アタシにかまわないで
バス停でバスを待っていたときのこと。
ベンチでなにやら盛り上がっている声が背中越しに聞こえる。
何をそんなに盛り上がっているのだ?
耳をダンボにして盗み聞きをしてみる。
オヤジ1「いや~、これ安かったんだよ。立派だろ?」
オヤジ2「本当だ!どこで買ったんだ?そのスイカ」
(スイカかよっ!)
オヤジ1「ああ、あそこの店だよ。君も買うべきだよ。」
オヤジ2「そうだね。ところで君の名前は何ていうの?」
(知らない人かよっ!)
このように、アメリカの人って、知らない人にでも気軽に話しかけたりする。
アメリカに来てまだ間もないころは
「なんてフレンドリーなの~」
と、喜んでいた。
が、数ヶ月もするとこれが
「あ~、ウザイ」
に変わる。
ある日、アタシはケンカをした直後だったため、
街中を般若のような顔で家に向かって早足で歩いていた。
すると、道端に座っていたちょっとヒッピーな姉ちゃんが声をかけてきた。
「ヘイ!何怒ってんの~?スマイル、スマイル!」
うるせぇ。
前から人が来ようと、絶対に道を譲る気がないくらい怒っていることがわからんのか。
人間というものは、笑えばいいというものではない。
たまには怒らないとバランスがとれないのだ。
好きなときに怒らせてくれ。
頼むからアタシをそっとしといてくれ。
日本帰国まであと99日……