負けている試合で最終イニングの2アウトから打席に
入るというのはとても緊張します。
試合をやっている時はもちろん「負けたくない」と思って
一生懸命頑張っているわけですが、やはり負けている状態で
ラストイニングの2アウトともなると負けを意識しなければいけなくなります。
実際試合をやっていると、1アウトならまだ色々と手を尽くして
打線をつないでいくという意識を強く持てますが、2アウトになって
塁上にランナーが足りないとなると突然状況的な厳しさを感じるように
なるから選手の心理というのは不思議なものです。
そしてその状態で打席に入るというのは本当に複雑な気持ちになります。
もちろん「自分が打ってまだまだ次につないでやる」という気持ちも
強いのですが、「自分が凡退すれば試合が終わってしまう」という意識も
当然どこかに合って、上手く集中できなと何かフワフワした感じで
打席に入ってしまうこともあります。
そんな状態ですとよくありがちなのが、「ボールは見えているのに
体が動かない」ということです。
一種の精神的な金縛りというか、ゴルフなんかで言われる『イップス』に
近いような状態に一時的になってしまうのかも知れません。
(イップスは正確には継続的な症状が多いようです)
逆に「最後の打者になりたくない」という意識が強過ぎると、
力んでしまってバッティングフォームを崩してしまう可能性もあります。
心理的に緊張し過ぎてもいけないでしょうし、前向きに突っ込み過ぎても
いけないということで、やはり極限状態というのは難しいものです。
こういう場面で緊張しない人というのは、良い意味で開き直りの
出来る人だというのはよく言われることです。
「自分のできることをやってダメなら仕方が無い」という考えに
到達できる人は、結果はとにかく持っている力を発揮できる選手
なのだと思いますし、チームにとっても頼りになる人ですよね。
こういう意識を持てるようになることは、誰にとっても今後の人生に
プラスになっていくような気がします。