京都議定書は実現できるのか CO2規制社会のゆくえ/石井 孝明
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京都議定書が採択されて10年近く経つ。

その間に、ハリウッドセレブの間でプリウスがはやったりして、少しは環境問題に関心がもたれるようになってきている。

が、自分自身のことを考えてみると、今までと何も変わらないことをしている。
本にも議定書の不平等な部分や、日本の現状(2003年末時点)など、かなり悲観的なことが続いている。
産業関連の排出は、減るどころか増えているという。
この結果を見ても、日本が中心になってまとめた議定書の数値目標だけれど、何の根拠もなく決めたものだということが分かる。

何しろぐったりきた。
この本を読んで、ちょっと気持ちを引き締めなくてはと思った。
各家庭で出るゴミを減らすのが、とりあえずできることなのかな。

この本で、しきりに出てきた開高健の言葉がしみた。

「あす世界が滅びるとも、きょうあなたは林檎の木を植える」

どれだけ厳しい状況にあっても、やれることをやる。
あきらめてはいけないんだ。

以前、エコリュックサック に関する本を読んだ。
エコリュックサックとは、ある製品の製造から流通、消費まですべてのライフサイクルを通じて消費・移動される物質を計算したものだ。

「電気自動車は、エコロジーだ!」

とはいうけれど、今の日本を考えると、多くの電気は、原子力発電所と、火力発電所で作られた電気を消費している。
火力発電所もエコリュックサック的にいうとそれほど良いというわけではないのだけれど、原子力発電などえらいことになる。
鉱山から何十トン、何百トンもの土を掘り起こし、その中からほんの少しのプルトニウムなどを取り出す、そして、取り出した鉱物の運搬のためにも、たくさんの警備を必要とする(=人間という資源を必要とする)。

そして、さらに最悪なのは、発電後にできた廃棄物の処理方法が確立していないと言うこと。核燃料をサイクリックに使用 するための高速増殖炉などというものもあるが、これは、まだまだ実験段階だし、事故を起こしたりもしている。
電力会社で発電するのにかかる費用としては、原子力が安いと言うけれど、ライフサイクルで使用されるエネルギーは莫大なのだ。

化石燃料の代替エネルギーの技術が早く確立されることを祈るばかり。 なのか?
温暖化云々はさておき、未来の世代に素敵な地球を残しておきたい。

今なら間に合う。

エコリュックサック
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株式会社 ビーケーワン