城田優さんがトートを演じる、『エリザベート』を観てきました。

『エリザベート』を観るのははじめてなんですが、

テーマはズバリ!


“美しい城田トートを見る”


はい、それはもう美しかったです。

ほんと、ごちそうまでしたっっっ!!



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2015年8月13日(木)マチネ

帝国劇場

脚本/歌詞・ミヒャエル・クンツェ

音楽/編曲・シルヴェスター・リーヴァイ

演出/訳詞・小池修一郎

出演/蘭乃はな・城田優・田代万里生・古川雄大・香寿たつき・尾上松也・松井月杜他



城田くんのことは、「4Stars」で見て舞台映えがするな~と思って、

その後『ファントム』でマントさばきに萌え、

『ファントム』の感想はここ

映画「シンデレラ」のプロモーションで、難易度の高い白タイツを履きこなしうるうるとした目で高畑充希さんと歌うのを見て、

もともと王子系キャラよりはワイルド系キャラの方が好きな私ですが、

「城田くん=私的王子さま」に決定!しました。

で、今回はぜひ、城田トートを見ようと。(トートは王子じゃないけど)


普段はほとんどミュージカルは観ないので、キャストのことはよくわからないため、城田くんが出て、日程の都合がつく日のチケットをとったら、こうなりました。



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城田トートは、美しくて、“この世のものではない感”が漂っていました。

少し、醒めているような感じもあって、トートは“死”であることを考えると、あの、ちょっと距離があってひんやりとした感じは‘アリ’だと思いました。

「最後のダンス」は、「4Stars」でも歌っていたけど、芝居の一場面となると、ああなるんですね!萌えました~~。

あと、ムチを持っていたところ、「ひゃあ~」ってなったし、

相変わらずマントさばきが素敵だったドキドキドキドキ


今回は、わりと前方の席だったので、よく見えて眼福だったんですが、惜しむらくは城田トート、上手側で演技をすることが多く、私は左サイドの席だったので、

「トート、カモーーン!」と思っていましたが、

下手にはあんまり来なかった・・・。


と、城田トート目当てで行った私ですが、

『エリザベート』という作品そのものの持つ魅力に大いに心を動かされました。


エリザベートの波乱の人生を歌とダンスでテンポよく描きながらも、エピソードの羅列にとどまらず、自分の人生は自分で決めていこう、自分らしさを貫こう、と戦う姿を、愛とリスペクトのもとに描いていて、芝居自体にしっかりとした芯がある感じ。


王室の話ではあるけれど、

嫁と姑と間に入る夫・・のあれこれや、

夫婦の気持ちのすれ違い、

自分らしさを発揮できない環境にいることの苦しさ

などは、身近なことでもあり、共感を覚えやすい。


そして、自由を求めて戦うエリザベートには、それゆえに、常に孤独がつきまとい、“死のささやき”があっただろうなー、と思わせられます。

その死の誘惑を、美しい中世的な人物として擬人化して、

“死”がエリザベートに魅了される、というところが何ともロマンティックでもあり。


息子を失って絶望したエリザベートが、トートに自分を委ねようとしたとき、トートが拒絶するところもよかったな。


楽曲も、いい曲がいっぱい。

「私だけに」は、自分らしく生きることの勇気と、孤独を引き受ける覚悟を与えてくれるような気がします。

普段、ミュージカルはあまり観ない私ですが、素晴らしい楽曲は、長々とした台詞よりも雄弁なのだなー、と思いました。


ダンスも良かったですね。

トート・ダンサーズは、鍛え抜かれたセクシーさがあふれていて、眼福でした!


小さな劇場で、最少の道具を使って俳優の力量だけで観客をいろんな世界に連れて行ってくれる芝居も好きだけど、

『エリザベート』のように、美しい衣装や華やかな美術の舞台もいいですね。

一幕の終わりの、あのドレス姿のインパクトはすごかった!


エリザベートを演じた蘭乃はなさんは、無垢で無邪気な少女時代から、苦悩の晩年までを魅力的に演じ分けていたと思います。

他の役も、演じる人が違うとまた全然違う印象になると思うので、違うキャストでも観てみたくなりますね。

帝国劇場に行くのは数十年ぶり(?)でしたが、とても贅沢な時間を過ごせました。