの曲も気に入ったから…ということに尽きるかな?

この6曲 "PERSEPHONE" を除けば、時間差はあるけれどオリジナル・メンバー4人の演奏ってことになる。でも「時間差」からくるサウンドのギャップは仕方ないかも知れないが、時間差以上の違いがあったことも確か。

それは WISHBONE ASH 最大の特徴である「ツイン・リード」の使い方、もしくは活かし方…のような気がする。




80年代の終わり頃。

とにかくCDで聴ける WISHBONE ASH のアルバムを探していたら中古ショップで "HERE TO HEAR" を見つけた。「知っている曲」が入っている…理由はそれだけだった。

まだ、10数枚しかCDを持っていなかった頃…当然聴きまくることになる。
まして、過去のオリジナル・アルバムは全くCD化されていなかったわけで…

そして初めて聴いたオリジナル・アルバム2枚。

2nd からはオープニングの "VAS DIS(よみの国へ)"、 3rd からは初めてスタジオ・テイクで聴く "THE KING WILL COME" よりも "WARRIOR" が気に入った。

でも、「ツイン・リード」のインパクトを強力に感じた曲は、その後に聴いた 1st のオープニング、"BLIND EYE (光なき世界)" だった…


WISHBONE ASH - 光なき世界 (1970)


収録曲6曲のいずれもが2本のギターがハモるパートを持つ…これがこのバンドのサウンドなんだと言わんばかりの演奏…そう感じる。


♪ Blind Eye


2本のギターが絡んでメロディを弾くという特性は必然的にアドリブ・プレイよりもアレンジ重視になるわけで、これはハードロックよりはプログレッシヴ・ロックに近いと言える。


ライヴにおいては LED ZEPPELIN や KING CRIMSON よりは YES や RUSH に近い…ライヴ毎に同じプレイをしないスタイルと、レコードの再現に近いプレイをするスタイルってことになるか。


まあ、①長尺曲がある、②1曲中で曲調が2転3転する、③インスト・パートが長い、という点だけでは YES や RUSH に近いと言い切れないところもあるが…


♪ Phoenix


でも ASH サウンドの基本形は、ほとんどこの 1st で披露されていると言っていいんじゃないかと思う。



pilgrimage

PILGRIMAGE - 巡礼の旅 (1971)


7曲中4曲がインスト・ナンバー、そしてヴォーカル曲のうち1曲がライヴ・テイクという構成は演奏力への自信の表れ…なんだろうか。
その中でも、オープニングの "VAS DIS" のインパクトは強烈。しかも、彼らのオリジナルではないのに、スリリングな仕上がりは凄い。


♪ Vas Dis


旧版CDの解説か、それとも何かの雑誌記事だったか…専任ヴォーカリストがいたら ASH のサウンドにこれほどの緊張感は生まれなかったのではないか…という趣旨の記述を読んだ覚えがある。

だから、インスト曲の多さは発表当時に ASH のサウンド・イメージを決定づける要素になっていた…のではないかと思う。


♪ The Pilgrim


収録曲のうち "ALONE(唯一人)" が実はヴォーカル・ナンバーだったことが後に判明することになるが…。



argus

ARGUS - 百眼の巨人アーガス (1972)


これを ASH の最高傑作と推す方は多いと思うし、僕も異論は無い。

♪ Warrior


それは楽曲の善し悪しよりも「アルバムとしての流れの完成度」があるからだと思う。
つまり収録曲7曲を「この曲順で聴きたい」と思わせる「構成」に魅力があるから…ということに尽きる。


もちろん、曲を選んで聴いても魅力的な曲が揃っているが、「アルバム」という単位の魅力をこれほど強く放つ作品はそうない…そう断言(笑)していいと思う。


♪ The King Will Come


リアル・タイムで WISHBONE ASH に接した方々なら、1st~3rd のイメージを現在まで引きずっていても無理はない…僕のような後追いファンでも、それはわかるような気がするのは確か。


それが現在のバンドの魅力とは多少ズレていたとしても…



WISHBONE FOUR - ウィッシュボーン・フォー (1973)


確かに "ARGUS" はバンド最初のピークだった、というのは定説なんだろう。
しかし、二番煎じ…もしくは二匹目のドジョウを狙うことなく新たな方向を目指した…それも "WISHBONE FOUR" という作品に対しての定説…だろうか。


アメリカン・テイストの加わったアルバム…とは言われるが、アメリカン・ロックになったわけでもない。


♪ Everybody Needs A Friend


まあ、楽曲から複雑な構成が抑えられて、ストレートなヴォーカル・ナンバーに統一されたのは確か。


ただ、全く僕の「超」個人的見解だが、このアルバムの持つアメリカン・テイストはほんの少しだけ Mark Knopfler (ex. DIRE STRAITS) に近いところがあるような気がする。


♪ Sing Out The Song


これまでの ASH のイメージが濃いのは "DOCTOR" と "SORREL" だと思うが…


英国の香りとツイン・リードの直球勝負から、変化球を迷わず選択するようになった。それが現在までの ASH に通じる部分かも知れない。



そして、結果的にオリジナル・メンバーによる集大成…・

LIVE DATES - ライヴ・デイト (1973)


会場の空気感を捉えながらも演奏をクリアに収録している…ライヴ・アルバムの音質としては最上級と言っていいかも知れない。
曲間の一部にブツ切り感があるのがちょっと残念な気はするが…


♪ Lady Whiskey


スタジオ盤ではゲスト・プレイヤーやオーヴァー・ダブで音の厚みを出している曲もある。でもここでは多少の手直しはあるとしても、たぶん4人以外の音は入っていないと思う。


♪ Blowin' Free


それだけに、楽曲の魅力は4人だけで再現できることを証明したアルバムと言えるんじゃないだろうか。




ベースの Martin Turner と ドラムの Steve Upton が、ギタリストとキーボーディストを募集したところにやってきた Andy Powell と Ted Turner という2人のギタリスト。
Martin と Steve は1人に絞ることができず、ツイン・リードという形態を試してみることにした…つまり、WISHBONE ASH のサウンド・スタイルは偶発的に出来上がったものだった。


「それは独自のサウンドをちゃんと持ったバンドを作りたい、という確固とした欲求の結果だった。70年代に出たバンドのほとんどはそういうふうに考えていたと思うよ。他のバンドとは確実に違う自分たちの個性を持っていなくちゃ、という意識は高かった。」


これは、2010年再発CDでライナーを執筆した雑誌「ストレンジ・デイズ」編集長、岩本晃市郎が2002年に行った Andy Powell へのインタビューを抜粋してライナーに記した文の一部



"LIVE DATES" は WISHBONE ASH のサウンド・スタイルを決定付けた2人のギタリストのうち、Ted Turner が参加した(この時点で)最後のアルバムになってしまう。



To be continued...




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さて、このペースだと完結はいつになるんだろ…(;^_^A