尼崎市のHPから
自然の少ない本市において、現存する貴重な古木や大木を基準に基づいて保護樹木、保護樹林として指定しています。
平成26年3月末現在で、65本の保護樹木(主にクスノキ、イチョウ、ケヤキ)、41箇所、77,423平方メートルの保護樹林(主にムクノキ、モチノキ)が指定されています。
指定基準
保護樹木 1.5メートルの高さで幹周囲1メートル以上、樹高10メートル以上 など
保護樹林 保護樹木等の集団で面積が300平方メートル以上
指定基準は、各市ともおおむね同じであろう。
ただし美作市や西粟倉村では保護樹林の面積基準はもっと広いかも。
(美作市のHPにはそれに関する事項がなかった)
尼崎市の保護樹、保護樹林についてはPDFで一覧表も添付されている。
それを見ると、樹木、樹林のほとんどは寺社境内にあり、
そのまた大部分は私が訪問済みのものであった。
正玄寺(旧の塚口御坊)境内のイチョウとクスノキもその中に含まれる
寺塀の外から見た保護樹木イチョウ
鐘楼の脇のブロック塀は追加されたもので、寺の境内の一部を駐車場経営に利用している。
よってその部分は固定資産税課税対象地である。
寺塀
- 長命寺塀ぞひの花吹雪かな(谷原椿祭の折) 岸田稚魚 『雪涅槃』
- 寺塀に沿うてどんたく流しかな 永末喜代治
「合掌」は意外に多い例句
- 暁紅に露の藁屋根合掌す 能村登四郎 合掌部落
- 合掌の家霊冴えをり家郷捨つ 石原八束
- どぶろくに合掌一棟ごと匂ふ 岡井省二
- 合掌して花野の僧となりゆけり 永作火童
- 合掌の屋根裏見ゆる大夏炉 原田青児
- 二十六聖人大夕焼に合掌す 能村登四郎
- 燕や合掌を解く地蔵岩 田川飛旅子
- 和布刈海女海に合掌して去りぬ 樋笠 文
- 合掌の一集落の萱を干す 杉浦 東雲
- 遍路杖小脇にあづけ合掌す 山本 天留女
- 合掌をしてお福茶をいただきぬ 宮本 静代
- 耳の寺院に/吊るされて/頭上の/合掌 高柳重信
重信は多行形式で句を書いた。 - 夏やせてわが合掌のそらぞらし 鷲谷七菜子
- 合掌しては歩く涼しさ高野杉 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
- 月光菩薩秋芽のごとき合掌を 野澤節子 『花季』
- 庖丁の怯む筍合掌す 殿村菟絲子 『樹下』
- 春寒き合掌の指隙きに隙く(句集「牡丹」に記さゞりし旧作) 殿村菟絲子 『旅雁』
- 雪暮れぬ合掌をこそ心の灯 石原八束 『白夜の旅人』
- 汗と涙こも~こぼし合掌す(松江なる宍道夫人に) 『定本石橋秀野句文集』
- 合掌の梁黒々と根深汁 初川トミ子
- 子を遠く大夕焼に合掌す 中村汀女
- 驟雨下の合掌部落三時打つ 加藤楸邨
- 合掌を解けば我あり竹落葉 木内彰志
- 座禅草合掌しつつ開きけり 田村恵子
- いづくともなき合掌や初御空 中村汀女
- あかぎれの子のみ仏に合掌す 佐藤和子
- 未婚一生洗ひし足袋が合掌す 寺田京子
- 野仏の合掌に雪舞ふばかり 前川 実
- 合掌すガンジス河の大夕焼 永井敬子
- 合掌の家の涼しき畳かな 土永竜仙子
- 残雪や合掌民家に蚕臭消ゆ 岡部六弥太
- 合掌の棟の残雪弾け落つ 伊藤紫都子
- 合掌建つなぐ乏しき冬菜畑 加藤岳雄
- 雲水の雪卸すにも合掌す 矢野聖峰
- 島びとの暁の合掌紫苑立つ 加藤春彦
- 岩魚焼く合掌梁へ煤あげて 小林千草
- 栃の芽の合掌久し日雀鳴く 望月たかし
- 凍蝶の傷みなき翅合掌す 佐野まもる
- 大文字畦の合掌に映えゐたり 米沢吾亦紅
- 麦飯に頂きますと合掌する 橋本寅男
- 金輪際此合掌を滝打てり 川端茅舎
- 喜捨人も寒念仏も合掌す 田中王城
- 寒垢離の合掌を解き宙掴み 成田風太郎
- 雪の夜の天地合掌はてしなし 照敏
- 冬ごもる合掌造むき~に 素逝
- 金輪際此合掌を滝打てり 茅舎
- 初蝶に合掌のみてほぐるるばかり 橋本多佳子
- 金輪際此合掌を滝打てり 川端茅舎
- 島の稲架合掌に組み風に耐へ 高浜年尾
- 金輪際此合掌を滝打てり 川端茅舎
- 冬の蝶羽の合掌解きて死す 柴田奈美
- 山祗へ灯をともしたる合掌家 佐藤美恵子
- 暁光に露の藁屋根合掌す 能村登四郎
- 合掌をして放屁虫わかれけり 阿波野青畝
- 観音に西瓜供へて合掌す 細見綾子
- 島の稲架合掌に組み風に耐へ 高浜年尾
- 合掌の屋根の鋭角雲の峰 小田中雄子
- 合掌を解きて十夜の粥すする 近藤一鴻
- 合掌に僧と別るる山桜 毛塚静枝
- 合掌して更に涼しくなりにけり 毛塚静枝
- 合掌家を覗くためらひ蚊に刺さる 伊藤京子
- 合掌もせず寒き墓とゐしのみか 猿橋統流子
- 女人合掌解くごと朴の花ひらく 猿橋統流子
- 冬隣合掌村は味噌の匂ひ 杉本寛
- 合掌村高空を截る秋燕 大橋敦子
- 合掌部落百花を抽きて一辛夷 岸田稚魚
- 合掌す緑窓傘雨大居士に 佐藤春夫 能火野人十七音詩抄
- 冬衣合掌のとき繭臭し 澁谷道
- ウランを平和へ河鹿死んでも合掌する 八木三日女
- 未婚一生洗ひし足袋が合掌す 寺田京子
- 春立つや合掌の指ひた反らす 井上雪
- ふはふはと襟巻の師よ合掌す 松村蒼石 雁
- 合掌の像(すがた)をうつす秋灯かな 松村蒼石 寒鶯抄
- 合掌の手のかたちして遠*えり簀 関戸靖子
- 今も住む合掌建てや萩の風 朝倉和江
- 合掌のごと凍蝶は翅立てて 朝倉和江
- 冬衣合掌のとき繭臭し 渋谷道
- 生きてゐることに合掌柏餅 村越化石
- 汗と涙こも~こぼし合掌す 石橋秀野
蘇鉄の合掌葉と詠えるかも。
幹回り2,31メートル。市内の保護樹といては細い方。
ちなみに
岡山奈義町菩提寺の天然記念物のイチョウの幹回りは12メートル。
3年前に訪問したら、樹の周りはイチョウの葉の海原であった。
暮れて着く銀杏黄葉の大海に
本堂に向かって右手に保護樹のクスノキ
傍らの樹下に集められたギンナン↓