私は昔から良く夢を見る。明らかに普段の生活や行動の影響が現れている夢もあれば(≫バイオハザードの話 参照)、ちょっと普通じゃ思いつかないような特殊な夢まで、様々である。

最近見た夢で一番気になった夢は短いものなのだが、とてもよく覚えている。

夢の中で私は高校生らしかった。人がまばらな教室内は見覚えがなく、校舎は木造で古臭い印象だった。気がつくと何やら健康診断の結果が記された紙を手にしていた。私は心臓の検査で引っかかったらしく、とても不安な気持ちになる。すると、なぜか隣に座っていた安達祐実(!?)が「心臓病は怖くない」というようなことを言い、ありえないくらい大きい薬の錠剤を手渡してくれた。その後、緑の公衆電話(細かい所まで妙にリアルだった)で母親に電話をした。セリフは比較的はっきり覚えていて、「クラスで僕だけ心臓検査引っかかった」というようなことを言っていた。母は心配している感じだったが、薄々気づいていた感じでもあった。確かそのあたりで目が醒めたはずである。
自分なりにこの夢を分析すると、学校や教室の夢と言うのは比較的良く見るので珍しくない。心臓病に関しては、かなり近い親族が心臓病で亡くなっているので人事ではないと言えば人事ではない。私自身は心臓に異常は感じないが腎臓(特に右)の調子が悪い気がする。あと、健康診断といえば高校時代、肺のX線検査で息を吸い込むのを忘れてクラスで一人だけ再検査になったことがある。ここまでは現実の話と結び付けられるのだが、解らないのは安達祐実の存在である。
私は別に安達祐実のことは好きではない。特に思い入れもない。TVでも最近見た記憶がないし、むしろ忘れかけていた。安達祐実が心臓病についてやけに詳しかったのも意味が解らない。

私は繰り返しよく見る夢がいくつかある。その中でも歯がすべて抜ける夢は特に良く見る。私は虫歯が割と多い上に歯並びも良くない。子供の頃、歯医者に「歯の矯正をしたほうが良い」と言われたが無視した。夢占いで言うと歯が抜ける夢は「老いに対する恐怖」を表すそうである。まぁ、思い当たる節はある。老いるのは怖い。
歯が抜けるシチュエーションは毎回違うのだが、一度かなり特殊なものがあった。スタートレック(ネクストジェネレーション)に出てくるデータ少佐というアンドロイドのキャラクターがいるのだが、そのデータ少佐に閻魔大王が持っているような「やっとこ」で一本一本歯を抜かれる、というものだった。これも老いに対する恐怖は解るのだが、データ少佐の意味が解らない。私はスタートレックについてもそれほど詳しくない(データ少佐という名前も思い出せなくて先ほど検索した)。

私はものすごい昔に見た夢もいくつか鮮明に覚えている。中には幼稚園時代かそれ以前のものと思われるものもある。普段は忘れていた夢の続きを突然見たりもする。
知り合いと話した感じでも私はかなり良く夢を見るほうのようである。自分でも「良くこんなシチュエーション思いつくな」と感心するものから、どんなホラー映画もかなわない恐ろしい夢(バイオハザードの話参照)まで、「夢」は私の中でとても大きいウェイトを占めている。

私は自分の夢を映像で録画できる装置を心のそこから欲しいと願っている。真剣に。

【2003年3月6日に書いた文章の転載】