- アシュケナージ(ウラジミール), ラフマニノフ, プレビン(アンドレ)
- ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1~4番
4月1日は「勝手に××の日」の1周年だそうです。
今回は「勝手にラフマニノフの日」とのことで、
ピアノ協奏曲第3番ニ短調を取り上げます。
第1楽章、オーケストラと共に歌い出されるピノの第1主題は
殆ど単音に聞こえる簡単な旋律ですが、ラフマニノフらしい情緒
を感じますね。
勿論その後はピアノも華麗になって盛り上がりますが、第2主題
は再びピアノによる息の長い旋律が叙情的でいいです。
でも気分は春の季節にはちょっと向かないかな。
展開部の後半はピアノ独奏が非常に長いのが特長に思えます。
あの第1主題の哀愁味は重厚な和音の力強いものに変容してい
ます。
その後にまた第2主題の静けさも戻りますが、ともかくピアノ・ソロ
が長く続きます。
解説によると、これはカデンツァに当たるようです。
やっと、オーケストラも加わって最初の主題が聞こえると、再現部
だと分かりますが、アレッと不意を突かれたように、盛り上がること
なく終わってしまうんですね。
でもLP一面たっぷりと、かなり長い。私にはちょっと集中できない
部分もあって、朝方、まだ寝床で夢うつつで聞いているような感じ
が少々あるのでした。
LONDON盤は、いつも思うのですが私には音が甘い。鮮明さを
欠くという意味の甘さです。
ピアノとオケが融合している感じはいいのですが、もう少し各々が
はっきりしてほしい。とろけるような、あるいはヴェールに包まれた
ようなところがあるんです。 ま、春霞の音ですか。
第2楽章 長~い旋律。ここもまさにラフマニノフの情緒が流れる。
比較的短いですが、大好きです。
休みなく第3楽章に突入しますが、気分は変わって絢爛豪華。
展開部ではその派手さ一本調子でなくて趣きを変えたりしながら、
第1楽章の第2主題が回想されたりもします。
さて、いよいよ待っていたコーダに入ります。
やあ、ここからは、もう自然にこちらの血が騒ぐのです。
冒頭の主題の動機を用いながら、たたみかけるように、聴き手を
興奮の頂上へと追い上げる結末は、サンサーンスやウォルトンなど
と共に、1,2を争う面白さではないでしょうか。
第1面でぼやいた音の不満はどこへやら。大満足で~す。
演奏:アシュケナージ/プレヴィン&ロンドン交響楽団(LP盤)