先週のニュースでブログにするのもどうかなと思ったのですが、簡単に感想を。



 → 「監査・コンサル同時提供違反、福岡の監査法人を処分へ 」(日本経済新聞 - 2008年3月28日)


 「金融庁の公認会計士・監査審査会は28日、福北監査法人(福岡市)を行政処分するよう金融庁に勧告した。公認会計士法で禁じる監査とコンサルティングを同時提供していたため。監査した会計士とは別の第三者がチェックする審査をしないで監査意見を出していたこともあった。監査調書の管理がずさんだったり、内部管理体制全般に重大な不備があったと認定した。

 同時提供違反で勧告するのは初めて。監査法人は同時提供した相手の企業を約20年監査していた。企業側に経理ができる人材が不足していたため、監査法人側が実質的に会社の財務諸表を作成していたという。」



 これまで他の監査法人であった処分勧告と比較し、コンサルティングを同時提供していたという点で特徴的です。



 しかもこの監査法人は上場会社の監査は1社だけですので、同時提供先はその1社である長府製作所でないかと推測されます。


 

 → 参考ブログ  http://grande.blog2.fc2.com/blog-entry-552.html

 


ドンッ

 

 

 内部統制監査制度が開始するこの時期に、このような記事がでるとは、内部統制制度の構築、特に決算作業周りの設計はどのように考えていたのだろうか?と思ってしまいます。



 場合によっては、監査法人が内部統制の仕組みの一部を担っていくつもりだったのではないかと思ってしまいます(というのは半分?冗談ですが、意外と同じことを考えている会社があったりして...)



 今回の件で、おそらく会社も経理関係の人員を強化することに本気になるでしょうが、もし、今回の処分勧告がなかったら、来期の内部統制監査の結果はどうなったんだろうか?と思います。コンサルを同時提供をしている(≒独立性に問題がある)状況では、内部統制の重要な欠陥としなかったんではないでしょうか。



 そういう意味では、今回の処分勧告は非常に重要なものだったかもしれません。