やぶ澄 @ 西大井(JR横須賀線) | CroquettePunchの “ 呑んでたまるか!”

やぶ澄 @ 西大井(JR横須賀線)

(※ 現在このお店はありません

街を歩けばまだまだこういう風流は残っている.



まずはご覧くださいましな,いいでっしょ.

街蕎麦屋には圧倒的に縄暖簾が似合う.

軒先の盆栽鉢植えには地に足の着いた日常感がある.



透かし文字で屋号の入った摺り硝子ですよ,渋いねえ.

おうりゃ,何気に縄暖簾にも透かし造りではねえの.

こういうの街蕎麦の伝統造作として腑に落ちる,素敵です.



先日,出掛けの途中で通りかかったお店です.

時間が無かったけどたまらずに入った.

麦酒の注文にこういのがすっと出てくる.

これだけで「出来るお店」というのが伝わってくるんだよね.



伝わるでしょ,香り立ってまいりますでしょ.

街蕎麦屋さんのラーメンはこうでなくっちゃねえ,むふふ.

焼豚は脂身多め,海苔は出汁を含んで存分に湿る.

スープに浮かぶ脂に鰹出汁の風味が寄り添う,美味い.



残念ですがこの日は時間が足りなかった.

街蕎麦屋の風趣を堪能する余裕が無かった.

これだけささっと啜って帰りました,でもね.

後日ほどなくして再訪問しちゃうは必至であった.



《 やぶ澄 》



だからまた来ちゃったで,うわっはっは.

西大井駅から大森方面,住宅街に抜けたあたりの立地です.

古色なたたずまいを初めて見た時はね,アレですよ.

それこそ身震いのする思いでしたぜ,うっふふふ.





いいよ,いいねえ,なんて言いますかね.

街蕎麦屋には特有の「匂い」があるんですよね.

そばつゆの「かえし」と鰹節の香りですが,それだけじゃない.

それが古い木造家屋に沁み込んで熟成している.

その空気に浸れるのも,街蕎麦屋に足を向ける理由である.



今日は時間はた~っぷりね,うっひっひ.

であるので,ゆるりと呑らせていただきますわよ.

瓶徳利は「小野川」,これは自身の中で普通銘酒だよな.

古い街蕎麦屋さん()ではおなじみの銘柄ですね.



このお店ですね,昼から夜まで休みなしの通し営業.

ご近所のお年寄りが半端な時間にふらっとやって来る.

「お兄ちゃん,お暑うねえ,ビールが美味いよねえ」

なんて言って冷やしうどん食べて帰ってゆく.

こんな情景,間違いなく地元の優良店であるを確信するね.



前回来た時に心に誓ったお品があるんですよね.

もちろん,デフォルト・メニュウにはありません.

でも頼む,意を決して注文する.



わっはっは,これです,カツカレー丼でありなす.

わかりにくいけど,ルーの下にはカツが内蔵されておるです.

実はカツカレーすらメニュウにはありません,でもね.

お店にもご主人にも,気安く注文できる雰囲気がある.



この気安さこそ,街蕎麦の真骨頂なんだよな.

快く作ってくだすったカツカレー丼.

出汁の風味が存分に立っている.

果たして,美味いことおびただしい.



冬の時期,鴨なんばんに熱燗なんてのもいいかもね.

雪が降るような夜にも是非来てみたいなあ.



※お話は全く関係ありませんが,残念なお知らせです.
池上の連月()が閉店されたそうな,う~むむ.
今年の年越し蕎麦はどこで手繰ろうか...
今より思い悩んじゃうのである.