(やっと3月決算の中間監査及び6月決算の四半期レビューが落ち着いてきました。読まないといけない資料とたくさんたまってしまいました。今後、四半期開示が法定化されると年中こんな状態が続くのではないかとぞっとしています。若いうちしか監査法人の仕事についていけなくなるような気がします。)



 ところで、今日の本題ですが、企業が監査法人の変更の発表を行った場合、マスコミ等の一般的な反応は、



【会社と監査法人に意見対立等があった → 結果、決算の確定に時間がかかった → そこで会社は監査法人の変更を検討した → 他の監査法人に相談して変更が確定した → プレス発表で監査法人の変更をIRした】



 というような流れと考えていることが多いように見受けられます。このような場合、会社側が不利に報道されている場合が多いように感じます。




 確かに、このようなケースも多々ありますが、私が聞く情報では、次のようなケースもかなり多いようです。



【監査法人のミス等による方針の変更に会社側が不信感をいだく → 他の監査法人に相談する → 相談を受けた監査法人がショートレビューを行い受入条件(会計処理等)を提示する → 当該条件を会社が受け入れ、現在の監査法人に伝える → 伝えられた監査法人は、監査法人の変更後「前期損益修正」を出されると以前の決算書が間違っていたと見られるため、しぶしぶ条件を受け入れる → 決算を締めた後に、監査法人変更のIRを行う】



 つまり、監査法人が変更となる最後の決算で、厳しい会計処理が行われる場合は、必ずしも契約中の監査法人の考えではなく、次の監査法人の考えが多分にでている場合があるということです。



 このような見方は、マスコミ等を見てもなかなかないようですが、用意周到に監査法人が変更されるケースにおいては、このような可能性もあると見てIRを読むと、また違った見方ができると思います。

 


(最近のニュースを見て、少し思うところがありましたもので...)