日本公認会計士協会(JICPA)は、公認会計士試験制度に関する要望書を公認会計士・監査審査会会長及び金融庁総務企画局長あてに提出したとのことです。
(参考) JICPA HP → http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/post_1106.html
要望書の概要としては、平成15年の公認会計士法改正に伴い、平成18年度の新試験制度に移行して以来、合格者が急増しすぎて、JICPAも監査事務所も産業界も、いずれも合格者が公認会計士になるために必要な研修、実務経験等を充分に行える体制が間に合っておらず、対応できていないという問題があるため、現行制度の運用の検討をしてほしい、また、国際的な動向も踏まえ中長期的観点からも試験制度の見直してほしい、という内容です。
今回の、要請の内容は、監査法人に勤めている方にとっては、新試験制度になって、合格者が急増した時から、すぐに感じていたことだと思います。
ちなみに、久々に私の過去のエントリーを見てみましたが、新試験に関連して当時は以下のようなコメントを行っています。
(2008年11月合格発表関係)
→ 2008年11月18日(火) エントリー「合格発表」
(2007年11月合格発表関係)
→ 2007年12月03日(月) エントリー「会計士試験合格者の採用負担も馬鹿にならないでしょう。」
→ 2007年11月22日(木) エントリー「会計士試験合格者で一部就職浪人が出そうな雰囲気ですね。」
→ 2007年11月19日(月) エントリー「会計士試験・・・合格者がかなり多かったですね。」
監査法人(特に大手監査法人)としては、大量の合格者を少しでも多く採用し、可能な限りの研修、実務補習、実務経験等の機会を提供するということも、社会的責任の一つと考え、実際に必要と思われる人数以上の合格者を採用していると想像しています。
しかし、昨今の景気悪化を受け、監査報酬の増額が期待しにくい状況から、人件費負担が監査法人の経営に重くのしかかっているのだと思われます。
そのような状況を踏まえ、今回の要望につながったのではないかと推測しています。

しかし、現在現況している受験生にとっては、とても嫌な要望と言えます。会計士試験目指す方は、試験の合格率なども考慮して、一大決心で挑戦しているという方も多いと思いますので、試験制度運用の急な変動は重要な問題とも言えます。
ただ、一方で、試験合格者を受け入れる監査法人側としては、昨今の景気悪化により、監査報酬の増額が見込にくく、場合によってはクライアントの倒産により収入が減少する場合も想定できます。また、新規上場会社が少ないことから、中堅の公認会計士(CPA)が普通であれば監査法人を辞めてベンチャー会社に転職していく人が結構いると想定されるのですが、最近では転職先がなく、監査法人にとどまる人が多いという状況になっているようです。
そもそも、新試験制度の形を考えた時と、現在では監査業界を取り巻く環境が全然違いますので、現状の問題を解決するのはなかなか困難な作業だと想像できます。金融庁はどう対応するのでしょうか?(無視かな?)

ちなみに、個人的な意見としては、
1.受験生保護のために、次期(又はその次)の試験の合格率や合格人数の目安を早めにアナウンスしてあげる。
2.とはいっても、急激に合格者を減らすことは難しいかもしれませんので、ワークシェアリングの考え方を導入して、監査法人は合格者をある程度多く採用する代わりに、初任給を下げる。
という発想もあるのではないかと思っています。しかし、現実的にはどちらもいろいろ問題があって難しいですかね...

(蛇足)
現実的には、結局は、各監査法人は自由競争ですので、各監査法人で採用時に試験等(個人的には口述試験でいいのではと思っています)を実施して、自己責任で合格者を採用して、どこにも採用されなかった人は一般企業等にいってもらうということになるしかないのでしょう...。監査法人も民間企業で経営が重要ですから...ということでしょう。