ネットニュースかなんかで、

「自分の旦那がとても才能があり、すべて負けてしまっていて、

 嫉妬してしまう私」

とかいう、テーマの話題がネット上で盛り上がりをみせている

とあって、早速そのページを見てました。


才能があるから惚れて、、

でもあまりに相手が人間的にも出来ていて、すべてにおいて

ほぼ負けている・・

だから、勝てないから嫉妬してしまう。。。

大事な旦那さんなのに・・


という、奥さんの悩みなのですが

私はその見出しの時点で「わかる!めちゃくちゃわかる!!」

と大きくうなずきながら、それについてのレス含め、読んでいました。


しかし、書き込みをしていた男性のほとんどが

「なんで旦那に嫉妬なんかするんだ?」

「そんな感情もつこと自体、おかしい」

「旦那がそれだけちゃんとしてるんだから、いいじゃないか!」

的なのが多く、、、

男性の多くは、根本的にそんな感情を理解できていないようでした。



でも、私はすごいわかります。


それは「才能が好き」なのだからしょうがないじゃん、ていう

矛盾も確かにあるんですけど、でも、すごくわかります。



だって、もし同じようなジャンルで同じような仕事をしていて

しかも目指すモノが仮に一緒で、ともに野心家で・・

でも相手が圧倒的に才能があって、永遠に越せないと思ったら、、

で、そんな人が身近にいて、どんどん活躍していってるのを見たら

それはそれは複雑な心境に陥るのは当然だと思うのです。


相手のことを好きなら余計自分でその矛盾に苦しむだろうと思います。


相手がどんどんモテて、人気者になったら、うれしい反面

心配心→複雑→嫉妬となってしまうのは当然です。


クリエイティブな仕事なら、なおさらだと思います。


相手がまったくジャンルもかぶらなくて、そういう

才能うんぬんを問う仕事じゃなければ、

そんなことはむしろ起きないのかもしれません。


いや、そんな嫉妬心ってもの自体、好きな相手にもつのは

理解できない、と思う人の方が多いかもしれません。

実際、「そんなこと、相手に思ったことない」って思う人も

多いかもしれません。


でも、それはやはりかぶってないからだと思うんです。


それか、かぶってても、

相手のことを明らかに下に見てる場合は思わないのかもしれません。





この話を見たとき、紳助さんの本に載ってたエピソードを

思い出しました。


紳助さんは、昔、奥さんに離婚を切り出されたことがあって

その時、奥さんは


「自分の力でなにかやってみたい。あなたの援助を借りずに」


と申し出たそうです。

それに対し、紳助さんは


「俺がレーサーだとして、ずっとメカニックをやってくれていたお前が、

 自分の力で走りたい、というのはすごくわかる。

 レーサーやってる俺はどんどん評価される。目立つ。

 でも、メカニックをやってるお前は評価されない、目立たない。

 私は役に立ってない、とへこむ。

 でも、そうじゃない。

 俺というレーサーは、お前という優秀なメカニックがいたからこそ

 こうしてレースをし続けて、今こうして成功してきた。

 そんな、ずっとメカニックをやってくれていたお前が、

 やりたいことがあるというなら仕方ない、俺は応援する。

 しかし、1つだけ条件がある。

 お前は俺という、将来どうなるかもわからん馬に賭けて、

 メカニックをやってきた。だから、俺という馬が走り続けている

 限り、配当金を受け取るべきや。

 俺が働いている限り、今後ずっと俺の収入の半分を受け取る、

 それを飲むなら、離婚する」


というようなことを言ったそうです。



もう、、、

何度読んでも泣けます。

これはすごい。

カッコいいっていうか、なんていうか・・



こんなこといえるダンナってすごくないですか??



結局、奥さんはその条件をのまなかったので、離婚に至らなかった

そうですが。

そりゃあ、こんなこと言われたら離婚しないわ!と思いました。



このやりとりってすごい深いなあと思うのです。


基本中の基本なんだろうなあ、と思うのです、人間関係の。

特に身近な関係のあいだの。



自分と奥さんの関係を、レーサーとメカニックにたとえてますが

これは色んな関係に応用できます。


一緒に色々頑張ってきたのに、片方がどんと行ってしまい、、

そのとき、一方が思う複雑な感情・・

達成してうれしいという気持ちと、自分だけ取り残されたような気持ちと・・


そんな多くのケースにあてはまる問題の中で、

これは、もう、正解としか言いようがない返しだと思うのです。



このエピソードを読んで、紳助さんて人はだから今なお

成功し続けてるんだ、とすごい思いました。



私はそういうこと、相手に言えてただろうか?

相手の力を認めて、ここまで言えただろうか?

と考えてしまいます。


しかし、こんなこと本気で言われたら、言われた方は

「一生ついていく!」って思うでしょう。

「やっぱ、自分の眼は節穴じゃなかった!」って

相手の魅力を再確認し、さらに応援することでしょう。


相手の感情を否定せず、理解して飲み込んだ上で

こんな返答をする、なんて

なかなか出来ることじゃありません。

常日頃から思っていなかったら、

自分の理論や哲学を持っていなかったら、こんな風に出てきません。



自分がもしそんな立場になったとき

これを相手に言える人になりたいし、

自分がその奥さん側の立場になったときに

相手に本気で言ってもらえるような人になりたいなあと

思いました。



ほんとに、このエピソードはいい話だなあ、と思います。




バナー 人気ブログランキングへ