(前日からの続き)

【二幕目 第一場 本所大川端の場】

 長兵衛が五十両を手に家路を急いでいると、若い男が大川に身を投げようとしています。

身投げ1

 男は小間物を扱っている和泉屋の手代「文七」。

 得意先に代金の掛取りに行った帰りに五十両をすられてしまい、身投げをしようとしていました。

身投げ2

 「怪我でもしたらどうするんでぇ」(長兵衛)

身投げ3

 「私さえ死ねば」(文七)

 「おいおい、やめとけ」(長兵衛)

 長兵衛は、娘が身を売ってこしらえた大切な金だが、人の命に代えられないと金をやろうとします。

身投げ4

 文七は、そんな大切なお金は受け取れない、と断りますが、長兵衛は金を投げつけ「死んじゃぁいけねぇよ」と叫びながら、走り去ります。

【二幕目 第二場 元の長兵衛内の場】

家主

 長兵衛の家では、夫婦喧嘩の真っ最中。

 事情を話すも、お兼は、また博打に使ってしまったのだろうと疑っています。

 家主の「甚八」が仲介するもおさまりません。

 そこへ、和泉屋「清兵衛」が文七を伴ってやって来ます。

五十両返る

 文七は五十両をすられてしまったと思っていましたが、得意先に忘れてきたことがわかり、五十両は長兵衛の元に返ってきます。

縁談

 清兵衛は、孝行に感心してお久を身請けしてくれていました。

 さらに、文七の嫁としてお久をもらいたいと言います。

 恥ずかしげにうつむくお久。

 文七は、店の元結は無駄が多いので、それを使いやすい寸法にして売りたいと話します。

 仕事の工夫を考える文七に皆は感心し、長兵衛夫婦は、思いがけない幸せをお久とともに喜ぶのでありました。

 めでたしめでたし。

全員

 「人情噺 文七元結」は台詞が現代語に近く、とても面白いお話でした。

 2月9日、「信州農村歌舞伎祭」での中尾歌舞伎の演目は「御所桜堀川夜討 弁慶上使の段」

 どんなお話なのか、今から楽しみです。

 まだチケットはあるようですので、みなさんも農村歌舞伎の風情を味わってみてはいかがでしょうか? (momo)

 【過去ログ】 信州農村歌舞伎祭 ~2月9日は伊那文化会館へ~

お七