日本の2009年3月の鉱工業生産統計(速報値)から:生産指数は6カ月振りに上昇! | COTレポートの読み方

日本の2009年3月の鉱工業生産統計(速報値)から:生産指数は6カ月振りに上昇!

日本の2009年3月の鉱工業生産統計(速報値)から

・・・生産指数は6カ月振りに上昇!出荷・在庫モメンタムも反発!


 4月30日(木)に2009年3月の鉱工業生産統計(速報値)が発表されています。足元の生産活動を確認しておきましょう。


 下記は鉱工業生産指数(予測値を含まず)と在庫率指数のチャートです。2009年3月の生産指数は前月比+1.6%と上昇しました。6カ月振りの前月比プラスです。ただし、前回調査の予測指数(+3.2%)を下回っています。


  一方で、在庫指数は前月比-3.3%と低下しました。3カ月連続の前月比マイナスです。この結果、在庫率指数は前月比-4.9%と低下しました。6カ月振りの低下です。


 企業は生産調整の手を緩めていません。その結果、在庫は着実に減少してきました。在庫の減少は、将来の生産活動にとってはプラス要因となります。


COTレポートの読み方-0430鉱工業生産指数と在庫率指数の推移


予測指数をみると、4月+4.3%、5月+6.1%と、2カ月連続の増加を見込んでいます(4月の予測指数は前回調査の+3.1%より1.2ポイント上方修正された)。2月を大底として生産が増加基調に入ったかどうか、次回の数値で確認したいところです。


 下記は予測指数を加えたチャートです。


COTレポートの読み方-0430鉱工業生産指数と在庫率指数の推移2


ちなみに、経済産業省は「総じてみれば、生産は急速に低下している」から「総じてみれば、生産は停滞している」と判断を変えています。


 下記は出荷・在庫モメンタム(=出荷指数÷在庫指数)のチャートです。2009年3月は-27.56で、前月(-35.02)に比べれば反発しています(6カ月振りの上昇)。


出荷・在庫モメンタムは生産指数の先行指標とみなされていますから、生産活動は近い将来、底打ちする可能性を示唆しています(あるいはすでに底打ちした?)。


COTレポートの読み方-0430鉱工業生産:出荷・在庫モメンタム


 なお、下記は出荷・在庫循環のグラフです。45度線の左斜め下方向に動いています。企業の在庫調整は進展中です。45度線の左斜めの領域に入れば、景気拡張局面に入ったことを意味します。


このチャートをみる限り、景気後退局面はさらに6カ月以上続く可能性が強いと思われます。


COTレポートの読み方-0430出荷・在庫循環の推移


 下記は出荷・在庫モメンタムと株価のチャートです。出荷・在庫モメンタムは株価の先行指標とみなすこともできます。出荷・在庫モメンタムの動きからみれば、株価は今後上昇する可能性を示唆しています。

 

COTレポートの読み方-0430出荷・在庫モメンタムと株価

 

 

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