風 @ 京急鶴見(京浜急行線) | CroquettePunchの “ 呑んでたまるか!”

風 @ 京急鶴見(京浜急行線)

この日は30分1本勝負 @ 鶴見.



とにもかくにも時間がねいのんです.

30分後にはある場所に向かわねばならぬという火急な場面.

なら直行すればいいのだが,そうはいかないところが面倒くさい男.



ちゃちゃっと呑れそうな馴染みの店を2軒あたる.

なんと不遇である,1軒が開店前,もう1軒は臨時休業.

ロスタイム,残り時間は25分というさらなる過酷な状況に陥る.



失意のまま第一京浜に出る.

今日は無理かもしれないな,そう諦めかけた時.

視線の先に「そば」の暖簾,なんだ路麺か,そう思って近付いた時.



うほほい,なんだ,呑れるじゃん.

ホッピー白黒,焼酎に日本酒,ハイボール.

よりどりみどり,豪華絢爛準備万端に揃ってるじゃん.



《 風 》



なるほど,なるほど.

路麺と立ち飲みの兼業形態なのですね.

ご主人,まだ仕込み中のようですが「どうぞ」と入れてくだすった.





「入れて」というのには語弊があります.

店内と呼べるのはカウンターだけですもんね.

そこにへばり付くようにしてビールケースの椅子に座る.

よろしいか,これが誠のオープン・エアと言える風趣ですよ.





そして「風」といういささかリリックな趣きの店名.

スナックを髣髴させる響きにはとまどいを禁じ得ない.

ではありますがわかる,外から地続きの(というかまんま歩道の).

ビールケースに座って見渡せば,その意味を必ずや直感するのです.



風が通る,風が抜ける,これです.

さえぎるものが一切ない外界との一体感.

その風が第一京浜の車風であっても都会の風流.



などと呑気かましている場合でねいのんぞ.

タイム・アップは迫っております,あ,美味しそう.



すぐ出る品っぽいので谷中生姜をいただきます.

大柄で頭にタオルを巻いた大将がとても優しい,感じがいい.

「あれ〜,包丁どこ置いたっけなあ」と探すお姿も微笑ましい.



赤ウインナーもいただきます.

大将がフライパンでちゃちゃっと作って下さる.

常連とおぼしき方がご来店されます,目が合います.

知り合いではありませんが,どちらからともなく自然と会釈する.

いいお店ってのはこうなんですよね,大将がいいとお客さんまでいい.






冷たいワンカップをお願いした.

「まだ冷えが弱いからここ入れとくね」

これでね,こういうひとことでね,うふふふ.

このお店が,大将がますます気に入ってしまうのです.



赤ウインナーは1本だけタコさん仕様.

こういうの見てもわかる,調理に念が入っている.

ここは料理もいいらしいね,釜玉明太バターうどんも食べてみたい.



25分1本勝負,ごちそうさまでした.

お値段果たして安い,ありがとね,大将.



ここは1本勝負じゃもったいない,もったいない.

今度は無制限デスマッチ,うはは,ゆっくりしてみたいなあ.



もちろん,うふふふ.

予定のお時間には穏やかに間に合いましたとさ.