言い方を変えると「この動詞に前置詞は必要？」という問題で、よく試験で採用される類のものです。
多くは「他動詞なのに日本人が思わず前置詞を置いてしまう」ものが狙われやすく、以下のような動詞が代表的なものです。
× Let's discuss about your future.
○ Let's discuss your future.
最も頻繁に耳にする間違いですね。
「discuss = talk about」という感じなので、既に「about」は含まれています。
なので、最初の文は置き換えると「Let's talk about about your future」になってしまいます。
同じように「about」を付けがちな単語に「consider」というのもあります。
× We'll reach to (at) the station by 5.
○ We'll reach the station by 5.
reachが『（ある地点に）到着する』という意味の場合、「to」や「at」は不要です。
「get to～」や「arrive at～」は自動詞なので必要です。
でも、reachがそれ以外の意味で使われる場合、自動詞となり前置詞が必要になってくる場合があるのでやっかいです。
She's wearing a red skirt reaching to the ankle.（彼女は足首まで届きそうな赤いスカートをはいている）
このreachは『届きそうな』という長さを表現したもので、厳密に足首まで到達しているかどうかは必ずしも関係ありません。このように、広がりや方向性を表現したい場合は前置詞「to」を使います。
Reach for your dream, and it will come true.（夢を追い求めなさい、そうすれば実現します）
何かを『追い求める』、『探究する』という場合は「for」を使います。
「reach for the sky（高い志を持つ）」という慣用句でも使われていますね。
× I married with my wife 2 years ago.
○ I married my wife 2 years ago.
marryに「with」など前置詞が付かないのも有名です。「get married」という形だと「to」が付きますが、これも例外があります。
過去に「married withは間違い？」という記事を書いているのでご参照ください。
× Shall we go to downtown tonigh?
○ Shall we go downtown tonigh?
どこかの場所に行く時の「go」は通常「to」を伴いますが、「downtown」の時だけはなぜか「to」が付きません。
他にも、以下のような「～しに行く」系では現在分詞（動名詞ではない）がそのまま続きます。
go shopping（ショッピングに行く）
go skiing（スキーに行く）
ただし、このgoは文法的にはあくまで自動詞であり、後ろに続くdowntownやshoppingは副詞句としての役割のようです。うーん、文法って難しい・・・
ちなみに、似た動詞で「visit」がありますが、こちらは他動詞なので前置詞は不要です。
逆に、自動詞だから前置詞が必要なのに、よく忘れられる動詞もあります。
× I apologized him for what I did.
○ I apologized to him for what I did.
× Don't complain your situation.
○ Don't complain about your situation.
さて、問題はこれらをどう習得するか？ですが、「この動詞は自動詞、この動詞は他動詞」と暗記したり、「discuss＝talk about＝～について議論する」と前置詞込みで意味を覚えたり、という方法だといずれ破綻します。
過去に何度も同じことを言ってますが、文章ごと口に出して発音してみて、前置詞がないこと、前置詞があることに「違和感を覚える」という感覚を身に付けてください。
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